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【第八章完結】ラスボスドラゴンを育てて世界を救います!〜世界の終わりに聞いたのは寂しがり屋の邪竜の声でした  作者: 犬型大
第二章

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ドラゴンを狙う者2

「トモナリ!」


「ありがと、ヒカリ」


 ヒカリが木刀をトモナリに渡した。

 木刀は休憩ポイントとなる場所の影にこっそりと置いといたものであった。


 朝だし人目につかない場所に隠すように置いてあったので誰かに回収されることもなかった。


「ふん、武器を持ったからと勝てるとでも思ってるのか?」


 槍を持った生徒はトモナリのことを鼻で笑う。

 完全にトモナリのことを見下している。


 一年生が二年生に勝てるはずがないがないと思っている。


「おんなじ言葉返しますよ。二人いて、武器を持ってるからと勝てると思ってるんですか?」


 今度はトモナリの方が挑発するように二人のことを笑う。

 槍を持った生徒も剣を持った生徒もトモナリの挑発に対してムッとした表情を浮かべる。


「あまり時間もない。早くやるぞ!」


 二人が同時に動き出してトモナリに襲いかかる。

 遅いな、とトモナリは思った。


 槍を持っているということで少し前に戦ったレイジとどうしても比べてしまう。

 レイジはスキルを使う前の段階から素早さが高くて初撃でやられるところだった。


 だが槍を持った生徒の動きはレイジには遥か及ばない。

 ただ相手は殺傷能力を持った本物の武器を持っているので油断はできない。


 壁を背にした状況で二人に囲まれるのもまずい。

 トモナリは先に突き出された槍を受け流し、次に振り下ろされた剣をかわして二人の間を抜ける。


 流れるような動きを捉えきれずに二人は一瞬トモナリのことを見失った。


「一般クラスかな……?」


 二年といってもそんなにレベルは高くなさそうだとトモナリは感じた。

 これぐらいの実力なら特進クラスの二年生ではなく一般クラスの二年生なのだろう。


 おそらく一般クラスでは強い方なのかもしれないが、特進クラス、課外活動部の二年生であるレイジやタケルにも勝ったことがあるトモナリには遠く及ばないと言わざるを得ない。

 それでも特殊なスキルなど単なる実力のみでは測れない危険は存在している。


「クソッ、すばしっこいな!」


 明らかな実力差を感じ取れずに槍を持った生徒はトモナリが少し速いだけだと舌打ちする。

 トモナリが強いなどという噂も誇張されたものでしかない程度に考えていて、レベル差があるから勝てないだろうと完全に思い込んでいる。


「スキル一点突き!」


 日も昇ってきた。

 あまり時間をかけると他の生徒たちが登校を始めてしまう。


 一気に終わらせようと槍を持った生徒がスキルを使う。

 魔力が槍の先端に集まる。


 スキル一点突きは魔力を集めて威力と貫通力を高めるスキルで、普通に魔力を集中させるよりもスキルの方が魔力消費が少なく威力が高くなる。

 特別珍しいスキルではないが確実な威力を発揮する。


 たとえ能力値で劣っていても一点集中の一撃は脅威となる。


「食らえ!」


 いくら魔力を込めても木刀で金属の武器の高威力の攻撃を正面から防ぐのは難しい。


「俺は一人じゃないぞ?」


「どーん!」


「くっ!?」


「どりゃりゃー!」


 ただしトモナリも一人ではない。

 突き出された槍をヒカリが横から蹴り飛ばした。


 意外と重いヒカリの攻撃で槍の狙いはトモナリから逸れる。

 そのままヒカリは爪を使って槍を持った生徒に襲いかかった。


「クソッ! ストライク!」


 剣を持った生徒が槍を持った生徒をフォローしようとスキルを使ってトモナリに切りかかる。

 ストライクも一点突きと似たような一撃を強化するスキルである。


「な……うごっ!」


 こちらもまともに受ければ木刀じゃ耐えられない。

 ならばまともに受けなければいい。


 トモナリは木刀を軽く当てて剣の力を受け流す。

 剣が木刀に触れたはずなのにほとんど抵抗も感じなくて剣を持った生徒は驚きに目を見開いた。


 これは回帰前に得た技術ではない。

 アカデミーに入る前に通っていたテッサイの下で学んだことであった。


 正しい戦い方を学ぶのは意外と楽しかった。

 それにちゃんと実戦でも使える技術をテッサイは教えてくれていた。


 剣を受け流したトモナリは受け流した流れで木刀を振るって剣を持った生徒の頭を殴り飛ばした。


「ソウスケ!」


 剣を持った生徒が白目を剥いて地面に転がる。

 槍を持った生徒は素早く飛び回って爪で攻撃してくるヒカリの前に切り傷だらけになっていた。


 ヒカリの攻撃を防ぐのでいっぱいいっぱいで剣を持った生徒がどうなったのか確認する余裕もない。


「この!」


「へへん! 当たらないのだ!」


「ぐっ!」


 むやみに振り回された槍などヒカリには当たらない。

 お返しとばかりにヒカリが腹に体当たりを決めて槍を持った生徒は後ろに倒れる。


 あまりステータスの高くない相手なら完全に封殺できてしまっている。

 まだヒカリも本気ではないしヒカリも大きな戦力になってくれそうだとトモナリは戦う姿を見て期待した。


「少し寝てろ」


 体を起こした槍を持った生徒が見たのは目の前に迫るトモナリの木刀だった。

 どうしてこうなったと瞬間的に思った。


 簡単な任務のはず。

 ドラゴンを連れた一年を仲間に引き入れるか、倒してドラゴンを奪い去ってしまえばいいと軽く言われた任務であった。


 なのにトモナリは強かった。

 誇張された噂だと思っていたのにトモナリの実力は噂以上のものがあった。


 単なるマスコットぐらいだと思っていたのにヒカリはちゃんと戦える存在だった。

 何もかも聞いていた話と違う。


 木刀で殴り飛ばされ薄れゆく意識の中で槍を持った生徒はトモナリが終末教にとって危険な存在になる、そう思った。

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