女神
そこには身長百七十くらいあるだろうか、大きくスタイル抜群のまるでゲームに出てくる天使のような子がいた。
「君は?」
「私、君と同じクラスの水森ななせです。っていうかさっき自己紹介したじゃん。」
クスッと笑いそう伝えてきた。
「ごめん。全然聴いてなかった。」
僕は、自分が何を言おうか緊張しすぎてなにも聞いていなかった。
「もおひどいなー君は」
「それは置いといて、君は本当にそれでいいの?ずっと逃げてるだけじゃなにも解決しないよ。と言いたいとこだけど、一緒に明日あの斉藤力くんっ子に文句言ってやろうよ!」
俺はあまりの切り替わり具合についていけなかった。
「え、どういうこと?僕に怒っているんじゃないの?」
僕は、水森さんに聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声で言った。
「そりゃもちろん言い返せる人には越した事ないけど、誰しもが言い返せる世の中なら地球がもたないよ!」
「だから言い返せる人が言い返せない人の代わりに言うの!
でも私にはこだわりがあって、私が言うだけじゃ全然意味なくって、一緒に言ってもらうことにしてるの。まぁ当の本人が望むならなんだけどね」
また、クスッと笑いながら話す。
なんて綺麗な人なんだろう。でも少し変わっている人だな。
お節介なのか?いやでもそういうわけでもなさうだしなー。
「もちろん僕は言い返したいし、高校では友達もほしい。だけどなんでそこまでしてくれるの?」
「だって君がそう言ってたから」
???僕はそんなこと言ってない。むしろ喋りかけられるまで水森さんを知らなかった。
「そんなこと僕一言も言ってないよ。」
「もう!言ってたの!」
何を考えて喋っているか僕は終始分からなかった。結局明日、斉藤君に水神さんと僕で言い返す約束という、少し幼稚な約束をした。