S級隊員特別作戦
〈朝だ!皆の者起きろ!〉
いつも通り朝の放送が鳴る。
「はよ〜」
タイガが向かいに来ていた。
「はよ。( ⌯₄⌯) ᐝ」
「今日の朝飯は根底パンだってよ」
「えー、アレ不味いから嫌いなんだよなぁ(¯―¯٥)」
そんな他愛のない話をする。
<食堂>
〈全員手を合わせろ!〉
〈いただきます!〉
〈〈いただきます!!〉〉
ガブリッ
うん、いつも通りまず...
〈カンカンカンカンカンカンカン〉
!?ザワっ
この音は、、、上層部からの緊急事態発生の時に鳴る放送だ。
ザワザワ 「え〜何〜?」「怖ぁ〜」
食堂は混乱している。
〈皆の者!静かに!〉
〈食事中すまない。簡潔に言うと、、、〉
〈先週の1級ミミズの数字の解明が終わった。〉
!?ガタッ
思わず席を立ち、タイガと目を合わせる。
解明が終わったということは、、、
〈S級隊員、それと救護班は今すぐに最上階へ来ること。〉
〈他の隊員らは今まで通り食事を続けろ。〉
〈以上!〉
やっぱり、会議が開かれるんだ。
〈カンカンカンカン カチャッ〉
ゴクッ
「なんか、ヤバそうじゃね?」
確かに、アキ隊長の声がいつもより焦っているように感じた。
「うん。とりあえず最上階へ行こう。。。」
<最上階>
「失礼します。S級隊員のノラと、」
「同じくS級隊員のタイガです。」
「2人とも、よく来てくれた。」
最上階は、S級隊員らと救護班が組織長(1番偉い方)を真ん中にして、円を作るように座っていた。
「組織長、この2人があの1級ミミズの数字を発見した者です。ノラ隊員は実際に1級ミミズと戦いました。」
アキ隊長が説明をする。
「、、、なるほどなぁ。、、、ノラ隊員、体調に変化は?」
??
「いえ、特にありません。」
なんで体調について聞いてくるんだろ、、、。
「組織長、とりあえず今は、、、」
「おっと、、、そうじゃったな、、。」
「えー、ゴホン!皆の者、御足労ご苦労。」
「まず、科学班から説明をしてもらおうではないか。」
科学班が真ん中に立つ。
「科学班のリカです。えー、まず、結論を簡単に説明いたしますと、」
「あの数字の書かれた1級ミミズは地上から来た可能性が高いです。」
!?ザワワッ
「地上から来たという根拠はあるのか!?」
他のS級隊員が質問する。
「落ち着いてください。根拠は、、、その1級ミミズの血液から、他のミミズよりも遥かに多いβ線が検出された、というところにあります。」
ザワっ
β線、、、私達生物は触れることは愚か、近づくことでさえ危険とされている。
「っじゃあ、そいつの返り血を多く被ったノラはどうなるんだ!?」
タイガが血相を変えてリカ隊員に聞く。
確かに、あたしは返り血をベッタリ浴びた。
血液にβ線が入っているのならあたしはとうに死んでいてもおかしくない。
「えぇ。その事についてですが、アキ隊長、お願いします。」
「あぁ。」
アキ隊長が真ん中へ出る。
「ノラ隊員、自分が拾われた時のことは覚えているか?」
「?いえ、全く。」
「そうか、、、」
アキ隊長は何やら言うべきか迷っているようだった。
「君は、、、ノラ隊員は、、月華凛渓谷にて発見された。」
ザワザワザワっ
月華凛、、、渓谷、、?
月華凛渓谷は、唯一地上へ繋がっている場所、、、。なぜそんなところで、、、。
「っ!それがなんだっていうんですか!?」
タイガがまたアキ隊長に怒鳴るように質問する。
「まぁまぁ落ち着け。」
「ノラ隊員は、ただでさえ立ち入り禁止の月華凛渓谷の、更に奥で見つかった。」
「つまりだが、、、ノラ隊員、君は地上から来た可能性が高い。」
「え、、、」
驚きで声を失う。
「衝撃が大きいと思う。恐らく、その髪色と目の色もβ線の影響だろう。」
「、、、そう、、、ですか、、、。」
アキ隊長は同情するような、申し訳なさそうな目であたしを見る。
「こんな大事なことを今まで隠していて、、、すまない。。。」
「、、、。」
「、、、ノラ隊員、、、。」
驚きで言葉を失ってしまい、あたしのせいで会議が止まってしまった。
これは、まずい、、。
「、、、アキ隊長、それより先に進んでください。」
「っ、、。あ、あぁ。」
声を振り絞り、アキ隊長に話の催促を施す。
「ゴホンッここに皆を集めたのはもう1つ、
《S級隊員特別作戦》について話をするためだ。」
ザワッ
「特別作戦?」「S級だけで?」「一体なんだよ」
「落ち着けー!!」
シンっ
「これから、S級隊員特別作戦についての説明をする!」




