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【第九章完結!】ラスボスドラゴンを育てて世界を救います!〜世界の終わりに聞いたのは寂しがり屋の邪竜の声でした  作者: 犬型大
第九章

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名付け、目覚め

「デッカくなったもんだな……」


 トモナリは世界樹を見上げる。

 タネから始めた世界樹は、いつの間にか見上げるほどに大きく育っている。


 これだけ育ってくれるなら、育てがいもあって嬉しいものである。


「パパ!」


「お前も大きくなったな」


 世界樹の精霊も大きくなった。

 手のひらサイズから頭ぐらいへと、一回りぐらい大きくなっているものの、トモナリをパパと呼んで甘えるのはあまり変わらない。


 今もトモナリの肩に可愛らしく座っていた。


「ひしぃっ!」


「ヒカリも対抗することないんだぞ……」


 世界樹の精霊に対抗してヒカリはトモナリの胸にしがみついている。


「そろそろ警戒もしなきゃいけないかな?」


 世界樹が成長する途中でモンスターが襲いかかってくることは回帰前の知識から分かっている。

 どの段階で起こるものなのかは分かっていないが、世界樹の成長速度を見るといつ起こってもおかしくないと感じていた。


「それにお前の名前も考えてやらなきゃな」


 トモナリは自分の肩を見る。

 世界樹の精霊と目があった。


 トモナリの顔を見てニコニコと笑顔を浮かべる精霊のことはずっと精霊と呼んで、特別な呼称はつけていなかった。

 精霊がいつまでいるのかトモナリにも分からなかったからひとまず世界樹の精霊と呼んでいたのだけど、どうにも消えずにずっといるような気がしてきた。


 周りからも名前つけてあげなよ、なんて言われるようになってきた。


「なあ、どんな名前がいい?」


 みんなで考えてもいいんじゃないかとトモナリは思うのだけど、みんなはトモナリが考えるべきだという。

 ただトモナリのネーミングセンスは別に優れていない。


 ヒカリもブラックドラゴンが逆にみたいな発想から名付けた経緯があったりする。


「パパがつけてくれるなら何でもいいよ!」


 世界樹の精霊も話せるようになってきている。

 こうなると変な名前もつけられない。


「世界樹……ユグドラシル……ユラ? ユシル……うん、ユシル、なんてどうだ?」


 世界樹のことをユグドラシルなんて呼んだりする。

 そこから名前を拝借してみた。


「ユシル……うん! 私はユシル!」


 何となく可愛らしい名前になったのではないか。

 トモナリの名前案にユシルは両手をあげて喜ぶ。


 肩から飛び上がり、世界樹の周りをグルグルと回る。


「ユシル!」


 満面の笑みで飛び回るユシルを見ているとトモナリも何だか嬉しくなる。


「ぬぐぐぐぐ……トモナリに名前をもらったのは僕が先なのだ!」


「分かってるよ、ヒカリ」


 相変わらずヒカリはユシルに対抗心を燃やしている。

 トモナリはヒカリの頭を撫でてやる。


「ん? どうしたんだ?」


 きゃっきゃっともらった名前を連呼していたユシルが突然静かになった。

 木のてっぺんにいるユシルの姿は、下にいるトモナリからは見えない。


 風が吹き、世界樹の枝葉が揺れる音が聞こえてくる。


「ユシル?」


 ふわりとユシルが降りてくる。

 笑顔はなく、真剣な顔をしていた。


 トモナリも何かあったのかと身構える。


「もうすぐ、ママが目覚めるよ」


 トモナリの顔の前で止まったユシルはゆっくりと世界樹を振り返る。


「何かを感じたんだな?」


「うん」


 ユシルは頷く。


「……そうか」


 何となく荘厳な気配を感じさせるが、今のところ世界樹はただ成長の早い巨木である。

 世界樹は世界樹たる意識が芽生えて、世界樹になる。


 ということは世界樹に襲いかかるモンスターウェーブも近く発生することだろう。


「万全の備えを整えておかなきゃな」


「……パパなら大丈夫だよ」


 ユシルは笑う。

 その笑顔はどこか大人びていたようにも感じられたのだった。

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― 新着の感想 ―
甘えるヒカリくん、かわいいんじゃあぁぁ~~~!!! 「お布団の中までムギュ~~!としてられるのはボクだけなのだ!(ドヤ顔)」  うん、ユシルくんのサイズだと、寝ている間に潰しちゃいそうだもんね……(…
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