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【第六章完結】ラスボスドラゴンを育てて世界を救います!〜世界の終わりに聞いたのは寂しがり屋の邪竜の声でした  作者: 犬型大
第七章

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狙う相手を間違えた6

「脱獄犯が近くにいるらしい。ただ捕まえられるような覚醒者が近くにいなくて……」


「俺たちに話が回ってきたってことか」


「そうみたいだな」


 ゲートの攻略にも手が回っていないのだから、細かな脱獄犯にも手が回っているはずがない。


「みんな、今この町に脱獄犯がいるらしい。逮捕への協力を要請された」


 一通り話を聞いたマサヨシがみんなの方を振り返る。


「相手はドンジョ・エバーソン。レベルは55。君たちよりも少し格上の相手になる。協力要請に応じるかどうか……今のこの場で決めるんだ」


 脱獄犯を放置しておくほどに危険は増してしまう。

 逃走の可能性も考えると相談の時間も長くは取れない。


「どうする、トモナリ?」


 ゲートではトモナリを休ませるためにコウが全体を引っ張っていったが、やっぱり全体のリーダーとして信頼を受けているのはトモナリだ。

 みんなの視線がトモナリに集まる。


「俺だけが決めるわけじゃないだろ」


 トモナリの判断を待っている。

 流石にトモナリの判断だけで決めるわけにはいかないと呆れてしまう。


「レベルは55か上といってもそんなに離れているわけじゃないな……」


 二年生がメインで戦うとして、大体今のレベル的に40前後である。

 そうなるとレベルの差は15ほどになる。


 能力値で考えると最大で30程度の違いが出てくる可能性がある。

 ただそれは相手がレベルアップごとに最大限能力が上がった場合であり、実際にはそこまで差は大きくない。


 トレーニングで能力値を伸ばしてきたみんなならさらに能力値の差は小さいだろう。


「学長も断らなかったしな」

 

 それに、マサヨシの判断も一つの判断材料になる。

 到底無理と判断したなら、マサヨシはトモナリたちに話を振ることもなく断っていただろう。


 そうせずに判断を任せたということは、トモナリたちならば脱獄犯の逮捕も可能だと考えたということになる。

 話を聞く限り相手は一人。


 特殊なスキルでもない限り能力値の差は小さく、今のところ人数的に優位なトモナリたちの方が有利だといっていい。


「俺としてはそうだな……やっぱり落ち着いて休みたいよな」


 トモナリがまず自分の意見を口にする。

 近くに脱獄犯がいて、そんな状況を放っておいて落ち着けるかというと、落ち着けない。


 多少疲れている状態ではあるが、落ち着いて休むためにも脱獄犯をなんとかしてしまいたい気持ちがある。


「一人でも捕まえて、早くこの騒ぎ収まれば早く帰れるかもしれないしな」


「まっ、みんなで戦えば格上の相手でも勝てるでしょ。こんなタイミングで現れて、ボッコボコにしてやるんだから!」


「さっさと倒して休む」


 トモナリを皮切りにして、みんなも協力に肯定的な意見を出す。


「……じゃあ、やるってことでいいな?」


「ああ、ここに来たこと後悔させてやろうぜ」


 ーーーーー


「あれがエバーソンか」


「いかにも……なやつだな」


 スキンヘッドにタトゥーのイカつい男が町を歩いている。

 その男こそ脱獄犯であるエバーソンだ。


 仮に脱獄犯だという事前の情報がなくても、目すら合わせたくないような相手だった。

 今のところバレていないと思っているのか、特に暴れたりするようなことはなく大人しくしている。


 ただエバーソンは暴行で逮捕されたような人なので、いつ暴れ出すのか分からないところがある。

 ただコソコソするようなところもない。


「職業は斧士……斧を得意としているけど、武器なんかは入手してるんだろうか?」


 覚醒者の厄介なポイントの一つとしてインベントリというシステムがある。

 武器を所持しているかどうか分からないのだ。


 エバーソンの場合は斧士という職業で斧を扱うことを得意としている。

 自分に合った武器の方が力を発揮できるので、斧を持っていたら厄介なことになる。


 インベントリに武器を入れていたら外から確認する手段がない。

 武器がなければ制圧も少し楽になるのになとは思ってしまう。


「人通りが多いな……」

 

 トモナリたちはいくつかに分かれて、エバーソンを監視している。

 襲撃してエバーソンを捕まえたいけれど、周りに一般の人も多くてなかなか良い状況にならない。


 エバーソンもバカではない。

 見つかるリスクも考慮しているだろうが、見た目上隠れることが難しいことを分かっていて逆に人通りの多いところを選んでいるのかもしれない。


 紛れるという意味や、周りに人がいれば戦いになりにくいことを考えている可能性がある。


「おっ、人通りの少ない方に向かったぜ」


 先を歩くエバーソンが角を曲がる。

 やや細めの路地は人通りもかなり少なくなる。


「チャンスだ。ミズキの方に連絡を」


「オッケ」


 ユウトが警察から借りた無線で分かれて行動している他の部隊に連絡を入れる。


「‘おい! 見てんの分かってんだぞ!’」


「あいつ……!」


 路地の真ん中でエバーソンが突如立ち止まった。

 インベントリからナイフを取り出したと思ったら近くにいた通行人の首に腕を回して引き寄せる。


 取り出したナイフを突きつけて、怖い顔をして叫ぶ。


「尾行がばれていたのか」


 トモナリは顔をしかめる。

 なんの動きもなくウロウロとしていると思っていたが、トモナリたちの尾行に気付いての行動だったのだ。

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