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【第九章完結!】ラスボスドラゴンを育てて世界を救います!〜世界の終わりに聞いたのは寂しがり屋の邪竜の声でした  作者: 犬型大
第九章

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能力比べゲート9

「出番だぞ!」


「パチン!」


 トモナリは高く手を上げると、パチンと指を鳴らす。

 ついでにヒカリもトモナリのマネをする。


 けれどヒカリは指を鳴らせないので、手を高く上げるポーズをして口で音を表現している。


「‘……なにもおらな……ぐあっ!’」


「‘きゃあ!?’」


「‘なんだ!’」


「ははっ! よーやく出番だな!」


「待ちくたびれましたね」


 何も起こらない。

 終末教の覚醒者たちがほんの少し気を緩めた瞬間だった。


 二十代の覚醒者二人が突然現れたサントリとディーニに組み伏せられた。

 トモナリのことばかり警戒していたので、後ろからやってきた二人に簡単に制圧されてしまい、五十代と三十代の覚醒者も驚いている。


「‘なんだと……’」


「‘どうやってここに入ってきた!’」


 終末教の覚醒者たちは四人それぞれ動揺している。

 それもそのはずでトモナリと終末教の覚醒者の四人を合わせると五人となり、ゲートに入れる上限に達している。


 なのに新たに二人も敵が現れたのだから混乱するのもしょうがない。


「‘放せ……このクソ女!’」


「‘放しなさいよ!’」


 サントリは力づくで二十代の女覚醒者を押さえ、ディーニは手を変形させて二十代の男覚醒者の腕を拘束している。


「‘テメェ! 何をした!’」


 サントリとディーニが現れたのは、トモナリが原因だと三十代の覚醒者は振り返る。


「‘別に何も’」


 トモナリは笑顔で答える。


「‘ゲートのルールを捻じ曲げたのか?’」


「‘そんなことできたら今頃大騒ぎだよ’」


「‘じゃあどうやって……’」


「‘簡単だよ’」


 どうやってサントリとディーニがゲートに入ってきたのか。


「‘彼女たちは人間じゃないからね’」


 答えはなんの捻りもない。

 ゲートから二人は入ってきた。


 普通の覚醒者なら入ってくることはできない。

 だがサントリとディーニは普通の覚醒者ではないのだ。


 それどころか人でもない。

 一応分類としてはオートマタと呼ばれるもので、もっとざっくり言えばモンスターなのである。


 ブラックオーガとの決闘の時もそうだったが、サントリたちは通常のルールの外にある存在のようだ。


「‘まあ、説明してやるつもりもないよ。どうする? これで逆転だ’」


 サントリとディーニが二十代の覚醒者の二人を気絶させる。

 四対二の構図は先ほどと同じだが、今度は四がトモナリたちの方である。


 なんならまだルビウスたちも呼び出せる。


「‘くっ……’」


 実際四対二よりも状況は悪い。

 三十代の覚醒者は片腕がなく、ほとんど戦えるような状態ではない。


 五十代の覚醒者だけではトモナリたちを相手にすることは不可能だと言っても過言ではなかった。


「‘終末教はあんたらが死んでもなんとも思っちゃくれないぞ’」


 名誉の死なんてそんな風に終末教は弔ってくれることなどない。

 死ねば終わり。


 ただゲートの攻略を邪魔しようとして、失敗に終わった犯罪者として記録されるだろう。

 最悪ニュースに名前すら出ないかもしれない。


 それでも抵抗するなら命の保証はできない、とトモナリは笑顔を消して真剣な顔をする。


「‘……俺は降参する’」


「‘なっ!?’」


 抵抗を諦めたのはなんと三十代の覚醒者だった。

 五十代の覚醒者が驚いた顔をして三十代の覚醒者のことを見る。


「‘こんなこと……付き合ってられるか! 俺はもう腕がないんだぞ! 血が足りなくて頭が痛い……降参するから今すぐ治療を受けさせてくれ!’」


 誰しも自分の命が大事。

 もはや土気色の顔をした三十代の覚醒者は限界だった。


 いかに効果の高いポーションがあったとしても無くなった腕は生えてこず、立っているのもやっとの状態だ。

 こうなったのはトモナリのせい。


 だからトモナリを倒せそうならやるつもりだったが、倒せそうなら希望もないのに命なんて投げ出すつもりなかった。


「‘くっ……俺も、降参する……’」


 残り一人となってしまった。

 五十代の覚醒者は悔しそうな顔をして悩み、そしてガックリと項垂れた。


「それじゃあゲートを攻略して終わりにしようか」


 終末教の覚醒者たちの制圧も終わった。

 ならばそのまま出ちゃうよりもゲートをクリアしてしまおうとトモナリは思った。


「‘拘束させてもらうからな’」


「‘これは……’」


 ディーニは体を変形させる能力を持つ。

 お尻から尻尾のようなものを生やし、それを伸ばして終末教の覚醒者たちの手を拘束している。


 尻尾の部分はトカゲっぽいのに、に巻き付いているところは金属室になっていて、簡単には抜け出せなさそう。


「よし、ラストはあれ……観覧車だ」


 サントリが気絶した二十代の覚醒者を抱えて、トモナリたちは観覧車に向かう。


「おっきいのだぁ〜」


 遠くから見ていてもデカいと思っていた。

 しかし下に来てみると観覧車はさらに大きく見えた。


 見上げると首が痛くなるほどに頂上は高い。


「なななな! 私も乗ってもいいか?」


「サントリもか?」


「私の方は大丈夫です」


 トモナリはチラリとディーニのことを見る。

 二十代の覚醒者は起きる気配もないし、残る二人も大人しい。


 手の拘束を解くことも難しいので、サントリがいなくとも逃げ出すことはないだろう。


「じゃあ乗ろうか」


「やった!」


「いくのだ〜」


 トモナリとヒカリとサントリで観覧車に乗り込む。

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