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ドリームキャッチャー  作者: 埼玉の玉子
17/22

異変

目を開けて最初に目に入ったのは、

少し光の衰えた古い電灯だった。


どこがで見たことのある、天井のその電灯を

見つめながら、

駆男は、はっと目を覚ました。


鉄製のベッド、、、また来てしまった。

閉じ込められていた部屋だ。


また逮捕されたのか?駆男は自分のおかれている状況に

渋く笑った。


みしみし音のするベッドから、すっと立ち上がり、

扉の方に目をやると、半開きになっているのが見てとれた。


鍵がかかっていない?


その場にいても仕方がないので、部屋からでた、駆男はそのまま、

廊下を歩き、エレベーターに乗った。


「確か37Fだったよな。」

独り言を呟きながら、よく覚えてるなと自賛もしながら

エレベーターの到着を待った。


あの大老人がいた応接室には誰もいなかった。


本と携帯電話がテーブルの上に乱雑に置かれていること以外には、

なにもこの前とは違いがなかった。


「どこいるんだよ」

駆男が少し苛立ったように独り言を吐いた時、

テーブルの上の携帯電話が鳴った。


一瞬驚いたものの、咄嗟にあの大老人だと思った駆男は

電話にでた。


「もしもし。」


駆男が、ありふれたそのフレーズを電話口に投げ掛けると、

ガヤガヤした音が聞こえて、

大老人ではない男の声がした。


「最首くん?俺は近藤。緊急の用事があるから、

すぐに港病院にきて欲しい。」


それだけ言うと電話は一方的に切れた。


「港病院てどこだよ」


駆男は冷静に場所言わなければわからないじゃないかと思い、

かけ直そうとしたが、

そうだ受付のあの小綺麗な女のコに聞いてみようとエレベーターを

降りていった。


エレベーターを降り、広々としたエントランスにでると、

あの女性がいないことが判明した。

他に人も見当たらない。


もしかしたら、外に出ればわかるかと外にでてみたが、

この前と同じで、ニコニコした人達が歩いている以外は

なにもない。


あきらめて、握りしめていた電話で、着信履歴を

見て、駆男は、口を開けた。


「非通知からの着信になってやがる」


どうすればいいか迷った駆男は、[港病院]と言う言葉を

苛立ったように反芻した。


とその瞬間、


辺りが真っ暗になったかと思うと、


駆男は違う場所にいた。


綺麗な広々とした部屋で、ベッドが何個か置いてある。


ベッドの上には、にこにこした人が眠っている。




病院だ。港病院に来れたのか。

軽く興奮したものの、まあ夢の中だし、

そういうこともできるか。


とすぐに冷静になった。


んで、これからどうすれば?

と考えていた駆男の腹部が急に痛くなったのを感じた。



視線を落とすと、そこには、刃がでていた。


「え、嘘、なに」

駆男がなんとか、その言葉だけを発した瞬間、


今度は何か黒いものが飛んだ。


駆男の目の前には迷彩服を着た背が高くガタイのいい、

真っ直ぐな瞳をした男がこちらを見据えていた。



「今ので最後である。」

聞きなれた話し方と共にその男の後ろから、3人、4人同じく迷彩服を着た者がぞろぞろと入ってきた。

大老人に、きつね目、受け付けの女に、、、


ふと気になった、先程飛んだ黒いものを確認するために後ろを向いた

駆男は、背中がぞくぞくするのを感じた。

「首。」

小さな声で駆男はつぶやいた。


そして自分のお腹に目をやるや否や、倒れこんでしまった。


「はじめまして、最首君、俺は近藤。」


その時、駆男はすでにもう何も聞こえていなかった。

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