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【第九章完結!】ラスボスドラゴンを育てて世界を救います!〜世界の終わりに聞いたのは寂しがり屋の邪竜の声でした  作者: 犬型大
第九章

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生け贄2

『ダンジョン階数:三階

 ダンジョン難易度:Cクラス

 最大入場数:500人

 入場条件:レベル0以上

 攻略条件:ボスを倒せ』


 ゲートに近づいたので、ゲート情報が見られるようになった。


「……やっぱりか」


 ゲートの情報を見て、トモナリは深いため息をつく。


「やっぱり?」


「ここは……生け贄を用いるゲートだ」


「生け贄?」


「入場条件がレベル0以上になってる。つまり覚醒者じゃない一般人も入ることができる特殊な条件のゲートだ」


 トモナリはゲート条件のうち、入場条件を見てため息をついていた。

 レベル0以上が入場できる。


 つまり誰でも入れるということだ。

 言ってしまえばレベル1以上という条件よりも緩い、全く条件なんてないのと同じなのである。


 そしてレベル0以上が条件となっているゲートは、かなり特殊なゲートであることも分かっていた。

 なぜ非覚醒者である一般の人が入れるのか。


 それには理由がある。


「一般の人を利用して攻略を進めることができるんだ」


 最大入場数が多いのも、これが理由だ。

 一般の人を利用することでゲートの攻略を優位にしたり、あるいは攻略そのものを進めることができる。


 利用するといっても平穏無事な方法ではない。

 多く場合で、ゲートの中に投入された一般の人たちが辿る運命は悲惨なものであった。


「ざっくりいえば生け贄にされる……生きて出られないんだ」


 どうなるのかはゲートによるが、ほとんどの場合命を落とす結果となる。


「つまりあれか? あいつらは私たち生け贄にゲート攻略しようとしてるってことか」


 サントリが眉をひそめる。

 食ってかかった男を殺さなかった理由も、これでよく分かった。


 寛大な気持ちで許したのではなく、一人でも多く生け贄が欲しかったから生かしたに過ぎなかった。


「わざわざハイジャックまで人を集める……いや、人が必要だからハイジャックしたのか」


 一般の人がゲートに入りますよと言って集まるわけがない。

 お金を使って集めるのにも相当な金額がかかるだろうし、あまり表立って生け贄を集めれば後々大問題となる。


 効率的に生け贄となる人を集めるために飛行機をハイジャックし、覚醒者や銃で脅して何も知らない人たちをゲートに入れようとしているのだった。


「色々厄介になったな……」


 もちろん生け贄無しでもゲートは攻略できるはずだ。

 なのに生け贄を使うということは、人の命をなんとも思っていない奴らということになる。


 もしここで暴れても、ハイジャック犯は周りの人たちを容赦なく殺すだろう。

 相手を全滅させられないのなら、仮にうまくみんなを逃したとしてもまたハイジャックする可能性も否めない。


「ここはなんのゲートだ?」


 トモナリは必死に考える。

 回帰前、生け贄を使うゲートで悲惨な事件が起きた事例はいくつかあった。


 事件があったということは覚えているが、詳細な内容まで覚えているものは少ない。

 ただどのゲートだったのか思い出せれば、ここがどこなのかわかる可能性もある。


「飛行機のハイジャック……生け贄ゲート……怪しい男たち……」


 今ある情報から記憶を引っ張り出そうとする。

 ハイジャックまでしてゲートを攻略しようとしているのだから大きな騒ぎになっていてもおかしくない。


「……ダメだ。分からない」


 トモナリは首を振る。

 情報が少なすぎる。


 トモナリだって記憶の限界があって全部を覚えているわけではない。

 あるいは回帰前に触れたことのない情報である可能性もあった。


「……圏外か」


 インベントリからスマホを取り出して確認する。

 スマホを奪うようなことすらしないのだからうっすらと感じていたが、スマホは圏外でどこかに連絡を取れそうにはない。


「このままゲートに入るつもりか?」


 乗客の先の方はもうゲートの中に入れられ始めている。

 行動を起こすなら早いうちにじゃないと厳しくなっていく。


「……いや、このまま入ろう」


 少し悩んだトモナリだったが、ゲートに入ってみることにした。

 一か八か、ゲートが生け贄無しでも攻略できることに賭けてみることにした。


 時間をかけてなんとかすれば助けが来る可能性も少しはある。

 本来なら日本に着くはずの飛行機が来ないのなら、周りも異変には気づいているはずだ。


 なんとか生き延びれば、チャンスはゼロじゃない。


「だけど……いざという時には俺たちは自分たちだけでも生き残るぞ」


 こんなところで死ねない。

 周りの人が死のうとも生き延びる覚悟はトモナリの中でできつつあった。


 可能な限り周りを救う努力はするものの、どこかで見限ることも必要になることは頭の隅に置いておく。


「必ずお守りします」


「いざとなったら私たちも置いてけよ?」


「んなこと言うなよ」


 サントリとディーニとて死にたくはない。

 けれどもトモナリには恩義がある。


 絶体絶命の状況に陥った時、二人はトモナリを優先する気だった。


「必要ならヒカリにでっかくなって飛んでいってもらおうぜ」


 こういう時飛行という手段があるのは強い。

 トモナリ自身も飛べるし、デカヒカリになればサントリとディーニぐらい連れて脱出できる。


「ともかく、どんなゲートなのか見てやろう」


 まだ希望は捨てていない。

 トモナリはゆっくりとゲートの中に足を踏み出した。

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― 新着の感想 ―
解除が困難な罠とか、毒沼の中を歩くルートしかないとか、倒すのが大変な防御力が高すぎる中ボスとかを、『生け贄○人と交換で攻略済みにできますよ』って感じの、悪魔みたいなダンジョンなんでしょうか…… 物凄…
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