表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第八章完結】ラスボスドラゴンを育てて世界を救います!〜世界の終わりに聞いたのは寂しがり屋の邪竜の声でした  作者: 犬型大
第一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

51/474

初めてのゲート攻略4

 先に動いたのはゴブリンの方であった。

 ゴブリンは近くに落ちていた石を拾い上げると飛び上がってトモナリに襲いかかる。


 トモナリは振り下ろされた石に剣を当ててうまく受け流しながら攻撃をかわす。

 着地したゴブリンはすぐさま石をトモナリに投げながらまた飛びかかる。


 剣で石を弾き飛ばし、飛びかかってきたゴブリンを回避する。

 幻想魔法を利用してホログラムで再現されたゴブリンと速度は大きく変わらない。


 しかしホログラムで再現されたゴブリンは引っ掻き攻撃や噛みつき攻撃をするのみで石なんか持ち出したことはなかった。

 実物のゴブリンの方が知恵があって行動が柔軟である。


 トモナリがチラリとイリヤマを見ると頷いた。

 もう倒してもいいということである。


「ヒカリ、やるぞ!」


「うむ、やるか!」


 ヒカリはこれまでただのマスコットレベルで戦闘能力がなかった。

 一体いつになったら戦えるようになるのかと思っていた。


 けれど体を鍛え始めた効果か、トモナリのレベルが上がった効果かヒカリも戦えるようになった。


「にょー! くらえー!」


 トモナリの肩から飛び出したヒカリとトモナリに飛びかかったゴブリンが空中で交差する。

 ぎゃあとゴブリンが鳴いて地面に落ちた。


 ゴブリンの顔面にはザックリとした三本の傷跡が残っていた。

 トモナリのレベルが上がったらヒカリの体にも変化が訪れた。


 ヒカリの手の爪が鋭く伸びたのである。

 これまでも一応攻撃できそうといえば攻撃できそうな鋭さはあったものの短くて実用性は低かった。


 そんな爪がヒカリの意思である程度出したりすることができるようになったのだ。

 猫の爪みたいに使う時にシュッと伸びてくる。


 普段は隠している爪は伸ばしてみると結構硬くて鋭い。

 ゴブリンはヒカリによってザックリと顔面を切り裂かれて地面に落ちたのである。


「ふっ、あばよ」


 ヒカリによって片目を潰されたゴブリンは痛みを訴えるように鳴いている。

 けれどそんなことでは同情もしないし逃してやることもない。


 たとえ片目を潰されようと敵から目を離すな。

 少しでも油断すれば失うのは片目だけじゃ済まないかもしれないから。


 トモナリは剣を振り下ろしてゴブリンを切り裂いた。


「よくやった。みんな拍手」


「んふ〜すごいだろ!」


 トモナリに抱えられてヒカリは両手をみんなに振る。

 みんなも口々にヒカリのことを褒める。


 確かに今回はヒカリの方が活躍したのでヒカリがドヤ顔してもいいだろう。


「みんなも見たと思うが実際のモンスターはホログラムではない動きもする。すぐに勝負を決めるのが大切な時もあるがしっかりと相手の動きを見て対応することも大事だ。アイゼンは今ので倒したことにする。それでは各自ゴブリンを探しにいくんだ」


 トモナリは今の戦いでゴブリンを倒したことにしてくれるようだ。

 倒したのだから当然といえば当然である。


「さすがだね、ヒカリ!」


「ふふん、当然なのだ!」


「すごかった、ヒカリ」


「そーだろぉー!」


「……なんかヒカリばっかり褒められてんの納得いかないな……」


 別にいいんだけどゴブリンの攻撃を回避したりトドメを刺したのはトモナリである。

 ヒカリに対抗心を燃やしたりすることはないけどヒカリばかり褒められるのはなんだかモヤっとする。


「お前もすごかったぞ」


「うん、流石の動きだったよ」


「ありがとう、ユウト、クロサキ」


「僕も下の名前でいいよ」


「分かった、あんがと、コウ」


 男相手でも褒められるとそれなりには嬉しい。

 そんな本気で拗ねることもしないので笑ってお礼を言っておく。


「とりあえず俺たちも移動しよう。俺たちと同じ方向に行くのは4班か」


 ヒカリと一緒に行きたい。

 という4班の女子の意見でトモナリたち8班は4班と一緒に行動することになった。


「イリヤマついてきてるぞ」


「ああ、そうだな」


 抱っこして歩きたいという要望もあったのだけどトモナリ以外はダメだとヒカリが答えたので相変わらずヒカリはトモナリが抱えている。

 ヒカリは意外と感覚が鋭い。


 トモナリたちの後ろで隠れるようにしてイリヤマがついてきていることをヒカリは見つけていた。

 ただトモナリもそのことは分かっている。


 完全に生徒だけに任せるはずはない。

 問題が起きた時にすぐに駆けつけられるように各方角に一人ずつ教員がついていっている。


 ここは二つの班がまとまっているのでやりやすいだろうなとトモナリは思う。


「えっと痕跡を探すんだっけ?」


「そうだね。折れた枝、足跡、木につけられた爪の跡なんかがあるはずだ」


 ただ周りを見回してゴブリンを探すだけではない。

 ゲートの中でゴブリンは活動して動いている。


 動けば痕跡が残る。

 こうした森の中なら痕跡は分かりやすく、木の枝が折れていたり足跡があったりする。


 他にもゴブリンがナワバリを主張するために木に爪で傷跡を残していたり中には排泄物なんて痕跡もある。


「あれ」


「爪跡だな」


 サーシャがトモナリの服を引っ張って木の根元を指差した。

 そこにはギザギザとした五本の短い跡がある。


 ゴブリンが爪でつけた傷跡だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ