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瑠璃色創造国  作者: 涼宮那音
3/3

2、知らない場所で ♠

※途中で視点が変わります。

(主人公→謎の少女→少年→主人公)

ふと目が覚めると全く違う景色が目に入ってきた。


今のこの状況が全く掴めない。


私は何故知らない部屋で、知らないベットの上にいるのか。


そして何故か身震いがする。


この原因はなんなんだろう?


お気に入りのぬいぐるみを抱えてぎゅっとして、記憶を辿ってみた。


「あっ、うぅ」


一気あの記憶がフラッシュした。


炎に包まれ消えゆく私の居場所。


潰れかけて大量に血が出ていた左足。


そしてお母さんが『私たちの分まで頑張って生きてね』と言い最後に『バイバイ』と、言って微笑んだこと。


『バイバイ』?


お、別れ?


両親と?


もう、二度と会えない?


私は…1人?


そ、そんなの、嫌、嫌、嫌だ、嫌だ!


1人なんて…寂しくて悲しすぎる。


そして、思い立った時には部屋を飛び出し廊下に出ていた。


「誰か…誰か、いないの?」


広い廊下に出ても誰もおらずしんとしていた。


怖い、怖い、1人は怖い…


すると、私がいた部屋の隣から、ふと何かの気配がした気がした。


近づいてそっと扉を開けてみた。


すると、少年?がベットの上でうなされていた。


誰?とは思わずに、ただ、そこに誰かがいるっということだけでほんの少し安心した。


「うっうう」


少年は、なんだか苦しそうだった。


私は少年に近づき、ぬいぐるみを近くに置いた。


そして昔お母さんがやってくれたのを思い出し、少年の手をぎゅっと握ると魔力を流した。


私はただ少年を落ち着かせるためにしたのだか、他の人の手の温もり、そこに誰かがいるという安心感で、今までの疲れがいきなりどっときてつい私は眠ってしまった。



2人のいる部屋に、銀髪の綺麗な少女が入ってきた。


「ありゃ?なんで女の子がこっちの部屋にいるのかなー?」


そう言って、少女は首を傾げた。


「まっいいけど。って、女の子が動いたってことは…もうすぐ起きるってことかな?

なら、色々準備しないと!

あーたのしみだなー!早く起きてくれないかなー?」


そう言って少女はわくわくしながら部屋を後にした。



少年は目が覚めた。


そこは、知らない場所だった。


不思議だ。


両親が目の前で消えとても怖くて、辛い思いをしたのに何故か、何故だか今はとても落ち着いている。


とても温かい。安心出来る。


これは…何だ?


ふと横を見た。


「うわっ、わっ、あ!」


びっくりして飛び退いた。


真横にそれもとても近くに少女がいたからだ。


ちょっと待て…1回落ち着こう。


1度ベットの上に座って考え込んだ。


そもそもここは一体どこだ?


部屋一面を見渡したが全くと言うほど見覚えがない。


そして、この少女は…誰だ?


真横にいた少女。


俺には生き物の心を色というものが見えるのだが、この少女はとても綺麗な色で明るく優しい光のような色をしていた。


だが、感情はとても悲しい色で、暗く澄んだ青色だった。


きっと俺みたいなつらい思いでもしたんだろうな。


よしよしと、俺は反射的に少女の頭を撫でた。


撫でているとその手から温もりが伝わってくる。


安心出来るような心地いい温もり…

そうか、この温もりはこの子のおかげだったのか…


少女の髪はふわふわしていて気持ちいい。


いつまでも撫でて飽きない。


「ん?むぅー」


びっくりしたー。ただの寝息か……可愛い…


ん?可愛い?


そう思うと顔が一気に熱くなったきがした。


え、な、何で俺、顔が熱いんだ?そして、胸の鼓動が早い…そしてなんだかよく分からない気持ち…


初めて知った、知らない気持ちがだんだん大きくなっていくのを確かに感じた…



誰かに頭を撫でられている。


気持ちいい。


凄く優しい手つきで、安心できる。

まるでお母さんに撫でられているような………ん?


「お母さん!?」


慌てて顔を上げると「痛っ」という声とともにゴツッと鈍い音がした。


目の前を見ると、ベットの上にいた少年が顎を抑えて俯いて方を震わせていた。


お母さんでもお父さんでも…なかった…


「うっ、うぅ」


お母さんか、お父さんと思ったのに…そう思うとぽとぽとと涙が出てきた。


「お、お前、どうしたんだ?

頭を打ったのが痛かった?ご、ごめんな」


少年はどうすればいいのかとおろおろしていた。


「違う、ひっく、お母さんに、うぅ…撫でられた優しい手が、似ていた…だから両親と、ひっく、思ったのに違う、かった」


少年は、静かに「そうか…」と頷きまた頭を撫で始めた。温かい。


「無粋なことを聞いて悪いが、君の両親はどうしたんだ?」


「わ、私の、両親は、『バイバイ』って言って、ひっく、…私はそこから記憶がなくて、うぅ…、目が覚めたら知らない場所にいた…………」


すると目の前が暗くなり、額に何かが当たった。


どうやらこの少年に抱きしめられているようだ。


「そうか、それは辛かったな…」


そう言って、あの手で優しく頭をぽんぽん、とされた。


この少年の腕の中は凄く安心出来る…そう感じてた。





しかし、いきなりガチャッと部屋の扉の開く音が聞これた。


怖くてまた、体が震えだした。すると、安心しろと言うかのように少年の腕の力は強まった。


「やっほー。どうやら2人とも起きたようだね。調子はどう?」


少年に抱きしめられているため姿は見えないが、声は高い。


「お前…誰だ!」


少年は警戒して、声を荒立てている。


「僕ー?僕はね、君を連れてきた張本人かな?」


此処に連れてきた張本人?


「お前が俺たちを此処に連れてきたのか」


「うん、そうだよ。

でもそれについての詳しい説明はまたあとでね。

今は君が抱えてる少女とちょと話がしたいからその子を前に向けてもらえるかな?

抱えていちゃ、ろくに話しもできないからさ」


少年は黙って腕を解き私をひょいと横に座らせた後、手を握ってくれた。


目の前にいたのは銀髪の綺麗な10歳ぐらいの少女だった。


「ねぇ君、左足は大丈夫?」


左足?


「結構酷い怪我だったからさ、一応治したんだけど、大丈夫かなーってね?」


左足、酷い怪我……

思い出した。私、あの時……


そっと左足を見てみたが、怪我どころか傷跡は1つ残ってなかった。


「怪我が、綺麗に無くなってる…」


「本当!それはよかった!一応そこら辺歩いてみて?」


そう言われて試しにパタパタと部屋の中を歩いてみたが、なんの違和感もない。


「どう?」


「なんの違和感もありません」


「なら大丈夫そうだね。いやー、ほんとよかったよかった」


「あ、あの、左足を治してくださってありがとうございます」


「はい、どういたしまして!」


この少女、私たちを連れてきたと言っていたけど悪い人じゃなさそう?


「さてと、また、詳しい説明をするから下のリビングの椅子に座っててね。リビングは、廊下の階段下りてすぐだから。

僕はちょと準備してくるから先に行くね。

じゃあまた、後でねー」


そう言うと銀髪の少女は部屋を出ていった。


私も行こうと思って立ち上がると、少年に手首を掴まれた。


「どうかしたの?」


「いや、左足怪我してたんだろ、

だから良かったら…担いでやろうかなってな…」


「治してもらったから大丈夫だよ。だから、ちゃんと歩ける」


「そうか…」


それに、流石にこの年になって担いでもらうのはちょと恥ずかしいしね…


「えーと、そしたら行こうか」


「うん」


私は傍に置いていたぬいぐるみを抱えて部屋を出た。


少年はチラッとこちらを見てすぐに目をそらした。


どうしたんだろう?そんなに耳を真っ赤にして…




挿絵(By みてみん)

\_(・ω・`)コレ

ヒロイン、リムセルの絵です。

描いてもらいました!


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