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【第九章完結!】ラスボスドラゴンを育てて世界を救います!〜世界の終わりに聞いたのは寂しがり屋の邪竜の声でした  作者: 犬型大
第九章

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欲に目が眩んだ者2

「目が眩むと不幸になるのは……全員、さ」


「‘ま、またモンスターが出てきたぞ!’」


 別の小さい扉が開いて、またしても処刑人が出てくる。

 しかも今度は二つも扉が開いて、それぞれから処刑人が出てきていた。


「おい、ディーニ! いつまで見てんだ?」


「そうですね。私も出ましょう」


 一人でも処刑人二体を相手にすることは難しくないとサントリは思うけれど、万が一も考えてディーニを焚き付ける。

 能力比べゲートでは結局ほとんど出番もなかった。


 ディーニもここで少しぐらいは活躍しておこうと前に出る。

 普段は好んでメイド服を身につけているディーニだが、流石にメイド服姿の女性を連れ回すのはトモナリが厳しい。


 なので今は普通の格好をしてもらっていた。

 自分の力で作り出した鎧をまとうディーニは割とできるお姉さん風の雰囲気があった。


「なかなか力は強いですね」


 しかしディーニの戦い方は意外と荒い。

 振り下ろされた斧を肩で受け止める。


 魔力で作り出した金属で斧を受け止めたディーニは、周りの悲鳴など関係ないような涼しい顔をしている。

 ディーニは斧を掴んで、剣を振る。


 首を狙った一撃を処刑人はのけぞるようにしてかわした、はずだった。


「それでは逃げられませんよ」


 一瞬遅れて処刑人が首を押さえる。

 手の下から血が溢れてきて、処刑人は膝をつく。


「あんなのズルだよな……」


 ディーニの剣は本来届かないはずだった。

 のけぞって距離を取れば十分にかわせる長さだったのだが、それでも処刑人の首は深々と切り裂かれている。


 その秘訣は単純明快。

 ディーニの剣が伸びたのだ。


 剣は鎧と同じくディーニ自身が生み出したものである。

 形から長さも全てディーニの自由にすることができるのは言うまでもない。


 首を通り過ぎる瞬間に剣を伸ばした。

 斧を掴まれていてそれ以上のけぞることのできなかった処刑人は、首を切り裂かれるしかなかったのである。


 初見であんなもの見抜けるはずがない。


「オラっ!」


 ディーニの方はあっさりと終わってしまった。

 負けじとサントリの方も、処刑人の顔を横から殴りつけて首をねじ折った。


「……うわっ、なんだ?」


 サントリが倒した処刑人は出血するような倒され方ではなかった。

 なのに倒れた処刑人のヘルムの中から血が溢れ出してきた。


 サントリは思わず顔をしかめて距離を取る。

 処刑人二体分の血が床の模様に流れていく。


 模様に沿って血が流れ、再び床全体が淡く光を放つ。


「今頃あいつらいい気になってるんだろうな」


 実際流れているのは処刑人の血であるが、ゴールデンゴーレムの部屋にいる男たちは処刑人が乗客を倒していると思っているはずだ。


「今度は三体……次は俺も出るか」


 小さい扉が三つ開いて、処刑人が出てくる。

 流石のトモナリも、サントリとディーニに任せきりにするつもりはない。


「うん、変わり映えしないな」


 処刑人をそれぞれ一体ずつ相手する。

 ゲートの難易度としてはCクラスだが、処刑人はそんなに強くない。


 大きな斧を振り回す処刑人のパワーは強めである。

 しかしそれだけで、スピードも反応速度も防御力も高くない。


 もちろんトモナリたちにとって脅威度が高くないというだけで、一般人にとっては脅威となるような強さである。

 処刑人の強さは最初にサントリが倒したものと変わりない。


「ほっ!」


 トモナリは処刑人の腕を斬り飛ばす。

 処刑人が痛みにうめくような動きを見せ、斬られた腕からダラダラと血が流れる。


「ふふん、トモナリならラクショーなのだ」


 トモナリはそのまま処刑人の首を斬り落とした。

 リュックの中から覗いていたヒカリはまるで自分が倒したかのような顔をする。


「また床が光ったな」


「床が光るたびに向こうではゴーレムが出て……あいつらウハウハしてる」


「すっごいムカつくな……」


「でもいい気になれるのも今のうちだからさ」


「そろそろどうなるのか教えてくれてもいいんじゃないか?」


 トモナリには何か打開策があるようだった。

 しかしそれがなんなのかサントリにはわからない。


「この処刑人のモンスター……弱いと思わないか?」


「確かに弱いですね」


 Cクラスゲートだからといって、ゲートの中に出てくるモンスターの下限がCクラスの強さのモンスターというわけではない。

 ゲートの難易度は総合的に判断されて決まる。


 モンスターが弱くとも環境が厄介だとか、条件が揃うと強いとか、あるいは弱いモンスターと強いモンスターが混在しているなど、実際に攻略してみると難易度にふさわしくない難しさのゲートもある。

 処刑人はCクラスゲートのモンスターとしては明らかに弱い。


 パワーだけならCと見てもいいかもしれないが、それ以外の能力を総合して考えるとDやEにすらなるかもしれない。

 Dクラスぐらいならありえる。


 けれどもEクラスぐらいとなると弱すぎる。


「ボスはせいぜいCクラスの下の方ぐらい」


 明らかにバランスがおかしい。

 遺跡の中は特別複雑でもないし、危険な罠もない。


 人の血を捧げるという特殊なギミックはあるものの、それは攻略難易度を下げたりするものではない。


「となると……難易度がCクラスに留まるぐらいの何かが他にあるんだ」


 今度は四つの小さい扉が開く。

 そしてそれぞれの扉から一体ずつ、合計四体の処刑人が出てきた。


「なんだと思う? 答えは……あいつら倒してからだな」


「あっ!」


 サントリとディーニの答えを待たずにトモナリは処刑人の一体に向かって走り出す。

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