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16・5-② 私の天使と忌み子 (マァサ side)

稚拙なりに 楽しんでいただけたらなーと


思っておりますー図々しいでしょうかぁぁー(汗)


またまたお邪魔いたしまっすすすー(´・ω・`)






お世話になって 二日目の朝だった。




ちょうど エルヴァラ様が遊びにいらした時だった。







侍女の方に案内され 




ノックの音と共に お父様が青い顔で入ってきた。







「マァサ、こんな時にすまない。 




ヨルドとナイドが 家から出て行ってしまったんだ!」







お父様が 憔悴(しょうすい)しきった顔で 弟達の名前を呼ぶ。








「私が騙されたのも リナの身体が弱いのも




マァサが婚姻を迫られ 馬車に()かれたのも




全ての不幸は 双子の自分達が生きているからだ、と…」







最後は 絞り出すような声で 言葉になっていなかった。




手には 紙が握りしめられている。








「ここまで来て騒げば 公爵家にも迷惑をかけ 




ペルー家にとっても外聞(がいぶん)が悪い。 






わかってはいるんだ。 わかってはいるんだ、だが…




もう 私には君達しか… 家族しか残っていないんだ…






子供達を失ったら 私はどうやって生きていけば…」








最後は床に崩れ お父様は嗚咽(おえつ)を漏らし始めた。






私達はあまりの出来事に




何が起きているのか 理解出来ていなかった。







エルヴァラ様も目を見開き 固まっていらっしゃる。










様子のおかしいお父様を ここまで招待したのは




執事長である リンデル様の判断らしい。







侍女の一人とリンデル様、騎士の方三人が 




扉と窓の近く エルヴァラ様の近くに待機なさっている。






その中で人目も(はばか)らず 膝をつき泣き崩れているお父様。








「マァサには すまない事をした。 





爵位を売って平民になれば 二度と貴族には戻れない。






私はどうなっても良いが 




貴族で生まれたお前達を平民に落とし 




苦労をかける事が 私には耐えられなかったんだ。








私の心が弱いばかりに…





マァサも ヨルドもナイドも 離れて…行って、しま… 」







最後は 嗚咽(おえつ)で声にならない。





わかっていた、お父様の心が弱っていることを。













この国には、、、 周辺国も含め




「双子の()()」の話が 御伽話(おとぎばなし)として広まっている。






双子の話が色々ある中で 絵本になっているのは




大国(たいこく)で生まれた双子の姉妹、魔女と聖女の話だった。






神に愛された聖女と 悪神(あくしん)(そそのか)された魔女が戦い 




多くの国民と領地が 瘴気(しょうき)の犠牲になった。






聖女は夫であり王である勇者と その息子を救う為 




命を投げ出し 水晶になったというお話し。







大国にはもともと 双子の忌み子の逸話(いつわ)があり




双子を育てると 災いを呼ぶと言い伝えられていた。






その中で二人の両親は 姉妹を育てた。




その結果 大国を危険に(さら)したと処罰を受けた。







後味の悪い話だが この絵本はなぜか 多くの国に広がり




どの国でも 双子は()み嫌われるものとなった。








私の弟 ヨルドとナイドは 双子の兄弟だ。







お母様は双子を産んだ後 




産後の肥立(ひだ)ちが悪く (とこ)()せる事が多くなった。







それを理由に周囲は 不吉だから兄弟のどちらかを殺せと




強く言い(つの)ってきたが





両親は 絶対に受け入れる事は無かった。







"私達は 皆んなで力を合わせて幸せになろう"




両親の口癖だった。










でも 貴族の世界は 甘くはなかった。









まるで私達が 禁忌(きんき)を犯しているかのように 




貴族社会から嫌われ 除け者にされていった。







貴族にとって 社交界は




人脈を広げるだけではなく 情報発信の場であり






有識者(ゆうしきしゃ)との交流により 




必要な情報を手に入れる場でもあった。








情報は財産だ。




領地を発展させていく為にも 情報は必要である。 







情報により 商売や人脈で 利を得やすくなり




情報によって 余計な支出は抑えられる。




情報があれば 利益の出る投資が出来る。








貴族の社交場は 情報をエサとする 戦いの場でもあった。







しかし そこから(はじ)かれた者の未来は どうなるのか。








領内の 農地を富ませる情報が入って来なければ




天候で左右される農産物の資産は 目減(めべ)りしやすい。







資産ばかりか 将来に繋がる人脈が手の内に無ければ 




心の不安は広がるだろう。








きっとお父様は 孤独な中 




一人でその不安と戦いながら 私たちを守ってきた。








そして 




声をかけてきた商人に(すが)ってしまったのだろうか。







将来の財産として 




周りから爪弾(つまはじ)きにされている 愛する息子達の為に





何かを残したかったのかもしれない。







悪徳商会の噂を教えてくれる友人が居れば






…未来は違ったのだろうか。










お父様だけでなく 私達も友人は居なかった。





高位貴族の務めとして




王宮のお茶会に向かえば 私達は(ひど)い扱いを受けた。







王宮以外のお茶会には 誰からも誘われなかった。








そんななか私達は 体調を崩し寝込みやすいお母様に




嘘の… 楽しい報告をしていた。







孤独な中 嘘をつく心苦しさもあって 





私達は少しずつ 壊れていったのかもしれない。







あの日 家を飛び出し 死を望んだのだから。












   でも私は 天使に出逢えたのだ。










今日も 読んでいただき 誠にー!誠にっ!


ありがとうございますすすー(´・ω・`)♡

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