夜
夜の静謐が好き。
人の気配も車の音もない、するのは自らが紡ぐ微かな身じろぎの音。
その瞬間私は飛び放たれる。
何からだろう?
ただ自らに纏わりつく様々なこと。
他人の思いや自我、喜びも悲しみも、生の感情も負の感情も、生も死も全て脱ぎ去った自分になる。
夜のさざめきが好き。
雑多に溢れて誰も彼もが欲に満ちてる。
寂しさを埋めたい、楽しさを分かち合いたい、苛立ちを発散したい、気持ちよくなりたい。
そんな中に身を置くことで安心と寂しさを得る。
昼は暖かさをくれるけど、それだけでは足りない。
私が惹かれるのは夜。
人工の暖かさしかくれない夜。
それでも私を惹き付けてやまない。
私の寂しさを埋めてくれるのも、涙を受け止めてくれるのも全て夜の静謐とさざめき。
私は、いつか…………