突然に
晴れてこの春、高校生になった僕の名前は火神颯。名前はいかにも火を司る魔法が使えるカッコいいキャラクターみたいな名前だが勉強も出来ず、もちろん運動やろくに人とも会話ができないいわゆるモブキャラだ。終いには身長、百五十センチジャストといういわゆるチビだ。チビでも友達が周りに沢山いたり、コミュ力が高い奴もいる。それは身長なんて関係ないし。だが僕はそんなタイプではなくいじめられるチビだ。中学の時、特に小さかった僕は苦しいいじめに遭ってニ回も転校したくらいだ。だけど高校に行ったらそんな弱気な自分を捨てて強く生きていつか父さんみたいにカッコいい人になるんだ!そう強く思っていた矢先あんなことになるなんて・・・
入学式も終え、クラスで先生の自己紹介や、クラスメイトの自己紹介も終わって帰る時のこと
「おまえちっせぇなー小学生か?」
いきなりクラスメイトの斉藤力からバカにされた笑い方で言われる。
「ごめん。」
なに謝ってんだ、僕!こんな僕とはもうおさらばするはずだろ?言い返すんだ!そう心では思っていても体は違った。苦い過去が体と一心同体かのように震え出す。声も出ず黙っていると追い討ちをかけるように斉藤君が口を開けた。
「おまえどうせそうやっていじめられて、謝ってきたんだろう?」
「そんなんじゃまたいじめられるぞ」
何も言い返せなかった。
斉藤君はそれを言い残すと早くも出来た二人の友達と教室をでた。
「はぁ、何やってんだ初日から僕は」
思わず口からこぼれてしまった。もう明日からいじめられる運命だ。また他の学校に行こうかな。
「他の学校に行けばいいやって思ってる顔だね。」
「え?」
僕は目を疑った。