16・5-⑧ 私の天使とお泊まりパーティー (マァサ side)
もう…サイドストーリーの量では無くなってきております。
こんなはずじゃ無かったと反省しきりです。
(申し訳ございませんっ!)
再びお邪魔致しますすすー(´・ω・`;)
「私 不思議に思っている事がありますの。」
毅然とした態度で
その場を掌握するエルヴァラ様のお姿に 既視感を感じた。
部屋に居る全ての視線を エルヴァラ様が集めていた。
「ヨルドとナイドが家出をした時 人攫いに遭いましたの。
その時 お相手の悪者は
魔術防御の魔道具を持っていたそうです。
私が以前レイリルから 魔術防御の髪飾りを頂いた時に
お父様が
その魔道具は王族など限られた者が手にする
とても貴重な魔道具だと 仰っていましたわ。
それを考えると とても不思議に思えましたの。」
エルヴァラ様の仰った内容に
公爵家の皆様だけでなく
執事のリンデル様や 端に控えている侍女までもが
ザワリと揺れた。
エルヴァラ様はその様子を見ても
我関せずに話を進められる。
「あと一つ 不思議な事がありますの。
今日はマァサ達と
ヨルドとナイドを探す為に貴族街の高台へ向かいましたわ。
その時の景色を思い出すと 悪者が人攫いの為に
誰かを探す場所だとは思えなかったのです。
魔術防御の魔道具を持って
袋と縄を二人分用意していた事が不思議でしたの。
二人が伯爵邸を出てから高台に着くまで
それほど距離はありませんでしたし
人通りの多い場所も通っていないのです。
偶然二人を見つけて 後を尾けたとは思えませんわ。
それなら いつから二人を狙っていたのかしら?
もし 悪者の家がご近所なら
今 邸に戻るのは危なくないかしら?
…と、言うわけでっ!! うふふふっ。
ペルー家の皆様には
今日 我が邸にお泊まりいただきましょうっ!」
両手をパチンと鳴らして
ニカッと満面笑みなエルヴァラ様は
大変に可愛らしかった。
「私! お泊まりパーティをしてみたかったの!!」
嬉しそうに 私達を見つめるエルヴァラ様。
「お兄様!
私 マァサの他に 三人もお友達を増やしましたのよ!
…でもリュイは…
護衛のルイに頼みましたので お泊まりは無理ですの…。」
リュイが居ないことに一瞬 肩を落とされたが
「私 馬車の中で悪者の狙いに気付いてから
ペルー家の皆様には お泊まりをしてもらおうと
楽しみにしていましたの。」
ニコニコと 笑っていらっしゃる。
「悪者が捕まるまで ずっとお泊まりをして欲しいですわ。
これなら 怪我が治ってもマァサと一緒に居られるもの。」
その言葉を聞いて 胸が熱くなり
溜まっていた涙が溢れそうになった。
「もちろん 遊ぶ時は お兄様もお呼びしますから
安心してください!
ふふっ、大勢で遊べて嬉しいですわ。 うふふふ… 」
「エヴァ… それは… 」
エルディン様の困った声は エルヴァラ様に届かない。
そして
エルヴァラ様の嬉しそうな様子は止まらない。
「お父様!
お友達を助ける為ですから よろしいですわよねっ!」
言葉自体は 公爵様に承諾を窺っているものの
エルヴァラ様の瞳の輝きから
私達のお泊まりは確定事項のようだった。
エルヴァラ様のご様子を 顧みるに
仰っている内容の重大さに気付かれていないご様子。
しかし 私達は、と言うと…。
エルヴァラ様以外は それぞれが思案していた。
エルディン様は エルヴァラ様の遊びのお誘いに
お顔が引き攣っておられた。
公爵様は 眉間の皺を寄せて考え込んでしまわれた。
公爵夫人は柔らかい笑顔のままで 身体は固められたまま。
エルヴァラ様の話を聞いて 周りは気付いたはず。
ヨルドとナイドは "始めから" 狙われていたと言う事に。
それに気付いた二人は お互いの手を握り合って
青い顔でガタガタと震えていた。
私とお父様は 震える二人を抱きしめた。
皆が考え込む中 エルヴァラ様は
「え、どうしたの? ヨルド、ナイド 寒いの?
それなら風邪をひかないように
早く寝なくちゃいけないわね…
無理はいけないものね… 」
少し残念そうに しかし体調を心配をしながら
二人の顔を覗き込んでいらっしゃった。
「もちろん、マァサのお母様にも来ていただきましょう!
悪者が お邸の近くに居たら危ないもの。
ねっ お母様!」
「え? えぇ そ、そうね… 」
公爵夫人は
思ってもみない展開に 笑顔のまま呆けていらっしゃる。
「悪者は
ヨルドとナイドの家出に すぐに気付いたのだから
凄く近くに 家があるのかもしれないわね!
それとも 何か魔道具を使ったのかしら。
そんなに凄いものがあったら驚きね!
私も欲しいわ リンデルへのイタズラに使っちゃうわ、私。
うふふふ… 」
最後の言葉で リンデル様の涼やかなお顔の眉が
ピクリと動いた。
「それとも 何か作戦でもあったのかしら。
知恵のある悪者は
厄介だとサラから教えてもらったもの。」
エルヴァラ様の 笑顔を向けられた先を見ると
話の邪魔にならないよう気配を消していた侍女が
身体をピクッと揺らしていた。
「そうね、マァサのお母様に 危険があってはいけないわ。
…来ていただく時は
変装をしてもらった方が良いのかしら?
…うーん、、、 なかなかに 難しいわねぇ。」
エルヴァラ様が楽しそうにお喋りをする その周りで
私達は
人攫いが誰かに手引きされた可能性に 意識を移す。
公爵様は眉間に皺を寄せたまま
じっとエルヴァラ様を 見つめていらっしゃった。
エルヴァラ様は
私達ペルー家全員をいかにして無事に
公爵邸に泊まらせるかの方法について
うんうん唸りながら 悩んでいらっしゃった。
エルディン様はその様子を 遠い目をして眺められた後
静かに何かを悟り
目を細めながらエルヴァラ様の頭を
撫でていらっしゃった。
私は 二人に聞いた。
「ヨルド ナイド。
あの高台に行く事を 事前に誰かに話したり
もしくは 高台に行く事を勧められたりは、した?」
身体の震えが止まらないヨルドが
強張った顔で 教えてくれた。
本日も ありがとうございますすすー(´・ω・`)♡
サイドストーリーとは!!
と 迷走中の今日この頃でございますすすー!