米飯ブース
翌朝、起きてベッドから出るが、朝食も宿屋ではなく、食博の会場まで食べに行く。
やれやれ、そのためにわざわざ早起きして、わざわざ店まで食べに行くのか。
今朝は、米飯ブースに食べに行こう。こっちの世界に来てからというもの、米飯というものを食べた記憶が無い。
現実世界では米の値上がりで『米騒動』なんて言われているようだが、こちらでは、食料自給率が
150%なんて言っていたからな。
本当に、食博会場のラーク王国では、食料自給率が150%なんだそうだ。それだけが、ラーク王国のお国自慢なんだそうだ。
さっそく、米飯ブースに行ってみる。
どこの店も盛況だ。うれしい悲鳴をあげたくなる。そんな中、いかにも日本料理店といった感じの、一軒の店を見つけた。
『和食処 伊勢屋本舗』
驚いたな。西洋中世ファンタジー風の町並みの中に、ポツンと一軒、和風の建物があるとはな。
「いらっしゃい。」
中に入ってみると、これまた日本人のような顔立ちの店主だ。待てよ、もしかして、この店主は日本人なのか?
だとすれば、僕と同じように何らかの理由で異世界に転生なり転移なりしてきたとか?
それは後にして、さっそく朝食をいただくことにした。
朝食は、白ご飯と、みそ汁。わかめ入りのようだ。みそ汁は、ありとあらゆる具材に合うという。
和食は当然、箸で食べるに決まっているだろう。
「いただきます。」
白ご飯には、ご飯のお供として、いろんな食材をトッピングできるという。
箸を使い、ご飯のお供を白ご飯にのっけて食べる。これこそ醍醐味だ。
僕は、生卵を注文した。卵かけご飯でたべてみよう。卵かけご飯なんて、いつ以来だろう。
白ご飯に、生卵をかけ、しょう油を入れて混ぜる。生卵の黄色に変わっていく。
「いただきます。」
箸を使い、卵かけご飯を口にかきこむ。これはおいしいな。いつ以来なのかも忘れていた、あの味だ。
そして、みそ汁だ。まさに味噌と具材のハーモニー、その組み合わせは無限大、星の数ほどといっていい。
わかめのみそ汁を飲む。わかめの出汁と、味噌との組み合わせだ。
いやー、久々に、こんな白ご飯とみそ汁を味わったような気がする。
てか、こっちの世界では初めてのはずなのに、なぜかこの味だけは、覚えているものなのだ。
そして、無事に完食。完食。
「ごちそうさまー!ゴチになりましたー!」




