第1話 ようこそ、イセマートへ。
思い付きで書いたものになります
不定期更新ですが筆が乗ればちょこちょこと更新するかもしれません。
これは異世界を渡り商売を行う
不思議なコンビニの話
俺の名前はリョー。
苗字とかもあるんだがこの店で苗字があると面倒な事があったりするから名前だけ名札に書くことになっている。
そしてこのコンビニの名前はイセマート
異世界へ行くからイセマートらしい
ぶっちゃけ安直だよな。
まぁそんな事は置いておいて
今日も一日頑張って働きますかー。
ぴんぽーん
ドアベルが店内に鳴り響く
早速お出ましのようだ。
今日の客は冒険者みたいだな
剣と鎧を装備した黒髪の剣士と軽装の緑髪の弓使い
それと異世界ならよくある魔法使いか。
髪は白く、綺麗な色をしている。
ま、ここで働いてるとこれが普通なんだけどな。
「な、なんだここは!?」
戦士が店内に入るなりそう叫ぶ
ん?どうやらこの異世界は初めてみたいだな
仕方ない、これも仕事だし説明するとしようか。
「いらっしゃいませ、ここは初めてでしょうか?」
「あ、あぁ、それでここはなんなんだ、教えて貰えないだろうか。」
「ここはコンビニです。」
「コンビニ?お、おい、お前知ってるか?」
一緒に来ている弓使いにそう問いかける戦士
「いや、知る訳ないだろ。」
「だよな。」
「先に言っておくけど私も知らないわよ?」
「だ、だよな。」
少しの間戦士は棒立ちし、ふと顔を上げた
「あ、すまない、ちょっとばかし困惑しちまった、それで兄ちゃんここでは何が出来るんだ?」
「飲食物からおもちゃや化粧品色々取り揃えておりますよ。」
「飲食物!?食べ物を売っているのか!?」
「化粧品・・・?」
「玩具まであるのか。」
「はい、あちらのコーナーとこのレジの横にある温かいホットスナックが食べ物で、飲み物はあちらにありますよ。」
「あー、兄ちゃん聞きたいんだが、お金っていうのはこれで払えるのか?」
そう言って戦士は銀貨を取り出した
「申し訳ないですが、ここの上にその硬貨を置いてみてもらっても?」
俺はそう言ってレジの前に置いてある機械へ案内する
「こ、こうか?」
ちゃりん、といい音を立て機械へ銀貨が乗せられると機械から数字が表示される
『銀貨25g 換算額1250円』
おおっとそれなりの重さのようだ
「もしこの銀貨を売って頂ければこのお店で使えるお金に交換させて頂きますが、如何しましょうか?」
「それで食べ物はどれくらい買える?」
「大まかに1枚で2人分でしょうか。」
「味が劣ってもいいのであれば3人分も行けますよ。」
「こんな場所にあるのにそんなに買えるのか!気に入った!是非売らせて貰う!」
「ありがとうございます。それではそのお金を交換させていただきますね。」
俺がそう言いボタンを押すと銀貨は機械から消え1000円札1枚と250円分の小銭が現れた
「なんだこれ!?」
「ははっ、初めて見られる方は皆驚かれるのですよ。」
「不思議な魔具だな・・・」
なんか勘違いしているようだが、まぁいいか。
「お客様、この数字を数える事は出来ますか?」
俺は戦士に数字を見せそういった。
「あぁ、出来る。」
「それはよかった、買うことが出来る金額は現段階で1250円、商品に値段が書いてありますのでその合計が1250以下になるようにお選びください、丁度でも大丈夫ですよ。」
この初めての客は一体何を買うのだろうか、これが地味に楽しみだったりする。
「「種類が多すぎる・・・」」
男二人は同じ台詞をしゃべっている
仲よすぎだろ。
「迷うわね・・・」
初めてのコンビニだ、存分に迷ってくれ!
それから5分ほど迷ったのか
戦士だけでなく弓使いと魔法使いも自分の銀貨を交換し、買い物をする事に決めたようだ。
「皆自分の分は自分で出すならば、ある程度好きに買ってもよさそうだな。」
結局戦士は1000円使いお弁当を1個とパンとおにぎりを合わせて3つほど購入した、すかさず俺はあれを言うことにした。
「ご一緒にイセチキはいかがでしょうか?」
「イセチキ?とはなんだ?」
「鶏肉に衣をつけて揚げた料理というかおやつのような物です。」
「一個いくらだ?」
「200円です。」
「よし、買った!」
「揚げたてなので美味しいですよ。」
それに釣られたのか弓使いと魔法使いも同じようにお弁当とパンやおにぎりを購入し、イセチキも買ってくれた。
大体初見でおススメされると買ってしまう、不思議だよな。
「今食べられるのであればお弁当温めましょうか?」
「弁当は普通冷めたものだろう?どうやって温めるんだ?勿論温かいほうが美味しいのは確かだが。」
「では実際に見てもらいましょうか。」
俺は電子レンジにお弁当を突っ込み規定時間温める
「はい、出来ました。」
「早いな、本当に温かいのか?」
そう言って戦士はお弁当に触れる
「うおっ!熱!?」
コンビニあるある
温めたばかりのお弁当熱すぎ問題だな。
「食べる際使いやすいほうをお使い下さい。」
そう言って俺はスプーンとフォークを渡す
「あぁ、助かる。」
「私も温めてもらえるかしら?」
「俺もお願いしたい。」
「えぇ、大丈夫ですよ。」
全員揃ったのでイートインを使っていいと教えてあげると大変喜ばれた。
ふふ、あとは感想を楽しみに待つとしよう。
「「「うぅ・・・生きててよかった・・・」」」
そこまでかよ!?