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PLS  作者: 城弾
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第2話「Get Wild」Part1

 二年生に進級して間もない四月の朝。

 雲ひとつない空。天気予報の降水確率も0%。気温も上昇して運動にはもってこいの一日になるとか。

 そんな爽やかな朝に槙原詩穂理はベッドの上で憂鬱だった。

 半身をおこしつつも、布団に包まっているというなんとも中途半端な姿勢。まだめがねもつけていない。

 実のところ視力は0.5.確かにメガネをかける視力ではあるが、たいがいの女の子ならそのままファッション性重視で裸眼で通しても不思議はない。

 しかし彼女は今時、黒ぶちめがねである。せめてノンフレームとか華やかな赤ならだいぶ印象も変わるのだが、彼女は頑なにこの仮面のようなメガネを愛用していた。


 既に窓もカーテンも開いていた。天気の確認のためにあけていたのだ。柔らかい春風が吹き込んでくる。春になり目を覚ました草の匂いを運んでくる。

 詩穂理は長い前髪で他者から見えにくいその目を空に向ける。天気予報を見てなくても折り畳み傘を置いて行きたくなるそんな快晴。

(ついにこの日が……)

 この朝何度目かのため息をつく。

(学校行きたくないなぁ……風邪を引いたことにしようかしら?)

 新しいクラスになって早々にクラス委員長に任命された優等生らしからぬ発想である。

 そうはいえど「委員長」だって人間だ。嫌なものがあり、それを避けたくて後ろ向きの思考に陥ることとてある。

 しかしそれを遮り前へと背中を押すものもいる。

「シホお姉ちゃん。いつまで寝てんのよ」

 セーラー服姿の少女がノックもなしに飛び込んできた。

 うなじ程度の長さの髪。まだ幼さの残る顔。しかし幼さとアンバランスに胸元は「女」を強調していた。

「り……理穂(りほ)。入るときはノックをしなさいっ」

 包まっていた布団で体全体を隠す。

「姉妹でなに言ってんのよ。それに隠すことないじゃない」

 堂々としているのは胸元だけではなかった。

「いいから。今いくから」

「はいはい」

 どことなく馬鹿にした口調で出て行く妹。

「ふう。まったく。大人なのは胸だけね」

 ため息をつきつつ妹をそう評する詩穂理。そしてちらりと自分の胸元を見る。

「血筋よね……やっぱり」

 彼女は意を固めて完全に起き上がる。

 ピンクではあるが装飾の少ないネグリジェを脱いで綺麗にたたむ。ショーツ一枚の姿。

 そして前夜に用意していた「さらし」を手にして胸に巻き始めた。


 追い出された妹・理穂は居間へと。

 そこでは長女の美穂が爪の手入れをしていた。

 ブリーチした茶色の長い髪。化粧をばっちりと決めているが、派手な服装を見る限り学校に行く様子には見えない。

 ちなみに父親は大学教授で既に家を出た。母親は書店経営。こちらはまだ余裕があり台所仕事の真っ最中だ。

「美穂お姉ちゃん。大学は?」

「気が乗らないから自主休講」

 爪の先から視線を外さずにけだるそうに言う。

「もう。そんなことばかりしてると馬鹿みたいに見えるよ。栄養が頭に行かないで全部胸にいったって」

「あんたもその年でその胸は立派過ぎよ」

 槙原美穂。二十歳。三姉妹の長女。Eカップ。

 槙原理穂。15歳。三姉妹の末っ子。Dカップ。

 詩穂理はこの間の次女である。

「だから勉強大変。成績悪いと『胸にとられた』って男子にからかわれるもんね」

「言わせときゃいいのよ。そのうちからかうんじゃなく敬うようになるから」

 Eカップで言われるとさすがに説得力がある。


 準備の出来た理穂にはまだ余裕があったのでおしゃべりを続ける。

「バカと言えばシホねーちゃん。勉強は出来るけどたまに馬鹿よね。あんなのすぐばれるのにね」

「まぁそういわないで。あの子もそこいらは乙女心と言うものよ」

「右利きが左利きになっちゃうくらいの?」

 槙原詩穂理は本来は右利きである。

 それを幼なじみの裕生に合わせているうちに彼女も左利きになってしまったのだ。

 左利きでも筆記や箸は右という人物はいるが、彼女はそれも左手で行う。

 右利きの名残は握力がやや右の方が高い程度。


 しかしこれは弊害もあった。

 大抵は利き腕と利き足は同じ方向。

 しかし作られた左利きの彼女は利き足までは直らず右のまま。

 それゆえ運動の時はちぐはぐになり上手く行かない。

 さらに元々運動神経が鈍いところもある。

 一年の時の実力テストは殆どがトップだが、ことスポーツに関しては自他共に認める最下位だ。


 実のところ詩穂理がうれいていたのもこの日は2年になって初めての体育だから。


「まぁそれはいいとしても……あの髪とメガネはどうにかした方がいいよね。髪の毛重そうだもん。メガネも」

「…………まぁ、それに関してはあたしにも責任の一端はあるからね。手入れは出来ているし。いいんじゃない? ロングも。男は特に長い黒髪に弱いしね」

 今時「黒ぶちメガネ」の印象が強くて髪は目立たないが、綺麗で素直なストレートだった。

 毛先が丸まるのも可愛らしい印象である。


 準備の出来た詩穂理は朝食を済ませ自転車を引いて家を出る。そして隣の家に。

 ちょうど風見千尋が自転車を出そうとしていたところだ。笑顔のこぼれる詩穂理。

「おはよう。千尋ちゃん」

 明るい声で挨拶。

「あ。シホちゃん。おはようー」

 にっこりと笑う女の子同士。

「あの……ヒロ……お兄さんは?」

「アニキ? なんか部活とかで随分前に行ったよ」

「そうなんだ……」

 傍目にわかるほど落胆する詩穂理。

「とりあえず急ごう。シホちゃん」

 自転車でそんなに掛かる距離ではない。

 しかし詩穂理の「トロさ」を考慮するとちょっときわどい時間だった。


 それでも間に合うように校門がみえるところまで。

 向かいにはひときわ大きな男。そして寄り添うように小さな少女。

 さらに金髪のツインテールの少女がいた。

「アンナー。ふたばー」

 自転車に乗りながら手を振り、甲高い声で呼びかける千尋。

「おー。チヒロー。モーニン」

「千尋ちゃん。おはよー」

 連れ立っていた二人の少女は大地双葉。アンナ・ホワイトだった。当然ながら男は双葉の兄・大地大樹。そしてさらに南野美鈴も。


 大地兄妹と美鈴は電車通学。

 そして登校ルートにはアンナの一家が住むマンションがあり、そこで合流するのだ。

 千尋。双葉。アンナは一年D組。入学して間もなく意気投合していた。

 勝気な千尋とおっとりした双葉が正反対ゆえに合う様だ。


 詩穂理や千尋たち六人の少年少女だけでなく、正門を通過した面々が一様に上を見上げている。

 屋上ではない。その柵の手前に人がいた。

 真っ赤で派手な「スーツ」はテレビのヒーローさながらである。さらには仮面までつけてそのままデパートの屋上くらいならショーがつとまりそうだ。

「なに? なんかのアトラクション?」

 アンナが言う。デパートのそれに比べても遥かに危険度が高いようだが。

「なんか……あたしこういうバカやる人間が身内にいるから凄く嫌な予感がするんですけど…」

 千尋のその不安を的中させるように声が響く。

「いよぉ。ギャラリーが集まったところでいっちょ行くかな」

「ヒロくん?」

「アニキ!?……やっぱり」

 二人を驚かせたその声は千尋の兄。そして詩穂理の思い人の風見裕生のそれだった。

 その思いも知らず裕生はアピールをする。

「新入生諸君! 我ら映画研究会ではやる気のある部員を募集しているぞ。鍛えれば君もスーパーヒーローになれる!……鬼になるにはかなりの鍛錬がいると思うが」

 後半は小声。でもスピーカーを通しているのでクリアに聞こえる。

 そう。しっかりと放送室も押さえていたのだ。

 どうやら「単独犯」らしい。他には誰の姿も見えない。

「オレが今からアクションの見本を見せるから、よーく見てろよ」

 言うなり赤い戦士はロープを放り投げる。一端が屋上の柵にくくりつけられている。

 そしてもう一端は「ギャラリー」のいる中庭……校門と校舎の中間に。

「まさか!」

「あそこから」

 何をするのか想像がついた一同は青ざめる。特に妹である千尋。そして彼に思いを寄せる詩穂理は真っ青だ。

「アクション」

 叫ぶなり彼は身を翻す。

 悲鳴が上がる。だが彼は猛烈な勢いでロープでの降下……ロープスライダーを開始する。

 もちろん特殊部隊。そこまで行かないまでも本職のスタントマンのスピードには負けているが、それでもアマチュアのスピードではない。

 ぐんぐんと地面に近寄る。しかしちょっとでも手を滑らせたら地面に落下。激突は免れない。

 幸いに風がないのでロープは揺れないでいる。もっとも風が吹いていたら中断していた可能性もある。

 幸運に恵まれ順調に降りてくる。文字通り息を止めた見物人。そんな中でちゃんと減速して停止。

 ロープを掴んだままで壁を蹴って反動で振り子のように。

 そして空中へと飛び出て一回転してギャラリーの目前に着地した。

「よっと」

 ポーズを決めた。一瞬は静寂が訪れるが次の瞬間に拍手が沸き起こる。

「……」

 詩穂理は脱力してへたり込んでしまう。スカートからむき出しの足は紺色のハイソックスだけだが、それにもかかわらず地面にぺたんと座り込む。

 一方の千尋は立った状態ではあるが顔面蒼白。両手の拳を強く握り締めていた。

 そして当の本人は余裕でマスクを脱いで笑顔を振りまく。

「とまぁ、これくらいは出来るようになる。新入生に限らず2年3年の入部も待ってるから」

「風見くぅんっ」

 いきなりギャラリーの中から飛び出してきた水木優介。そしてタックルのように抱きついて「押し倒した」。

「すごい。すごいよ。風見君。さすがは僕のヒーローだよ」

 感動している…というか明らかに違う方向。しかし目は輝いている。頬の赤い美少年。まるで女の子のような表情だ。

「そ…そりゃどーも」

 さすがの裕生も戸惑っている。何しろこの優介は自己紹介で「ホモ」とカミングアウトした少年だ。他意を感じるのは無理からぬ話。

 いつのまにいたのか、まりあと亜優もギャラリーの中に。

 亜優は単純にアクションに驚いたらしく目を見開いている。しきりに「すごーい」と連発している。

 一方のまりあは額を押さえていた。言うまでもなく優介のその行動に対してだ。

 そしてさらに頭痛の種が。

「きゃあーっっっ。ホモよホモ。リアルで見たのは初めてーっっっ。やーん。どきどきするー」

 この日はうさぎの耳をつけていたコスプレ娘・里見恵子である。

「D組でカミングアウトしたコがいたって聞いたけど、やっぱり君だったんだね。水木君。やーん。ワイルド系男子と女とみまどう美少年の禁断の愛。なんてすてきなのーっっっ」

 一人で勝手に感動して興奮する恵子に引きまくる一同。

「そうさ。ミケ。もう隠したりなんかしない。ぼくは好きだから好きなんだ。ただそれがたまたま男の子だっただけ」

 そしてそれこそ男と思えないような色っぽい表情をする。

「だから風見君。あまり無茶しないで。もし死んだらどうしようって胸が張り裂けそうだったんだから」

「大丈夫だって。オレは死なないよ」

「死んだらどうするって言ってんのよ! このバカアニキ」

 声の主は優介ではない。硬直していた千尋がやっと動けるようになった。

 今度は真っ赤な顔をしていた。恐らくは怒りによるもの。あまりの迫力に優介がたじろいだほど。

「平気だって。ちゃんと計算ずくでやって……」

 最後まで言わせず平手が飛んだ。

「バカァッ」

「ぶぎゃっ」

 一発で留まらない。泣きながら合計六発の平手がとぶ。そして

「来なさいッ。先生にたっぷりしぼってもらうんだからっ」

 裕生の耳たぶを引っ張って校舎内へと消えて行った。

 それにともない見物人も解散した。

 へたり込んだままの詩穂理には

「大丈夫か?」

大樹が手を貸した。

「あ…ありがとう。大地君…あれ? なんで…ほっとしたら」

 詩穂理の頬を涙が伝う。


「なーにを考えてるんだ? お前は?」

 職員室。生活指導である教師。若元が低く威圧感のある声で裕生に問いただす。

 若元の座る椅子の前で立たされている裕生の傍らには、担任の女教師の姿もある。

「そうっスねぇ。やっぱり新人募集にはインパクトが大事と思いまして。それで今のオレが出来る一番危険なアクションでアピールして、たくさん新部員を集めたかったということですかね」

「バカにしてんのか!! オレを」

「いえ。全然」

 これは本当。裕生には教師を馬鹿にする意思はなかった。

 正確に言うと喋ったことしか頭になかった。

 だから「何を考えている」と問われてそのまま答えただけだった。

「死んだらどうするんだ?」

 誰もが言うこの台詞。

「死にませんよ。準備は万端ですから。ちゃんとロープは点検したし。グローブも耐熱素材で摩擦熱対策は充分。ただテストのときより掴みにくい印象で、それだけ慎重になっちゃって迫力が出なかったというのが反省点ですね」

「反省? またやる気か。お前は」

 もう怒りを通り越してあきれて来ている。

「やりますよオレは。誓ったんだ。病気や寿命で死ぬかもしれないけど、絶対に事故死だけはしないと。オヤジのためにも、千尋のためにも。その証明で危険なアクションに挑戦してやりますよ」

 これも本音。しかし若元は無駄と思ったらしい。

「木上先生。よく言っといてくれませんか? コイツはどーもいけない」

「申し訳ありません。私からよく言っておきますから」

 深々と頭を下げる。

「なんで謝るんすか?」

「学校中大騒ぎにさせたのはまずかったわ。やるならデパートの屋上イベントみたいにしたらよかったわね」

 にこやかに言う。どうも怒りの感情が欠落しているのではないかとすら思える。

 それをみてさらに深いため息の若元。一枚の紙を差し出す。

「とりあえずここで反省文は書け」

 裕生は木上の顔を見る。実は一時間目のホームルームの時間を抜け出している形だ。

「とりあえずホームルームはいいからそれを書いてしまいなさい」

「でも俺、何も悪いことは……」

「みんなに心配かけたでしょ。その反省よ」

 さすがにそれを言われると裕生も食い下がれない。渋々空いている机に向かう。

 最後に担任は反省文を書くことの念を押す。書類を指差して言う。

「最優先事項よ」


 一方、担任が来てないためどうしてもざわめく教室。たまたま副担任の丘村朱美が風邪で休んでいたため誰も管理者がいない。

 そんな中で一人の女子が教壇に。長い黒髪。黒いふちのメガネ。一見ふくよかに見えるボディ。

「静かにしてください。隣の教室に迷惑です」

 毅然として言い放つのはクラス委員長の槙原詩穂理だ。

「んだよ。委員長。そんな硬いことを言うなよ」

「今は授業中です。静かにするのは当然だと思います。菊村君」

 まったくの正論だ。寄せ付けるところがない。

 その仮面のように素顔が見えないところも威圧感があり、舌打ちしながらも菊村は従った。

(かわいげねーよな)

(頭はよくてもあれじゃ男はつかないな)

(デブだし)

 お堅い詩穂理は男子に疎まれていた。何しろ彼らに言わせると「可愛げがない」のである。

 ただこれが裕生。そして一年のときに同じクラスだった「昔を知る」面々となると話が変わる。

 特に女子は詩穂理の「素顔」を知っている。

 彼女たちはいたずらっ子のような表情で体育の時間を心待ちにしていた。


「よぉっ」

 悪びれた様子もなく裕生が戻ってきた。途端に囲まれる。

「どうだった?」

 千葉和也が聞くこれは処分の話。

「ん。こってりとしぼられた」

「それだけ?」

「二度とやるなというからやらないと約束してきた。ロープスライダーはな…」

(まだなんか別の事をやる気だ……)

 この無鉄砲に呆れると同時にちょっと憧れを抱く面々だった。

「よかったですね。風見君。停学とかなくて」

 感情を押し殺したように事務的に言う。

 公私混同しないというつもりだが、どうしても冷たい印象を詩穂理はもたれてしまう。

「おう。シホ。心配かけたか?」

 まったく持って気軽に言い放つ裕生。

 顔の上は前髪とメガネでよく見えない。しかし詩穂理の隠れていない頬が瞬時に赤くなる。

「が……学校じゃそういう呼び方しないでください」

「堅いこと言うなよ。幼稚園のころから一緒だろ」

「昔の話ですっ」

 気丈に振舞うがどうにも旗色が悪い。

 そして男子を中心に詩穂理の評価が改められている。

(何だアイツ?)

(ちゃんと可愛い表情もできるんじゃねーか)

(もしかして風見のことをすきなのか?)

 男子にさえバレバレだった。恋愛に敏感な女子はなおさらである。

「むーーーーーーっっっ」

 凄まじい形相で「恋敵」をにらみつける優介。

「あなたには私がいるでしょ!!」

 それを強引に自分のほうに向けるまりあ。

(委員長が風見君をねぇ……引き受けてくれるとしつこいスカウトから解放されて助かるんだけどなぁ)

 自分の席でそんなことを思う綾瀬なぎさ。


 結局ホームルームは大騒ぎである。


 授業が進み三時間目。体育である。

「よっしゃあーっ。今年の初体育。腕がなるぜーっ」

 元気いっぱいの裕生。

「あれだけの騒ぎを起こしてまだ足りないのかい。君は」

 珍しく火野恭兵が男子に声をかけた。

「しかし楽しみなのは確かだな。女子のみんなのスタイルがよくわかる」

「やだもう。恭兵君たら」

 とかいいつつ満更でもなさそうな女子生徒たち。

「チクショウ。顔がいいとセクハラが『ウィットに富んだユーモア』になっちまうのか」

 嘆く男子たち。恭兵が太刀打ちできないほどの美形なのは彼らも認めていた。


「はぁ」

 ホームルームで仕切った勇姿はどこへやら。詩穂理はため息をついてのろい足取りで更衣室に向かっていた。

(ウチの学校……体育も選択制にしてくれたらいいのに。そしたら絶対に取らなかったわ)

 恐ろしいほどに後ろ向きの思考だった。


 まるで死刑場へ向かうような足取りで詩穂理は歩いていた。

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