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【魔女と蔑まれた私。実は神託の聖女でした?-命を弄ぶ回復魔法使いと蔑まれた私の物語-】  作者: ナロー


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9/9

【そして】


 お義父様達が屋敷に帰ってくる前、私のいる部屋のドアがノックされました。

 私は使用人の誰かが来たのだと思って、読んでいた本から顔を上げて答えました。


「どうぞ」

「失礼する」


 聞き慣れない声が聞こえたので、私は少し、


(あれ?)


 と思いました。

 いえ、聞き慣れないとはいっても、以前どこかで聞いたことのあるような気がする声でした。

 私がその記憶を思い出す前に、ドアが開いて声の主が姿を見せます。

 王太子殿下でした。


 聞いた声だった気がするのも当然です。以前、通信魔法を応用した、国民への演説の際に聞いていたのですから。

 殿下はドアの前に立って、言いました。


「私はこの国の王太子のリンス=グダムだ。貴女がユキア=レアフ嬢でよろしいか?」

「はい。私がユキア=レアフでございますが……?」

「貴女が『運命の聖女』だという女神の神託があった。よって、貴女を我が王家に保護する。我々を助ける力となってほしい」

「え……?」

「さあ、ついてきてくれ」


 いきなりのことに私の頭は混乱していたはずなのですが……気が付いた時、私は差し出された殿下の手を取っていました。

 そしてお義父様達が帰宅して、殿下が相対し、お義父様達は別の場所へと連れていかれました。

 私はリビングにいて、開いたドアから事の成り行きを見守っていました。お義父様達がいなくなった後で、殿下が私の元へとお出でになりました。


「さあ、私達も行こう。我が王宮へと」

「あの……私がいなくなった後の、この屋敷はどうなるのでしょうか?」

「心配する必要はない。ここには使用人達を残し、いつでも貴女が戻ってこられるように、手入れを行き届かせる。無論、貴女は戻ってきたい時に、ここに戻ってきてもいい。ただし、その際は私もこちらにお邪魔することになるが」

「殿下も、ですか……?」

「この際だからはっきり言ってしまおう。私は貴女に一目惚れした」

「……っ⁉」

「いますぐには無理だが、ゆくゆくは婚約を申し込むつもりだ。その時は、どうか良い返事を聞かせてもらえることを期待している」


 私はあまりのことにすぐには何も言えませんでした。

 まさか、殿下が、私を……?

 最初に出会った時のように、殿下が手を差し出してきます。


「さあ、行こう、ユキア。王宮へ」


 私はその手を取って、殿下とともに、王宮魔法士の方が作り出した転移の魔法陣で王宮へと向かいました。


 そして数年後。

 『運命の聖女』として名を馳せていた私は、殿下の婚約を受け入れて、忙しくて大変だけれど幸せな日々を送っていました。


【完】



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