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妹は兄を尻に敷く。  作者: 冬西南木
3/10

一日目-三 これはマズイ

尻かぁ……。どうしてそうなったかなぁ。

確かに二週間前、兄の部屋からしばらくぶりに音が聞こえていた。

「妹よ。俺はご飯が来たとき以外、ほとんどずっとこの格好だったのだぞ? 何故早くに来てくれない」

何で怒られてるんだろう、私。

そうだ、私は革命をおこしに来たんだ。

私は笑顔をつくり、

「兄さん……。まず服を着て」

雅司(まさし)は少々戸惑いながら、服を着た。

「うん。じゃあそこに正座して」

指定した(たま)の目の前に座る。

「ご飯はちゃんと食べてたみたいだけど、何で服を着てないの?」

「そ、それはだな、尻が好きだと気づいたとき、気分が高揚してつい、服を脱いでしまってな? そして全裸の方が気持ちいいと分かったんだ」

雅司は思った。瑞は怒っているなと。

「変態か!」

やっぱり怒ってた。

「はぁ、私はこんな兄を持ちたくはなかった……。ああ、でもそうだよね、あの二人の長男だもんね」

あの二人とは、もちろん父と母のことである。

父と母は、子供のたちが部屋にいるにも構わずに、エッチなことを毎日しているような人たちだ。

「じゃあ、兄さん」

怖い笑顔のままだったのが、ふと、やわらかい笑顔になった。

「買い物に付き合って」

「えっ……」

以外で、雅司は声を漏らした。てっきり平手打ちの三つくらいくらうのかと。

「じゃあお風呂入って来て、私は着替えて来るから」

そう言って瑞は、雅司の部屋を出た。

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