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15. エルヴァラの価値と あり得た未来


な、長くてすみません…(汗)


本日も お邪魔いたしますすすー(´・ω・`;)













「…エルヴァラは どうしたいかな?




希望に添えるとは思えないが 一応は 聞いておこう。」








恐れていた言葉が 私の耳に届く。




理解したくは無いが、理解しなければならない。




お父様は 娘を国に 売る。










領主として、国政を(にな)う者として 多忙なお父様と



過ごす時間は あまり取れなかった。





それでも 娘としての 思慕(しぼ)はあった。









新たな記憶を持ち もしこの先 何か…





何か 恩恵(おんけい)を受ける機会があるのなら



それを 共に享受(きょうじゅ)したい人ではあった。






不自由なく育ててもらった事に 感謝もしていた。












「希望に添えるとは思えないが 一応は 聞いておこう。」






先程の言葉が 頭の中を ぐるぐると回る。









娘としてでは無く 政治の駒としての価値を決め




私の意思を尊重する様に見せて 実は 突き離した言葉だ。











微笑んだまま 胸の痛みで グッと身体に 力が入る。









裏切られた様な痛みと 



心の中で育ててきた思慕(しぼ)を 汚された様な痛み。








私の答えは 決まっている。  報告は嫌です、だ。







だが




心の答えと 言葉にする答えが 同じだとは限らない。








なんと答えれば 国に売られずに済むか。




有益な案を出し 交渉をするべきか。




どこまで こちらの身を 切れば良いのか。









考えは 巡る…













…スキル発現で 王家に囲われた 



身近な貴族を 私は知っている。








私の 再従兄弟(はとこ)に当たる 4歳年上のレイルがそうだ。



お兄様の 親友でもある。







レイルとの(つな)がりは



元、第一王女だった 私のお祖母(ばあ)様から 繋がっている。








お祖母様は お父様のお母様だ。




王家から降嫁(こうか)され バーシル公爵家に入った。







なので



王陛下と王兄(おうけい)殿下は 



私のお父様の 従兄弟(いとこ)でもある。









オレージン公爵家に臣籍降下(しんせきこうか)





代替わりした後の



今のオレージン公爵家の当主が 王兄殿下だ。








その王兄(おうけい)殿下が レイルのお父様でもある。






レイルは 王兄殿下と愛妾(あいしょう)の子であり 



オレージン公爵家の 次男として 引き取られた。








レイルのスキルは 彼が王家に囲われた事で




広く知られることとなった。







彼の持つスキルは 「賢者」






彼の求める答えは この世のどこかに姿を現し 




存在する物となる。  




稀有(けう)なスキルである。







また 魔力も膨大な為 戦闘にも秀でており




魔物狩りなどの職務も (こな)しているらしい。













長らく会っていないが 彼は元気にしているだろうか。



職務以外で 外に出られているのだろうか。









婚約前だが 彼とはよく 




(やしき)を 一緒に抜け出し 城下町へ遊びに行っていた。




彼があまりに強い為 人攫(ひとさら)いへの恐怖は 全く無かった












窮屈(きゅうくつ)(やしき)を いつか国を抜け出そうな エヴァ」




「俺がどこへでも 連れて行くから 一緒にいよう、な!」




「エヴァと一緒なら何処(どこ)までも行ける 何にでもなれる」










私と手を繋ぎ 喜色(きしょく)と 虹色に 輝く瞳を細め



屈託(くったく)の無い 美しい笑顔を向けてくる レイル。







一緒に笑った レイルの笑顔が 懐かしい。









自由への強い憧れは レイルの言葉のせいかもしれない。












自由を奪われる恐怖。





スキル発現で 王家に囲われれば 



奴隷に近い扱いだと 言われる。








賛辞(さんじ)を送りながらも 口さがない者たちは 陰で(ささや)く。




高貴なる奴隷、と。








自由が無く、選択もない。




人攫(ひとさら)いを警戒し 王宮の奥に住まわせ (かこ)う。







街に出る自由も無く 家族に会う機会も 社交場のみ。




それも護衛という監視付き。







婚姻相手は もちろん 王家が決める。




次なる優秀なスキルを求め 魔力の高い者と(つが)わせる。







王子との婚約解消後 



私は その(つがい)に選ばれる可能性が とてつもなく高い。







もちろん、こちらの意思など 尊重されない。





囲われた中の誰と (つが)わされるのかは 分からない。



国の為だ 貴族の務めだと、声高らかに説得される。







(いな)を唱えれば 国賊(こくぞく)(ごと)く責められ





貴族として



思いの限りの(はずかし)めに(さら)された後 国から追放される。









…それなら なぜ、王子との婚約を解消するのか。







玲奈の記憶が 伝えてくる。





その恋は 不毛、だと。








玲奈の記憶がなかったとして、その先を考え ゾッとする。






出口のない想いに 突き動かされ




ただ、ただ… 進む事しか出来なかっただろう。






玲奈の記憶が無ければ




好きな人との婚約解消など 考えつかないし あり得ない。







あり得なければ どうするか。




恋心が(むく)われず 最後は 泣いて (すが)り付くのだろうか。






いや、淑女として、公爵令嬢としての矜持(きょうじ)は捨てられない。




恋に(おぼ)れる 無様(ぶざま)な姿は (さら)せない。










それなら 苦しみ、焦り、(ねた)み、憎しみの 行き着く先は…






そうなのだ、男爵令嬢の 彼女に向けられるのだ。




力も 権力も 何も無い彼女に 向けられるのだ。








彼女が 居なければ…、私は そう考えただろう。




婚約解消を決意した今ですら そう感じてしまうのだから。








玲奈の記憶が無ければ




その存在を排除しようと 思いつく限りの事をしただろう。







私の中の 苛烈(かれつ)な部分が 顔を出し




悪事に 手を染めていたかもしれない。







しかし どんな方法を選んだところで




玲奈の記憶の中では 不毛な恋の終わり方しか存在しない。







燃え上がる恋心に 




高慢(こうまん)で 傲慢(ごうまん)な婚約者の邪魔は




むしろ 二人の心の結び付きを 強める他ならない。








それだけでは無い。








加虐(かぎゃく)的で攻撃的な令嬢と知られれば 




周囲から落胆され



社交界では 失笑の的となり 居場所を失っていくだろう。






惨めな恋の 終わり方だ。










もし恋心では無く 権力の為に 王妃の座に執着した場合






お飾りの王妃となり 夫である王からは



恋人との仲睦まじい姿を見せられ 





その恋人との時間を作る為に 私に政務を 




山の様に押し付けてくるかもしれない。






婚約の段階で 望まれていなければ



私とは 白い結婚のままかもしれない。







後継者が産まれなければ




例え恋人の爵位が低くても 側妃に召されるだろう。






恋人が側妃となり 男児を(みごも)れば




その子供が 王太子となる未来しか見えない。





しがみ付いた権力さえも、奪われる。








実際に 起きない未来では無い為



被害妄想、とも 言い切れない。








玲奈の記憶が 訴える。





運を味方にされれば 爵位なんて関係無くなる、と。



恋心と時間と若さを 奪われ続けていいのか、と。









同じ、苦痛や 理不尽に耐えるのなら、、







   自由と可能性を手に入れるために







    立ち向かってみないか、と。










今回は 長くてすみません(汗)


お疲れ様でございました!

よろしければ

粗茶でございますすすー((( 旦 ♡


今日も

ありがとうございましたー(´・ω・`)♡ぺこり

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