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【第六章完結】ラスボスドラゴンを育てて世界を救います!〜世界の終わりに聞いたのは寂しがり屋の邪竜の声でした  作者: 犬型大
第八章

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将来を考えて

 色々な騒動はあったものの、ひとまず日本に帰ってくることができた。

 ヨーロッパの混乱は大きかったけれども、今のところ影響はヨーロッパ内で留まっている。


 トモナリたちは長めのヨーロッパ滞在によって短くなった春休みを過ごして、再びアカデミーに戻った。

 気づけばトモナリも三年生。


 アカデミーは覚醒者養成機関であり、卒業後の進路は多岐にわたる。

 一口に覚醒者と言ってもどのような道に進むのかは色々とある。


 勉強を優先して大学に進むという道もある。

 どうするのか選択を迫られることになるのだ。


「トモナリはどうするんだ?」


「もちろん覚醒者志望だよ」


 進路調査の紙を手にして気だるげな態度のユウトはトモナリに視線を向けた。

 春休みのうちに進路を考えておくようにとは言われていた。


 実際にどうするのか決めるまでの時間は思っていたよりも短い。

 だが一般クラスと違って、特進クラスはほとんどある程度の進路が決まっているようなものである。


 特進クラスとはいうけれども、進学校と異なって勉強における特別クラスなのではない。

 覚醒者育成のためのクラスだ。


 となれば進路も自ずと覚醒者としての活動をしていく方に向く。

 どうなるのかはそれぞれ違う。


 中には覚醒者協会に行く人もいる。

 いわゆる公務員ルートで、覚醒者の中でも比較的安全でお堅い選択だと言える。


 他にも独立する人、ギルドに入る人、覚醒者関連企業に入る人などさまざまな道がある。

 特にアカデミーの特進クラスとなると色々なところから声もかかるのだった。


「そーじゃないってのは分かってんだろ?」


 ユウトは呆れたようにため息をつく。

 トモナリが覚醒者以外の道を進むなんてこと、あるわけないのは当然のこととして考えている。


 ユウトが聞きたいのは覚醒者は大前提として、その先にどうするのかという話なのだった。

 どこかに行くのか、あるいはギルドや自分のチームを持つのかが気になっている。


「お前の誘いなら俺は乗るぜ」


 特進クラスで、さらに課外活動部のユウトにはレベルの高い誘いがあってもおかしくない。

 でも仮にトモナリが覚醒者の仲間を集めるつもりなら、ユウトは大型ギルドの誘いも蹴るつもりがある。


「それは……まだ悩んでるな」


「まあ、そうか。簡単には決められないもんな」


 正直どこにも所属せず自分でギルドを起こしたり、覚醒者のチームを作ることは考えている。

 だが本当にそうするか、あるいはそうした場合に誰を誘うのかもまだ決めていない。


 一人で独立するだけなら問題はさほど複雑ではない。

 自分で頑張ればいいのだから。


 一方でチームを作る場合は簡単に考えていい問題ではない。

 他の人の生活もかかってくる。


 お金をいかに稼いでいくかなんて考えなきゃいけないし、活動する上での事務的な作業も必要だ。

 本人の問題ではあるが、独立してやっていくことに親なんかが反対することもある。


 ユウトは乗り気なのでユウトと二人でも構わないけれど、二人だけではやっていけないのでその場合どうしていくか考えなきゃいけない。


「難しい問題だよな……」


 独立したチームを持てば動きは比較的自由となる。

 しかし一からやっていくことの厳しさがある。


 対してどこかに所属することは制限が大きい。

 けれども資金や装備の支援や小規模チームでは難しいゲートに介入をできる可能性も上がる。


 どちらにもメリットデメリットがある。


「これから夏休みぐらいにはギルドでの研修もあるしな」


 一年生の時には、三年生が覚醒者ギルドなどで研修して経験を積むのを手助けしに行ったこともある。

 今度はトモナリたちが三年生になったので、いくつかのギルドや企業に研修に行く。


 研修に行ったところにそのまま誘われて、そこにいく生徒も多くいることは事実である。

 研修の後どうするのか決めてもまだギリギリ間に合う。


「ともかくお前がチームつくんならさ、声かけろよ?」


「ああ、その時はこき使ってやるよ」

 

「うっ……それは勘弁願いたいな」


「ふっ、まだもうちょい待ってくれ」


 チームを作るとなると責任は大きい。

 それに誘ったならトモナリを目的を話す必要も出てくるだろう。


 まだ覚悟は決まらない。

 でもそのうちに決めなきゃなと考えていた。

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― 新着の感想 ―
☆★☆祝☆400話☆★☆ トモナリ君の争奪戦が始まりそうですね……(汗)
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