リアル
気がつくと駆男は、自分のベッドにいた。
起きた時の頭痛がいつもより、ひどい。
駆男はもともと頭痛持ちで、寝起きはとくにひどいのだが、
いつも数分経てば良くなってしまう。
しかし、今回の頭痛は長く続いた。
駆男はベッドの布団の中にもぐり直すと、朦朧とする意識の中で、
考え事をしようと試みた。
アイドルとえっちなことをしようとしたら、
逮捕されて、きつね目に馬鹿にされて
でかいじいさんに、頼まれごとをして、
長々と話を聞かされて。
ひとつの夢がこんなに長かったのは、初めてだった。
だいたい、いつもは、目的の夢を想像して、楽しんだあとは、
適当な夢を見るか、深い眠りに落ちて、長々と眠った。
駆男は現実と夢の区別がまだよくつかないまま、
部屋の椅子に座り、マルボロライトに火をつけ、
残っていた雪印のコーヒー牛乳を飲み干した。
ふと、時計を見ると、夕方の4時を回っていた。
こんな時間に起きるとか、完全にニートだな。
そんなことを考えながら、
今日の夜から、あいなとデートの約束をしていたことを思い出した。
あいなとは、駆男の彼女であり、付き合ってもう3年近く経つ。
駆男のどこがいいのか、ほんとに好きなのかすら、わからないが、
別れ話などでることもなく、今までやってきた。
頭も体もすっきりさせるために、駆男は
とりあえずシャワーを浴びることにした。
階段を降りていくと、母がいて、
いつまで寝てんのよという声を素通りし、バスルームへ逃げていった。




