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いくつめの事件(h)

「高松さんを探すにしても、どこを探せばいいんでしょうね……」


ダイニングルームをあとにした深神とハルカは、船内をうろうろと歩いていた。


誠の言ったとおり、乗客たちは昨日起きた事件のことを、まったく耳にしていないようだ。

たびたび目にする、その談笑しているすがたに、昨日と変わった様子はない。


ハルカは彼らとすれちがいながら、うーん、とうなった。


「朝食にはもちろん来ていなかったし、自室にもいないとなると……具合でもわるくなって、外の空気を吸いに行ったとか?」

「四階のプロムナードデッキには、レストスポットがあったな。聞きこみもかねて、あの場所に行ってみるか」


深神が言った。

そしてふたりは、ふたたび船の四階にあるデッキを目指した。


+++++


「ここに深神さんとふたりで立ったのが、まだ昨日のことなんて……、なんだか信じられないです」


デッキの上に立ったハルカがそう言いながら、海を見た。

朝に見たときと同様、くもり空に、荒れた海だった。


「おや、あそこにいるのは塩原夫人ではないか」


深神が声をあげた。レストスポットにいたのは、塩原の妻の、礼美だった。

礼美は物憂ものうげに、海のかなたをながめている。


「……なんだか、具合がわるそうですね」

「いや、たぶんあれが、ふだんどおりの彼女の表情なんだろう」


深神がそう言ったとき、礼美のちょうど目の前に、なにかがばらばらと降ってきた。


「え?」


それは、紙きれだった。

まるで羽が舞い降りてくるかのように、次から次へと上から落ちてくる。


「なんだ……?」


次の瞬間、今までの紙きれとは比べものにならないくらい、大きなものが落ちてきた。

ハルカがそれを見て、大声で叫んだ。


「……人だ!」


そうハルカが叫ぶのと、礼美がふらりとその場に倒れこむのは、ほぼ同時だった。

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