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【第八章完結】ラスボスドラゴンを育てて世界を救います!〜世界の終わりに聞いたのは寂しがり屋の邪竜の声でした  作者: 犬型大
第二章

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アカデミーに隠された武器庫1

「そう緊張するなって」


「ででで、でも……」


「ほら、少し食っとけ。良いもんだからな」


 放課後にトモナリとマコトはマサヨシに呼び出されて学長室にいた。

 少し待っていてくれとお菓子と飲み物を用意されてソファーに座って待っている。


 トモナリとヒカリはお菓子でもつまみながらリラックスしているけれど、マコトは緊張して膝に手を乗せて背筋を伸ばして座ったまま動かない。

 このままじゃマサヨシが来る前に気疲れしてしまう。


 トモナリはマコトの口にクッキーを押し当てた。

 チョコチップが入った甘いクッキーの香りがマコトの嗅覚を刺激する。


「もう口つけたんだから食えよ?」


「き、君が押し付けたのに……むぐ……」


 無理矢理とはいえ口に触れてしまった。

 仕方ないのでマコトが口を開けるとトモナリは素早くクッキーを押し込んだ。


「ん……美味しい」


「だろ? あの人いいもん食ってんだよな」


 トモナリは用意されていた中にある羊羹を手に取って食べる。

 どのお菓子も美味しい。


 ちょっとだけ餌付けされている気分になる。

 けれどゲートから現れるモンスターが激しさを増して経済もままならなくなるとまともなお菓子を食べる機会なんて無くなった。


 そのことを思えば今のうちに食べておこうと思う。


「マコトはしっかり働いてくれたからな! これが僕のおすすめだ!」


 ヒカリがマコトにお菓子を差し出した。

 それは銘菓と呼ばれるお土産なんかでも有名なお菓子だった。


「あ、ありがとう」


「食べるといいぞ」


「うん」


 マコトは手渡されたお菓子を大人しく食べる。

 少し緊張がほぐれたようだ。


「遅れてすまないな」


 お菓子をもぐもぐしているとマサヨシとミクが入ってきた。


「ん! あっ、むぐ……!」


「そう急がずともいい。落ち着いて食べなさい」


 口いっぱいにお菓子を頬張っていたマコトは慌てて飲み込もうとする。


「んぐ……」


「全く……これ飲め」


 トモナリは喉を詰まらせて涙目になるマコトに飲み物を差し出してやる。


「プハッ……助かったよ」


「危ないところだったな」


「ふふふ、仲が良いな」


 二人の様子を見てマサヨシは思わず笑みを浮かべる。


「では早速行くとするか」


「……どこにですか?」


 マコトのみならずトモナリもどこへ行くのだと不思議そうな顔をする。


「行けば分かる」


 ーーーーー


 マサヨシに連れられてやってきたのは予約トレーニング棟だった。

 奥にある秘密のエレベーターのある部屋に入って、トモナリは課外活動部にでも向かうのかと思った。


「こ、こんなところが……」


 マコトはあまり知らない予約トレーニング棟の奥に秘密のエレベーターがあることに驚いている。


「えっ……」


 エレベーターに乗り込むとマサヨシは鍵を取り出して、一階と六階しかないボタンの下にある鍵穴に鍵を挿し込んで開くとそこにもまたボタンがあった。

 トモナリも秘密のボタンに驚いてしまう。


「ふふ、これのことは誰にも秘密だぞ」


 マサヨシが秘密のボタンを押すとエレベーターが動き出す。

 下に向かっているなとエレベーターの感じからトモナリは思った。


 最上階は課外活動部の部室でそれ以上、上はないので後は下だろうということは予想できていた。

 思いの外長く降りていってエレベーターが止まった。


 エレベーターの扉が開いて正面に金庫のような金属の大きな扉が見えた。

 マサヨシがまた別の鍵を取り出して壁の鍵を開けると中からテンキーのついた機械が出てきた。


 マサヨシが素早く暗証番号を入力すると金属の扉がゆっくりと開いていく。

 暗い部屋の中に入っていくとパッと天井のライトがついていく。


「なんだここ……?」


 扉の中は大きな部屋になっていた。

 壁にはラックがあって武器や防具がかけられていたり、棚があって薬のようものがあったり、指輪やネックレスなどの宝飾品のようなものを置いているところもあった。


「……武器庫? いや宝物庫……なんて言ったらいいのかな? ここはなんですか?」


 武器庫というには武器以外のものも多く置いてある。

 この場所をなんて言ったらいいのかトモナリにも分からなかった。


「武器庫で構わない。俺はそう呼んでいるからな」


「武器庫……なぜここに?」


 秘密の場所でありそうなことは明らかである。

 どうしてここに連れてこられたのかマコトは全く分かっていない。


 逆にトモナリはなんとなく何の用で呼ばれたのか察している。


「先日約束したからな」


「約束ですか?」


「そうだ」


 マサヨシは笑う。


「この中から好きなものを一つ持っていくといい。ミナミ君、君もな」


「えっ!? 僕も……ええっ!?」


「太っ腹ですね……」


 マコトは何が何だか分からないという感じで驚いているけれどトモナリはまた別の意味で驚いていた。

 先日課外活動部の初顔合わせで集まった時にトモナリはマサヨシにお願いのようなものをしていた。


「終末教を捕らえたら褒美はあるかと聞かれたのでな。見事に終末教を捕らえた。約束は守らねばならないからな」


 トモナリは終末教を捕まえたら何かもらえたりしますかとマサヨシに聞いていた。

 もし仮にアカデミー内の終末教を炙り出して捕らえることができたのならマサヨシとしてはありがたいことである。


 もちろんご褒美も用意しようと約束してくれていたのである。

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― 新着の感想 ―
ヒカリの一人称が「私」「僕」とその時によって違うのが気になります。 そのうち「俺様」とか言い出すかも・・・
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