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ドリームキャッチャー  作者: 埼玉の玉子
9/22

始まり

閉じ込められていた部屋の外は細長い廊下になっていた。

壁はグレーで鉄骨が丸出しになっている。

長い廊下の10mおきくらいに何個か扉があり、

中は見えないが、すべの扉に錠がついている。


なんだほんとに刑務所みたいだ。


駆男は、自分の両手つけられた手錠を見つめながら、

自分の夢の世界の精巧な作り具合に感心していた。

手錠は部屋をでるときに、さも当然かのようにきつね目に

つけられたが、駆男は、夢だしなんでもいいやと

あえて抵抗しなかった。


長い廊下の隅まで歩いていくとそこには、エレベーターがあった。

エレベーターに入ると、そこが地下であることがわかった。

きつね目は、37Fのボタンを押した。

きつね目は部屋をでてから、そこまでなにも話さなかった。


この建物はビルのようなものなのか?

駆男はこれから起こることに少し気持ちを高ぶらせていた。


というのも、駆男は昔から冒険心が強く、よく見知らぬ土地に旅行にいった。海外が好きで、それも安全性があまりない、発展途上国が好きだった。

なんで危険なところにいくのかという問いに駆男は、

刺激があるから。と答えた。

ギャンブルにしろ、危険なところの旅にしろ、

駆男は刺激を求めた。心臓が大きく脈打つことに対して、

依存していたのかもしれない。


そんな駆男にとって、このような映画のシーンのような

出来事は、心を踊らされずにはいられなかった。

そのときは、すっかり夢であることなど忘れ今後の展開を

待っていた。


エレベーターが止まり扉が開くと、そこは応接室のようになっていた。

ガラスのテーブルがあり、そのテーブルを取り囲むように、茶色の皮ソファーが置いてある。

ソファーセットの奥は大きなガラス窓になっていて、外が見渡すことができた。

外はそこそこ栄えた田舎町といったところか。

現実のそれと代わりなかった。


そしてその窓越しに外を見渡すように、

白髪の髪の長い老人が背を向けて立っていた。

グレーのスーツを着て、手を後ろに組んでいる。


これまた、映画のシーンのようだと駆男は思ったが、

自分の夢なのだからそんなものかと、少し冷静になった。


「壇さん、連れてきました。」

「私は反対です。こんな変態野郎」


こちらに一瞥し、そういうと、

きつね目は一礼をして颯爽とエレベーターに乗って行ってしまった。


壇さんという名のその老人は、老人にしてはでかく髪の毛がフサフサだった。

そしてその大老人はこちら振り返り、笑いかけた。


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