第1話 ブライアン囮にされる
この作品には、いつものなろうテンプレがなされています。
苦手な方は、直ぐにブラウザバックを推奨します。
それでも良い方のみ、お楽しみください。
僕の名前はブライアン・ハーネス、勇者率いるSランクパーティーの荷物持ちだ。
「おい、ブライアン! 遅いぞ何してやがる!!」
「今行くから急かさないでくださいよロドリゲスさん!」
フンッと鼻を鳴らし先頭を歩くのが勇者パーティーのリーダー、ロドリゲスさんだ。
いつも僕を目の敵にしているように睨みつけたり暴力を振るわれたりしているけど辞めるに辞められない理由がある。
それは母親の病気を治すには高額なお金を稼がないといけないから安全な仕事をして長々と稼ぐよりも冒険者として依頼を受ける方が遙かに早く楽にしてあげられるからだ。
「早く歩いたらどうなの、相変わらずノロマね!」
「すみません、善処します。」
勇者パーティーは僕を含めて四人いて、その内の一人で賢者のノーラ・クロッカスが蔑むような目を向けてくる。
「善処しますって、毎回言ってるけど全然変わらないじゃないバカにしてるの?」
「本当に申し訳ありません。」
もう一人の女性は聖女のリーゼ・ネックハンド、彼女も僕には冷たい視線を送ってくる。
因みに僕達がいるのはSランクのモンスターの徘徊する薄暗い洞窟のダンジョンだ。
「さてと、ボス部屋に到着したぜ! おめえら準備は良いか?」
「何を今更、私の魔法は世界一なのよ、一撃で倒しちゃったりしてね。」
「それにアタシの回復魔法があるのだから状態異常なんて怖くないでしょ?」
「あの、僕は……。」
「ああ? てめえは留守番だよ! そこで大人しくしてな!!」
「ええ!? こんかSランクモンスターだらけの場所で!!」
あまりにも酷い仕打ちをされてしまうが、これも病気の母親の為だと思い無理にでも納得することにした。
「別にアンタ困らないでしょ? 死んでもどうせ生き返れるし。」
「そうよね、わざわざアタシの魔力を消耗しないで済むし。」
「そういうこった、安心しなよ! さっさと倒して戻って来てやっからよ!」
そう言ってロドリゲスさん達はボス部屋の扉を開き、奥へと進んで行く。
それから、しばらくして僕はロドリゲスさん達が戻って来るのがいつもより遅い事に気が付いた。
「おかしい、あれから結構時間が経ってるのに……。」
僕は意を決してボス部屋の扉を開き奥へと進んで行くとボロボロになったロドリゲスさん達を見つける。
「ロドリゲスさん!?」
ロドリゲスさん達は三メートル越えのゴリラ型の魔物、マッスルスローロリスと対峙していた。
「ブライアン?」
(良いところに来てくれたぜ! たまには役に立つじゃねえか。)
ロドリゲスは下卑た笑みを浮かべるとノーラとリーゼを呼び逃げる準備を始める。
「ノーラ、リーゼ! 退却だ!」
「分かったわ!」
「今、そっちに行く!」
ロドリゲスさん達は、マッスルスローロリスから逃げる為、扉の方へと走って行く、僕は少し出遅れて扉の方へと走るがロドリゲスさん達は思い掛けない事をし始めたのだ。
「え!?」
「早く閉めろ! 奴を外に出すわけにはいかねえ!」
「分かってるわ!」
「悪いけど犠牲になってね、荷物持ち君。」
徐々にボス部屋の扉が閉じていき、僕が扉の隙間から見たのは満面の笑みを浮かべる三人の姿だった。
「あばよ、ハズレスキルの荷物持ち! ハハハハ!!」
その言葉を聞いた時にはボス部屋の扉は完全に閉じきってしまっていた。
「待って……、開けてよ! 殺されちゃうよ!!」
「グルルルルルル…………。」
マッスルスローロリスは、いつの間にか僕の直ぐ後ろに立っていた。
「駄目だ、殺される!!」
そして、僕はボスモンスターに何度も、何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も、数え切れない位殺され蘇生を繰り返し地獄のような苦しみを味わった。
どれくらいの時間が経っただろうか、僕は殺され過ぎて何もかもがどうでもよくなってきた頃未だに僕を殺そうとマッスルスローロリスが腕を振り上げ僕に振り下ろすと、どういうわけか腕がおかしな方向へと曲がってしまっていた。
「どうした? もう殺すのは飽きたのか、お猿さん?」
「ギギー!?」
マッスルスローロリスは逃げようとするが、ボス部屋はボスモンスターを倒すか誰かが外から開けないかぎり出られない仕様になっている為、僕はボスモンスターには怨みしかないが軽く首の骨をへし折ってやった。
「ふぅ…、何だよ思ってたより弱いんだな。」
ボスモンスターを倒した事で扉が開き、報酬として宝箱が出現する。
「ん、そういやボスモンスターを倒したら報酬かもらえるんだったな……さて、何が入っているんだ?」
俺は宝箱を開け中身を確認すると指輪が入っていた。
「何だ、このアイテムは? 取り敢えずサブスキルで確認するか、ステータスオープン!」
ステータスを開きサブスキル“鑑定”を仕様すると指輪の効果欄には、モンスターに触れる事で女体化させると書かれていた。
「ほう、人間よりはマシに扱う事が出来そうだな……にしても俺のステータスはかなりおかしくなっているな全てが測定不能って有り得るのかよ?」
俺は自分がどれ位の強さになったのか確かめるべくダンジョン内のモンスターと戦ってみたが全てのモンスターを倒しきってしまたのか気配が無くなった。
「Sランクモンスターってのも案外弱かったんだな…。」
そう黄昏ていると不意に失念していた事を思い出す。
「しまった、指輪の効果試してねえ!!」
物思いに耽っていると上空から大きな影が通り過ぎる。
「ん、あれはドラゴンか?」
ドラゴンは近くの森に降りて行くのが見え、俺は良いことを思い付いた。
「そうだ、ドラゴンを女体化して仲間にしよう! きっと強くて頼れる相棒になってくれるはずだ!」
こうして、俺の全モンスター女体化ハーレム計画が始まるのであった。
追放系というより、いつものなろう要素への挑戦です。
どこかで見た事のある展開のオンパレードになると思うので脳死で読む事をお勧めします。