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地下街の清掃員

皆さんこんにちは。あるいはこんばんは。


地上が、有害な物質に汚染され早500年。


人類は、地下都市を作り、そこで悠々自適に暮らしていた。



そんな生活の裏で働く、清掃員と呼ばれる者たち。


清掃員の仕事は地下都市へ迫り来る化け物、『ミミズ』を倒すこと。



そんな、命を懸け戦う清掃員の中に、ノラ、と呼ばれる人物がいた。



目は赤く髪の毛は薄緑色。

身寄りは無く、小さい頃から1人で逞しく生きるその少女は、ある者にはヒーローに見え、またある者には化け物に見えたとか。



さぁ、これはそんなノラのお話。


寄ってらっしゃい見てらっしゃい。


聞くも聞かぬも貴方次第。



「おーい野良犬(・・・)!」



あれはタイガ兄弟。兄のタイガは昔からあたしをからかうが、同じ班の大事な相棒だ。

弟のライガはかなりの無口。


「やぁノラ。」


あの方は八百屋さん。いつも野菜をくれる。

街の人であたしに話しかけてくれるのはあの人くらいなもんだ。




「グオォォォォー!」「ガァァァァー!」


、、、あれは、、、。


「ミミズだぁー!花街に、ミミズが現れたぞーー!逃げろー!!」




〈ウーウーウー〉


〈全清掃員に告ぐ。〉


花鳥風月(地下都市)の、花街にミミズが出現した。〉


〈4級個体が5体。3級個体が7体いる。〉


〈また、住民の避難が遅れている。〉


〈CからB級隊員は住民の救助。AからS級隊員はミミズの駆除をお願いする。〉


〈では、はじめ!〉




あれは、ミミズ。300年ほど前から現れた、人類を脅かすヤツらだ。



「ジジッ 野良犬!行けるか?」


「うん。」


無線から同じ班のタイガが指示を出す。


対ミミズ刃包丁を手に持ちミミズの方向へ向かう。


「S級隊員ノラ。目標3級ミミズ。包丁装備。出撃します。」














〈カンカンカンカン〉


〈清掃員の皆の者、ご苦労であった。〉

〈今回の死亡者は0。負傷者は1。〉

〈給金を受け取り、各自解散せよ。〉




ミミズ駆除に向かい、30分ほどたった頃、大隊長からの放送が地下街を駆け巡った。




<交換所>

ワイワイ ワイワイ

「ふぁぁ〜。今日全然だったわ〜」

「それなぁ〜。てか怪我したヤツのろすぎ」



給金を受け取りに、組織の交換所へ並ぶ。

交換所は他の清掃員達で賑わっていた。



給金はミミズの部位と交換で受け取ることが出来る。


ちなみに、1番お金が貰えるのはミミズの命である、頭の部分で、活躍した者に贈られる。



「S級隊員のノラさんですね。頭が、、、、3級4つと4級2つ!間違いなく今回のMVPです!」


「ありがとうございます。」


「はい!こちら給金になります。」


「どうも。」


やった。これで3ヶ月は何もしなくても生活出来るな。



ニコニコしながら、寮へ戻ろうとすると、後ろから嫌な声が聞こえてきた。


「あらぁ?汚い野犬じゃない。あいかわらず気持ちの悪い髪色だこと。」


、、この子はレベッカ。お金持ちのお嬢様なのに何故か清掃員に入っている。


本人曰く下賎の者の生活を知るとかなんとかだそう。



「今回のMVPだからといって調子に乗るんじゃないわよ?あんたみたいな化け物なんてすぐにお父様がクビに出来るんだから!」


「、、、(ㅍ_ㅍ)」


「な、なに睨んでるのよ!!」


「おーい!野良犬ー!今日飲み行こうぜー!」


面倒臭いなと思っているところにタイガが来た。


「タイガ、いいところに。給金貰ったから今日は夜まで飲みあかそう。」


タイガは同じS級隊員で、役職は通信だ。


「おう!じゃ、そういうことだから野良犬借りるわ。お・嬢・様。」


「タ、タイガ様、、、♡」


レベッカはタイガに分かりやすくホの字だ。

あんな筋肉バカのどこがいいのか、、、。






「野良犬〜、お前いくら貰ったんだぁ?」


「ざっと3ヶ月は暮らせるね。」


「くー!うらやま!」


「今日は風鈴町の居酒屋に行こうよ。」

「いい店を知ってるんだ。」


「野良犬様〜奢ってくれぇー!」


「あたしの名前はノラだ。( '^')」


「ノラ様ぁー!」


「しょうがない( ˘ᵔ˘)」



そんな話をしながら風鈴町へ向かう。



あたしらの住む、花鳥風月と呼ばれる都市は、


花が咲き乱れる夜の街、花街(かがい)


動物が多く生息する、鳥蝶町(ちょうちょうちょう)


特殊な地形によりいい風が吹く、風鈴町(ふうりんちょう)


そして、大穴があり、唯一地上へ行くことの出来る、立ち入り禁止の月華凛渓谷(げっかりんけいこく)


の4つの都市で形成されている。

今回ミミズが出たのは花街の端の方だ。




<居酒屋>


「あー!もう飲めねぇ!」


「(≖֊≖)フッ弱いな」



「あんた、強いなぁ!いい飲みっぷりだ!」

店主が目を丸くしてアタシらを見る。


「どうも。そろそろ会計を。」


「おうよ!」



会計を済ませると、3ヶ月暮らせるはずの給金が2ヶ月暮らせるかどうかに減っていた。



「( ¬_¬ )チッ」


酔いつぶれたタイガを背負い、寮へ戻る。


<寮>


「ただいま帰宅しました。S級隊員のノラとタイガです。」


「ピッ隊員証を受理しました。消灯までに部屋に戻ってくださいね。」


「はい。」



タイガを送り届け自分の部屋に戻る。

ペットのシロ(モグラ)に餌を与え、包丁の手入れをする。


武器は人によって違う。

他に、放火器や銃、刀などがあるが、あたしは昔から包丁を愛用している。


包丁は良い。

刃の先に毒を塗れば殺傷性が高くなるし、どんなものも綺麗に切り落とすことが出来る。





「( ˊ࿁ˋ ) ᐝもう寝よ。お休みシロ」



〈消灯ー!〉


パチッ

カクヨム様にも同名義で投稿させてもらっております。

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