はじまり5
「とりあえず君にはドリームキャッチャーの一員となってもらうである」
駆男は悪い気はしていなかった。
昔から自分は人とは違う。特別な存在だと思い続けてはいたが、
人に認められたことはなかった。
夢の中だとしても「特別だ」と言われたことに対して、
光悦感を感じさえしていた。
「で、俺はなにをしたらいいんですか?」
駆男は大老人をせかすように聞いた。
「とりあえず今から君を目覚めさせるのである。
君は目覚めたら、警察庁の国家機密情報局へ行って、
日本で昨今起こっているテロはISSの仕業である。
ISSは夢世界で日本に侵入し、夢の中で日本人を洗脳している
と、伝えてくるのである。」
「誰かそんな話信じるんです?頭のおかしなニートだと思われるだけですよ」
駆男は苦笑しながら言った。
「国家機密情報局に、夢世界のことを知っている男がいるかもしれないのである。もし生きていれば、、
名前は陣内治である。よろしく頼むのである。」
「というか、自分で行ってらいいじゃないですか。なんで俺がそんなこと。」
「私達は、夢世界で生きるものである。現実世界には行けないのである。」
そう言うと、大老人は、スーツのポケットから鍵を取りだし、
駆男の手錠を外した。
手錠が外れると同時に、駆男は自分がブラックホールに
吸い込まれていくような気持ちを覚えた。
目線の先には小さくなる大老人と、その背後にきつね目の男が
見えた。




