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ドリームキャッチャー  作者: 埼玉の玉子
12/22

はじまり4

「で、どうしたら俺は目覚めるのですか?」


口八丁に話すくせに重大なことは話していない。駆男はせかすように

訪ねた。


「外へでるである。」


大老人はそう言ったかと思うと、颯爽とエレベーターに乗り込み、

[開く]のボタンを押してこちらを見ている。


駆男はやむなく、エレベーターに乗り込んだ。

1Fに到着すると、大老人は受付を抜けて、老人の歩く速度とは異なる早さで、歩いていった。

エントランスの自動ドアが開き外にでた。


1Fはビルのエントランスそのもので、広々としていた。

高い天井に大理石の床。

受け付けには20代であろう小綺麗な女性がいて、前を通りすぎるとき、会釈をされた。駆男もそれにつられ、会釈を返した。


しかし、広々としたエントランスには受付の女性の他には

だれもいなかった。


大老人に付き従い、外にでると、

どこにでもある小都会の風景が広がっていた。

スーツ姿の男性、大学生、親子、大勢の人がそこにはいた。


妙なことはひとつだけ。

すべての人々が皆、ニコニコしているのである。

幸せそうだなと言うよりも、気持ち悪い。

駆男は率直にそう思った。


大老人はビルの道路越しにある、小さな公園へと歩いていった。

大老人の目指す先には、小さな女のコ、5、6歳だろうか。がいて

靴が脱げて転んでしまっていた。

大老人はおもむろに、その女のコに靴を履かせてあげると

頭を二回ほどポンポンとやさしくなでた。

すると女のコは、回りと同じような笑顔になり、なにも言わず

走り去っていった。


「これが我々の仕事である。」

少し離れてみていた駆男の方へ

歩いてきながら大老人は言った。


いや、簡単だな、ドリームキャッチャー!と思ったが、

駆男は口には出さなかった。


「我々の使命は、夢をみている人にできるだけ、安らかで

いい夢を見せ続けることである。それだけであった。

が、しかしそうも言っていられなくなったのである。」


「第三帝国ISSを知っているであるか?」


駆男は、なにを急にと思ったが自分の乏しい情報を答えた。


「なんか、宗教国家?ですよね?テロとか起こしてる。

いろんな国で、参加者を募ってるとか。」


「そうである。そのISSが、夢世界でテロを仕掛けてきているのである。」

「正確には夢世界を操ることで、やつらは肥大しているである。」


駆男は、また混乱してきそうになったが、ゆっくり頭を整理し、

訪ねた。

「どゆこと?」


「普通の人間は、夢を見ているとき、夢世界で意識的に行動することはできないのである。しかし、ISSは、多くの犠牲と、お金をつかい、

意識を持ったまま、夢世界に来ることができる薬を開発したのである。彼らはそれを使い、夢世界にて宗教活動、つまり洗脳をするのである。

無意識の夢世界で洗脳された人は、目覚めると、それを神のお告げと信じ、テロを行い、国を渡るのである。」


「いや、でも夢の世界で洗脳されても起きたら忘れてるんじゃないですか?夢だし。」


駆男は的をついたことを言ってやったと思った。


大老人は気にせず続けた。

「洗脳されて目覚めたものは、一種の催眠状態で目覚めるのである。

催眠術は寝ているときにするから催眠術である。

彼らはそこに目をつけたのである。」


「そのISSが日本にも入ってきたのである。

なんとかしないといけないのである。」


「駆男。君の罪をなかったことにするのである。

我々を手伝うのである。」


「いや、俺なんもできないですよ。」


駆男は咄嗟に答えた。


「普通の人間は意識を持ったまま、夢世界に出入りはできないのである。

君は特別なのである。」


大老人はニヤリと笑ってそう言った。

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