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異世界で魔王と呼ばれた男が帰って来た!  作者: 山口遊子


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39.まずいことになった


 当面することが無くなったので、中川は持ってきた勉強道具を机に広げて学校の勉強を始めた。俺は勉強などする必要はないので、ソファーをベッド代わりに横になっていたのだが、これでは中川の勉強の邪魔になるかと思い、ちゃんと座ることにした。


「あら、霧谷くん、別にそこで横になっていてもいいのよ。わたしは気にしないから。でも、下からわたしの足を覗かないでよ」


 なるほど、言われて気付いたが、今日の中川は少し短めのスカートを履いている。そう言われてはいそうですかとまた横になるわけにもいかないので、そのまま座ってぼーっとしていると、


 ピロロローン。


 中川の机の上に置いた固定電話が鳴った。


「はい、KIRI-YAです。はい。今、霧谷に代わります。

 霧谷くん、森本興業の社長さん?から」


「サンキュ」


 電話を代わると、森本のおっちゃんが、


「ちょうどいてくれて助かったぜ。ちょっとまずいことになった。電話じゃ話しにくいことなんで、時間があったらこっちに来てもらえないか?」


「わかった、すぐにそっちに行く」


「中川、俺はこれから森本興業に行くけど、驚かないでくれよ」


『ステルス』、『転移』


 俺が目の前突然見えなくなったことで目を丸くする中川を置いて、森本興業のビルの前に転移し、通りに人がいないことを確認して『ステルス』を解除してビルに入っていった。



 エレベーターで4階に上がりおっちゃんのいる部屋に入ると、


「ずいぶん早いじゃないか? さっき電話したばっかだぞ」


「気にするなよ。早いに越したことはないだろ」


「それもそうだな。そこの椅子に座ってくれ」


 俺が、おっちゃんの机の隣にあった椅子に座ると、


「さっき電話で言ったように、ちーっとばかしまずいことになっちまった。

 いやな、仲間内でお前さんから買った薬を回してたのを、大陸系の連中に嗅ぎつけられたわけだ。俺達にも薬のビジネスに噛ませろってな。そうじゃなけりゃ上がりの3割寄こせときた。いまはもう、大陸系のやつらと事を構えるだけの実力は俺らに無いんだ」


「で、社長さんは、どうしたいの?」


「金は惜しいが命の方が惜しいからな、今言ったように儲けの3割出すしかあるめー。そのうちお前さんのところに連中がやってくるかもしれないから用心しとけよって話だ」


「そうか。社長さんわざわざありがとうな。だけど俺がそいつらをぶっ潰せばいいだけだろ?」


「まあな。だがな、いくらお前さんでも相手が悪い。奴らの兵隊の数は日本国内に2000はいるぞ。減れば減っただけ大陸からやって来る」


「ふうん。楽しそうじゃないか。別にどれだけいてもいいが100万もいないんだろ?」


「お前さんが、どういう神経してるのかわからんが、忠告だけはしたからな」


「社長さん、そっちには迷惑かけないから、そいつらの居場所知ってるなら教えてくれるかい?」


「ああ、俺の知っているのはそいつらの出先だけなんだがな。場所は、……」



 おっちゃんに聞いた場所は、最寄駅から電車で15分ほどの街にあった。ここ数年、急激に大陸系の住人が増え、元からいる住人とトラブルが絶えないという話をどこかで聞いたことがある。駅の周りからすぐに大規模マンションが立ち並んでいて、特徴的な街だ。道行く人の話している言葉も、半分は日本語ではないようだ。


 駅前の大きな通りをしばらく歩くとアーケードの付いた商店街が始まる。その先のやや古びたビルを連中が出先として使っているそうだ。おっちゃんでも大陸系の連中の本体がどこにあるのか知らなかったので、まず、ここを掃除してやることにした。


 大通りから横道に入った先がそのビルだ。ここは堂々と『ステルス』からの戦闘服への早着替え。ステルス使って堂々はないか。


 ほう、ここか。いかにもなお兄さんが4人ほど、薄汚れた灰色のビルの前でたむろしている。顔つきを見ると確かにどことなく大陸系。話している言葉は日本語じゃあない。


 ビルの大きさから言って、中には4、50人は居そうだ。出先というわりに大きいな。できれば一網打尽にしたうえで、頭を押さえて、連中の本拠地を聞き出したいがどうだろう。



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