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一日目 哀 妹
妹としては、兄を真人間にしたいのである。
兄の雅司は部屋に引きこもっていて、学校にも行って無い。両親はよく分からない旅に行っているから、家にいないし……。
この須藤家は大丈夫何だろうか? 妹的には大丈夫ではない。だいたい、食事は一人だし、何故同じ屋根の下にいる人物と話せず、一人で生活しなければいけないのか。それに寂しい。三ヶ月程前は兄妹仲良く暮らしていたのに……! と言うかお母さんもお父さんも旅長いよ! もう三年目だよ!
はぁ……。
よし。
革命を起こそう。
と言うわけで、妹--瑞は、兄の部屋に向かった。
須藤家は一階にリビングやキッチン、洗面所とお風呂場、トイレ、あと、両親の寝室がある。二階には、兄と私こと瑞の部屋、物置、それからベランダがある。
自分の部屋から出て、兄の部屋の前まで来た私は、ノックをしないで、ドアを開けた。
「に--」
いさん! と続けようとしたが、目の前の光景に目を見開いた。