12. 秘匿情報… 重いですわぁぁー(泣)
稚拙な文章で恐縮ですがーー
再び お邪魔致しますすすー(´・ω・`)
「お父様、お話は 二つございます。」
「ほぉ…?」
私は 背筋を伸ばし 毅然且つ 悠然と話し始める。
交渉を有利に進める為にも この場を掌握したいのだ。
ここは 寛ぎに重点を置いた作りの 談話室。
穏やかな色調の壁紙。
丁寧に作られ 洗練されたデザインの家具達。
ゆったりと寛げるソファに それぞれが座り
お父様は 食後のお酒と 葉巻を楽しんでいらっしゃる。
様子を見るに 今日のお父様は 機嫌が良いらしい。
やったぁ! ツイてるね、私!!
私の前には ハーブティーがある。
一口飲んで 続ける。
「先ずは 一つ目です。
本日 倒れました際に
スキルが発現した可能性がございます。」
はいーー! 話を盛ってますよコレ。ハッタリですよ。
二つ目の話をスムーズにする為ですよ、この盛り具合は。
実際のところ スキル発現だとは思っていないけど
私の不思議話を
実のある内容にする為 ホラ(嘘)を吹いてますよ 私。
これが 度胸の成せる技ってとこですかね、むふん。
「ほぉ…。」
あぁーー お父様 嬉しそう!
眼が大きく開いて 喜んでいるのが伝わるわー!
ごめんっ! ごめんなさいねっ!
ここは ちょぉぉぉーーっと 自分の為に 嘘ついてます!
他のところで 頑張って挽回するから
今回は私の嘘に乗せられて! ね? ね?
「私、寝ている間に 異世界の夢を見てまいりました。
とても不思議な世界で
こことは文明も価値観も 全く違う世界でした。
私はその世界で 別の少女として生活していましたわ。
…もしかして 不思議な夢と言うのは
私以外の方でも 見れるのかもしれません…
ですが
その異世界で得た知識を 私が活用できたらどうでしょう。
それは 夢とは言えないと思います。
スキルの一種、なのではないかと考えます。」
少し 盛りすぎたかなー。
うん、盛りすぎた気がする どうしよう。
ホラ(嘘)吹きの覚悟は出来ていたけど
大ホラ吹きになる覚悟は出来てはいない。
うーん。
やり過ぎたなー どーしよーかなーと
自分の言葉に 少しの間 固まっていたら
…お父様の眼が
ギラリと 獲物を狙う様な目つきに 変わっている。
え… 怖いですよ? お父様。
「大国では 落ち人と呼ばれる
神から遣わされた叡智ある人がいるらしい。」
「ほぉ…?」
お父様 スミマセン!
思わず 不遜な態度を取ってしまいました。
決して お父様の真似をしたかった訳では…
いえ、スミマセン! 真似したかったんです!!
ほぉ、の三段活用が してみたかったのです!!
(使い方が違うと思うけどーー!)
ほぉ? ほぉー… ほぉっ! やってみたいんですーー!!
お父様は 私の不遜な態度を気にも留めず 話を続ける。
「落ち人は その国にしか知られていない情報であり
…秘匿魔法が施されている。
情報に 制約がかかっている為、国境を越えると
忘却の術で それにまつわる情報を忘れるらしい。」
「ほぉっ!!」 なんですとっ!
うんうん、良い感じ。(にこにこ)
「情報を 徹底している理由だが
この世界の発展の多くは 落ち人の功績が多いらしく
落ち人を他国に知られ 奪われたく無いらしい。」
独り占めしたいのね ふぅーーん…
「 ほぉーー… 」
まぁ 私としては
ほぉ、を しっかり使えたので大満足です お父様 ♪
ホクホクと 嬉しそうな私を見て
少し不思議そうに 首を傾げるお父様は、話を続ける。
「その為に 各国に散らばる間者達は
もし落ち人らしき噂を聞いたら
自国に勧誘する様 教育が徹底されていると聞いた。」
ふむふむ。 間者も大変なのねー。
「落ち人、と言うのは
外交官として大国に赴いた時 偶然 耳にした話だ。
強く興味を惹かれたが 話ぶりから
秘匿情報だとも 理解ができた。
調べるとしても 宿泊先の 皇室図書館を使えば足がつく。
その為
その国の闇ギルドを使って 徹底的に調べてきた情報だ。
エヴァも この情報は秘匿にしなさい。」
はい わかりました… って、 えぇぇぇーーーー!
なんて事に 巻き込んでくれちゃったの お父様ぁーー!
涙目 & 顔面蒼白で 口をパクパクしている私を気にもせず
お父様は 続ける。
お父様っ! 娘が!! 口から泡を吹きそうですわよーー
気にして下さい お父様ーー!!
お父様の 鋼のメンタルに翻弄されながら
話は進んでいく。
「落ち人は 数百年に 一度の頻度らしい。
民間の間では 御伽話の様な扱いになっている。
私が忘れずに居られたのは 国境を越えても
忘却の魔術が かからない立場だったからだ。」
…お父様 …重いです 重過ぎます。
17の小娘が聞くには 重すぎますっ!(泣)
他国の秘匿情報ですよねっ! 国家間の問題ですよねっ!
なぜ 私がぁーー聞かされているのですかぁぁーー(大泣)
私の決意なんて
小さい話になっちゃったじゃないですかぁぁーー(咽び泣)
話し続けるお父様を 涙の溜まったジト眼で見やる。
「落ち人とは 異世界から
次元の落とし穴に嵌り こちらに来てしまう人だ。」
…え、落とし穴って… え?
コントのようなシーンを 思い浮かべてしまう。
ちょっと面白くなって
心の中で ツッコミを入れようとした、、、けど
深く考えれば 落とし穴に "拉致"されたのと一緒だ。
理解した途端に 強い恐怖と同情心が 心の底から湧く。
自分が もしその立場だったら…
想像だけで 泣きそうになった。
本日も! 読んでいただき
ありがとうございますすすズラン(´・ω・`)♡かわよ