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16・5-④ 私の天使の怒り (マァサ side)

もの凄く!ものすごーーく!未熟ですが 


少しでも楽しんでもらえるように


頑張りますすすー(´・ω・`)









仁王立(におうだ)ちのエルヴァラ様は 美しかった。





まだ8歳という あどけないお顔なのに 


もともとの美貌(びぼう)からか (すご)みのある美しさだった。





「ねぇ、なんで 死のうと思ったの?」





再び エルヴァラ様の 低くなった声が響く。







愛らしくもあり 美しくもある少女の怒りの声に



この場の人々は皆 圧倒(あっとう)されていた。







弟達は 私達を見た時より青い顔をしていた。





視界に入る 


浮浪児のリーダーであろう少年も 息を()めている。






周りにいた浮浪児達は 


そのリーダーらしき少年の後ろに 隠れている。






この場を支配している エルヴァラ様の視線は 



真っ直ぐに 双子の弟達へと向けられていた。







友人が()らず 人慣れをしていない弟達は



初めて会った美少女に気圧(けお)され 身体を震わせている。







少し(あわ)れになり 涙でぐしゃぐしゃになった二人の顔を


交互に ハンカチで拭いてから




改めて エルヴァラ様を紹介する。






「ヨルド、ナイド。 この方は エルヴァラ・バーシル様。



バーシル公爵家のお嬢様よ。




私が エルヴァラ様のお(やしき)で 


とてもお世話になっているのは 知っているわよね。




貴方達が家を出たと知って お父様はとても悲しんだの。



きっと 


どうしたら良いか分からないほど 苦しかったのね



それで お世話になっている公爵家へ来てしまったの。





お母様には 心配をかけてしまうから


話せなかったのだと思う。」







チラリとお父様を見ると 羞恥心(しゅうちしん)からか赤くなり


弱ったように(うつむ)きながら (つぶや)く。






「公爵家にも 


マァサにも迷惑をかけてしまい 申し訳ない事をした…。」






私は続ける。







憔悴(しょうすい)しきって弱っているお父様に 



公爵家の皆様は とても親切にしてくださったわ。




追い返さず 



私が休ませて頂いている部屋にまで 案内して下さったの。




お父様ね、私の顔を見て 泣き崩れてしまったのよ。」






弟達が 驚いた顔で 私とお父様の顔を交互に見やる。






お父様は やり切れない表情で 


ますます赤くなり 身体を小さくする。






「あまりにも辛くて 


マァサまで消えていたらどうしようかと…。」






もう よく聞こえない。







「私も お父様の(くず)れる姿を見て茫然(ぼうぜん)としてしまったわ。




ヨルドとナイドを失ったらどうしよう、て(あせ)るのに


どうしたら良いかなんて思い浮かばなくて




心も思考もどんどん固まって 動けなくなったの。





お父様と同じで崩れそうになった時…


エルヴァラ様がね、助けてくださったのよ。」







双子の弟達に ニッコリと笑う。


弟達は 私の顔をマジマジと見つめる。




そうよね、私が笑う事なんて ずっと無かったものね。







「貴方達を探す為に 


エルヴァラ様が 一番初めに動いて下さったの。




公爵様に私兵(しへい)の許可を頼んでくださって


門番にも連絡を出して下さったの。




人攫(ひとさら)いの心配までして下さったわ。




闇ギルドや冒険者ギルドや 



ここにいるスラム街の皆んなにも 


情報提供を頼んでくださったの。





エルヴァラ様はね、貴方達を探す為に



一緒に馬車に乗り 貴方達のお気に入りの場所も



空き家の確認にも 全部 お付き合い下さった方なのよ。」







それを聞いた弟達は じっとエルヴァラ様を見つめてから


頬を赤く染め モジモジしながら







「ぼ、僕たちの事で 迷惑かけてごめんなさい。」




「お父様やお姉様とっ!


僕たちを 探して下さって ありがとうございましたっ!」





と お礼の気持ちを届けようと 必死に奮闘していた。






しかし それに(かま)わず


エルヴァラ様のお顔が どんどん険しくなっていく。



 




「だから、、 なんでっ、、


なんで、死のうだなんて、、、。」







身体を小さく震わせながら


手のひらをギュッと握り 弟達に詰め寄ってくる。







「あのねっ! 


マァサも 伯爵様も 貴方達をずっとずっと心配していて




苦しそうで 辛そうで…


たくさん、たくさん泣いていたわ!





私だって心配で… 悲しくて辛くて 泣きたくて。








でもねっ! 



私まで泣いたら マァサも 伯爵様も困ってしまうわ。




私より ずっとずっと辛いのはお二人だから。



だから… だから… 」








エルヴァラ様の金色の瞳が揺れ 涙が()まる。







「私は、私は泣いちゃダメだって ずっと我慢してて…





うっ…っ… うぅ…… っ……




っっ うえっ…うわぁぁぁーーーーん!!」








エルヴァラ様が 天を(あお)いで泣いてしまった。




涙が ボロボロと(あふ)れ出てくる。






その場にいた皆んなが 固まってしまった。







私とお父様は 先程までの 



(りん)としたエルヴァラ様を知っている為


(なお)のこと 狼狽(うろた)えてしまう。






エルヴァラ様の涙は止まらない。







「うわぁぁぁーーーん!!




死んじゃダメよぉぉーーー!





辛かったらっ!…うくっ



逃げてもっ 良いけどっ!…んくっ





でもっ でもっ 死んじゃダメなのぉぉーーー!!





死んじゃったらぁーー逢えなくなるものぉぉぉーーー!





うわぁぁぁーーーーん!!」








エルヴァラ様の心の内を聞き 




エルヴァラ様に甘えていた事を 不甲斐(ふがい)なく思い


今 何かできる事はないかと考えていると








「…うわぁぁーーん! ごめんなさいーー! 



もうしませんーー! うわぁぁーーーん!!」





と弟達が 再び泣き始めた。



私とお父様 護衛の騎士達が驚いていると






少し離れたところから






「おかあさぁぁーーーん! おとうさぁぁーーーん!」


「死んじゃやだぁぁーーー!!」


「会いたいよぉぉーーー!」


「うわぁぁぁーーーん!!」





少年の後ろに隠れていた 小さい子達からも



泣き声が聞こえてきた。






驚いて見ると 





リーダーであろう少年も 腕で赤くなった目元を(こす)りながら


小さな子供達の背中を()でている。






彼らの両親は亡くなっているのだろう。







エルヴァラ様の



「死んでしまったら 逢えなくなる。」






この言葉が あの子達の心に届いてしまったのだろう。



そして 弟達にも。








エルヴァラ様 



巻き込んでしまい 申し訳ありませんでした。






そして



弟達の為に 本当に ありがとうございました。








今回も ありがとうございます!!


いやもう、ホントに感謝ですすすー(´・ω・`)♡

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