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【魔女と蔑まれた私。実は神託の聖女でした?-命を弄ぶ回復魔法使いと蔑まれた私の物語-】  作者: ナロー


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【メイドの話】


 お可哀想に、ユキア様。

 ユキア様は何も悪くありません。

 悪いのは全てあの者達でございます。

 旦那様……いまの当主を自称する男のことではなく、いまはお亡くなりになってしまった、ユキア様の実のお父様のことでありますが……旦那様は騙されてしまったのでございます。


 旦那様はお人柄の良いお方であり、奥様をお亡くしになってから知り合ったという、あの女のことを信じきっていたのでございます。

 あの者達は無知でございます。

 もちろん、私も全知全能の神様ではございません。知っていることや出来ることは限られていて、知らないことや出来ないことの方が多いでしょう。


 しかしあの者達は……ユキア様を命を弄ぶ魔女だと呼ぶあの者達は、常識すら弁えていない非常識で無知で、大馬鹿者達なのです。

 いま時分、回復魔法の存在などは幼稚園でも習うような、極めて常識的な知識でございます。少なくとも、この王国に生まれ育った者であれば、知らない方がおかしいことでしょう。


 にもかかわらず、あの者達は、ユキア様が怪我をした猫を治したのを見て取って、あろうことか命を弄ぶ魔女だと罵り始めました。死ぬはずだった命をいたずらに蘇生させ、神様と命を冒涜した魔女だと蔑んだのです。

 私は我が目を疑いました。我が耳を疑いました。


 まさかこの国に、回復魔法を知らぬ者達が存在するなど、まったく信じられなかったのでございます。

 あの者達は本当に義務教育を学び、卒業した者達なのでしょうか? この国では、もう随分前から高等学校までが義務教育課程として定められています。

 重病を患っていたり、何かしらやむにやまれぬ重大な事情がある場合は別かもしれませんが……あの者達にそのような事情があったとは微塵も聞いたことがありません。


 それどころか、あの男も女も有名な名門大学を卒業していると、常日頃から自慢気に話しています。学のある自分と違って、お前らはなんて愚かで大馬鹿なんだと、いつも私達を見下しています。

 男の実の娘もまた、私は学園でも最高の成績を修めているのよと鼻高々に自慢しています。学園トップの私は常に正しくて、他の者達はいつも間違っていると嘲笑しています。


 しかし私はふとある時、知ってしまいました。実はあの父娘は学園の一部の教師に裏金を渡して、テストの答案用紙を事前に受け取ったり、娘に都合の良いように成績を操作しているのです。

 そのことを知った時、私は憤りを感じるとともに納得もしていました。おそらくあの者達は三人が三人とも、いままでそうやって生きてきたのでしょう。


 常に金銭の力で全てを解決してきて、自分達自身の力ではろくに勉強をしたことも、授業を受けたことすらないのでしょう。

 だからこそ、全員が知っているような一般常識の知識ですら、まったく知らないのでしょう。

 あるいは、仮に知っていたとしても、ユキア様を魔女だと陥れて迫害する為に、そのようなことを言っているのかもしれません。


 ユキア様がお亡くなりになってしまうなり、お屋敷から逃げ出してしまうなり、いずれにしても、ユキア様がいなくなってしまえば、あの者達は真にレアフ家の財産を独占出来てしまうのですから。

 私の知っていること、お伝えしたいことは以上でございます。

 最早、私達はこれ以上不憫なユキア様を見続けているだけのことは出来ません。

 どうかユキア様をお助けください、王太子殿下。




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