13 アレクの魔法
「さて、エリックとも練習していたと思うが、幸子の魔力を確認させてもらおうかな」
アレクはサッと幸子の方を向き、にこりと笑った。幸子は氷水も食べ終わっていたので、背筋を伸ばして応える。
「そんなに気負うこと無い。皆精霊とともに暮らし、魔法は私達の生活の一部だ。もちろん持っていない人もいるが、大小あれど、自然と生活の中にある」
「は、はい……でも、身体の中に感じても、それを使うことはできなくて……」
「生まれた時から魔法を使えるものはいない。感じていてもそれを少しずつ使うことでよりスムーズに使えるようになるものだ。幸子はまだこの世界に来たばかり……焦ることはない。さぁ、手を出して」
アレクは手を差し伸べ、そこに幸子はそっと手を置いた。
「私はほとんど魔力がないが、幸子の魔力を感じることぐらいはできる。まずは私の魔力を流すよ」
フワッと指先から冷たい爽やかな風が吹いてきた。
「……す、涼しいです」
「ハハ、私は水と風の魔法を持っていたんだ。エリックは火魔法の使い手だから少し違うかもな」
「アレクの魔法は水と風だったんですね」
「そうだ。夏は涼しくて良かったんだけどなぁ。ハハ」
幸子の召喚とともに魔力を使い果たしたと言っていたので、なんとなく切ない。
「さぁ、私に魔力を流してごらん」
「……は、はい。」
指先から自分の魔力を伝えるように身体の中の何かを動かす。お互い目を閉じて、集中する。
「幸子の魔力は優しいね」
アレクに優しく囁かれ、幸子はドキッとし、手をギュッと握ってしまった。
「!」
お互いパッと目を開けて、一瞬目が合う。
「あわわわ。す、すみません!」
「……いや、幸子の魔力がよく分かった。ありがとう」
なんとなくポリポリと頬をかき、恥ずかしそうなアレクだった。
キャーーーー!!!
突然、女性の叫び声とともに
ギョエエエエ!!
と言う世にも恐ろしい何かの声が響いた。
少しエピソードを増やしました!




