13. 落ち人への 思い
今回は シリアス回だと思います…(´・ω・`)
苦手な方、ごめんなさいー!
マァサが 依然、ヒーローでカッコイイです。
…嫁に来るかい? マァサ?
(マァサに 引っ叩かれました、泣)
最後は エヴァも吹っ切れています、あー良かった。
では今回も お邪魔致しますすすすー
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想像してしまった。
選りにも選って お父様との交渉中に!
大切な時間なのに。
お父様と過ごす 貴重な時間なのに。
ざわり、ざわり、と 背筋から恐怖が上ってくる。
なぜ 深く理解してしまったのだろう、、、
落ち人、と呼ばれた人達。
知らない土地 知らない世界 知らない人々…
言葉だって 通じないかもしれない。
魔法が 使えない人かもしれない。
お金だって 持っていないはずだ。
奇妙な服を着た人を 周りはどう思うのだろうか。
落とし穴にーーー なんて 笑い事じゃ無い。
その人の家族は? 友人は? 恋人は?
急に 離れ離れになった後に 連絡も取れない。
知り合いもいない 見知らぬ世界で
ーーー そんなの 地獄じゃないかっ!! ーーー
なにが落ち人だ! ただの 犠牲者じゃないかっ!
ハッ、ハッ、ハッ、ハッ… 浅い呼吸音が 談話室に響く。
「どう… したんだ…? エルヴァラ?」
急に 胸を押さえ 苦しみ出した娘を見て
お父様も青ざめ 慌てる。
「具合が 悪いのか?」
お父様の声が キツく大きくなる。
「誰かっ! リンデルッ!! 侍医をっ…
「旦那様、御前を失礼致します!」
私達と入室した後 侍女として お茶の用意を終え
話の邪魔にならないよう 壁に同化していたマァサが…
雇い主の言葉を遮り 私の前に出て来た。
手をギュッと握って 私の意識を 自分に向けさせる。
「お嬢様、わかりますか? マァサです。
お嬢様は 今 息を吸い過ぎております。
なので 吐く事を優先させて下さい。
…ゆっくりです。 勢いよく 吐いてはいけません。
ゆっくり ゆっくり… 吸うより 吐く事に集中して下さい。
ゆっくり… 丁寧に吐いていきましょう。 ゆっくり…
背中を押しますね 肩も伸ばしますね。
ゆっくり 呼吸を整えていきましょう。
落ち着いて…ゆっくり吐いて ゆっくり吸って… 」
ごめんなさい、お父様。 ごめんなさい、マァサ。
驚かせてしまったわ。
心の中で伝えるけど 言葉にならない。
涙が ボロボロ溢れ 指先が ブルブルと震える。
こんなはずじゃ… こんなはずじゃ無かったのに…
手に力が入らない為 止め処なく溢れる涙と鼻水を
マァサがハンカチで 丁寧に拭いてくれる。
浄化魔法をかけながら。
マァサに お礼を伝えたいのに 声にならない。
心配するお父様へ 声をかけたいのに 言葉にならない。
涙を溢しながら 大きな瞳で訴えれば マァサが頷く。
「…旦那様、僭越ながら
私が お嬢様のお気持ちを 代弁しても
よろしいでしょうか。」
お父様が ゆっくりと私の瞳の中を 確認する。
「良いのか? エヴァ?」
ゆっくりと 呼吸を整えながら 私は頷く。
マァサは しっかりと でも穏やかに 話し出す。
「…お嬢様が目を覚まされ 奥様と会われた後
心細そうに 泣いていらっしゃいました。
慣れ親しんだはずの専属侍女にも 警戒心をお持ちでした。
お嬢様は 夢の中の異世界で 別の女性となって
生活されていたそうです。
異世界で生活されていたお嬢様が こちらに戻られた時
見知らぬ世界に来たと 錯覚されたはずです。
エルヴァラ様の記憶を 取り戻してからは
落ち着かれた様に 振る舞っておられますが
最初に感じた 心細さや 恐怖 緊張などは
簡単に 忘れられるものでは無いと 思われます。
お嬢様としましても
例え 夢の中の繋がりだとしましても
…同郷の方が ご自分より
もっと苦しい状況に陥られた想像をなされば
お心を 強く痛めるのではないでしょうか。
過去の同郷の方に 心を砕かれたのではないでしょうか。」
チラリと 痛ましそうに 私の顔色を見るマァサ。
ありがとう マァサ。
心の澱を 言葉にしてもらえると
こんなにも救われるだなんて 思ってもみなかった。
マァサへの感謝で また 涙ぐんでしまう。
でも もう しっかりしなくちゃ。
甘え過ぎだわ 私。
じんわりくるマァサへの感謝は 後で きちんと伝えたい。
状況を顧みれば 惨憺たる現状だ。
私の交渉は 全く出来ておらず
お父様の 恐怖な… ごふっ…
貴重なお話は 中断されたまま…
娘の私は急にパニックになり マァサは…
マァサは 全てが完璧だから 問題ないわね!
(さすがだわ マァサ! むふん ♪)
慌てたお父様の腕が グラスに当たり 中身が溢れ…
呼ばれた執事の リンデルとお父様が 青い顔で
マァサの話を じっと聞き…
……
……
… ふふっ …
なんか 修羅場ってて 面白いわね ふふ。
あぁ いけない! 私のせいなのよね コレ!!
私が 悪いのだけれど
…だけど …ねぇ? …ふふっ
…ふふふふ
…笑っちゃいけないわ、と 自重する。
…ふぅ。
すぅ はぁーー… と 息を吸って 深く吐き
私は ニッコリと笑う。
泣いたせいで 凄い顔なんだけどね。
マァサが言うには 残念な顔らしいけどね、 マァサめっ!
お父様… 心配と 迷惑をかけて ごめんなさい。
私は もう、大丈夫。
さぁ 話し合いましょう お父様。
読んでいただけてっ! とても感謝です♡
ありがとうございますすすー(´・ω・`)♡むふん