表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第九章完結!】ラスボスドラゴンを育てて世界を救います!〜世界の終わりに聞いたのは寂しがり屋の邪竜の声でした  作者: 犬型大
第一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/568

入学テスト3

「覚醒者になった経緯はわかりました。では覚醒者ステータスを……」


「その前に一つ聞きたい」


 トモナリの正面、真ん中に座るマサヨシがスッと手を上げてムナカタを止めた。

 アカデミーの学長であるマサヨシはムナカタの上司になる。


 ムナカタは大人しく言葉を止めてマサヨシの様子を窺う。


「どうして大きなリュックを持っている?」


 マサヨシはずっと気になっていた。

 トモナリが大きなリュックを背負っていることを。


 学力試験の時も同じリュックであったことを見ていたし、今も必要ないのに椅子の横に置いている。

 特に持ち物を制限していないので咎めるつもりはないけれど、そんなに肌身離さず持っている理由がなんなのか知りたかった。


(それに……あのリュックから異質な魔力を感じる)


 マサヨシはじっとリュックのことを見ていた。

 リュックから不思議な気配がするということも感じ取っていた。


「……それについてもお話ししておきたかったんです」


 実際の問題としてトモナリが覚醒したということを隠し通してここまで来ることはできた。

 ミズキだけ覚醒したとか言えば本人が開示しない限り覚醒したかどうかは分かりにくいので鬼頭アカデミーの入学まで隠してはおけただろう。


 受験生の中には覚醒しているのに隠して受験している人もいる。

 未覚醒者はモンスターを倒して覚醒しなきゃならないところ、覚醒していれば煩わしい作業を省略できる。


 裏を返せばそれだけであり覚醒者だと明かすメリットは大きくない。

 こんな風に面接されるぐらいならモンスターを倒した方が楽でいいと考えてもおかしくないのだ。


 だから覚醒していることを明かしてもいいし明かさなくてもいい中でトモナリは覚醒していることを明かすという選択をした。

 なぜなら覚醒者だと明かした時に行われる入学テストの面接には鬼頭正義が確実にいるのだとトモナリは知っていたからだった。


「ヒカリ」


「ほれきたー!」


 トモナリの呼びかけに応じてヒカリがリュックの中から勢いよく出てきた。


「なっ……」


「モンスター!?」


 ムナカタとトモナリから見て左の男が突如として出てきたヒカリに驚いて立ち上がる。


「まっ、待ってください!」


 ムナカタの右手に炎が渦巻いて、トモナリは慌ててヒカリの前に飛び出した。


「愛染さん、これはどういうことですか!」


 炎を放ちかけていたムナカタはトモナリが飛び出してきて動きを止めた。

 ムナカタと左の男に怖い目で見られているヒカリはトモナリの背中にしがみついて肩越しに顔を出していた。


「こいつは俺のパートナーで、悪い奴じゃないんです」


「モンスターが悪いやつじゃない? 何を……」


「待ちなさい」


 ヒカリのことを受け入れなさそうな二人と対照的にマサヨシは冷静に状況を見ていた。

 立ち上がったマサヨシはゆっくりとトモナリの前まで歩いてきた。


「パートナーとはどういうことだ?」


「ステータスオープン。こちらをご覧ください」


 トモナリはステータスを表示する。

 ステータスは他人に見えないものであるが、意識すれば他人に開示することもできる。


「ドラゴンナイト?」


 マサヨシはトモナリのステータスを見て眉を吊り上げた。

 覚醒者として活躍してきたマサヨシでも見たことがない職業だった。


「俺のスキルを見てください」


「魂の契約……」


「俺はこいつと契約したんです」


「ドラゴンと契約できるスキル……?」


「こんなもの初めて見ました」


 ムナカタと左の男も来てトモナリのステータスを確認する。

 色々と驚くべきところはあるけれどひとまず今はスキルを見て驚いている。


「つまりそれはドラゴンで、君が契約しているということなのか?」


「そうです」


「よければドラゴンを見せてもらってもいいか?」


「どうぞ」


 トモナリは背中にしがみついたヒカリを両手で掴むとマサヨシの前に差し出した。

 マサヨシは険しい顔でヒカリを見つめる。


 まさか手を出さないよなとドキドキしながらトモナリはマサヨシのリアクションを待つ。


「……可愛い」


「えっ?」


「いや、ゴホン。ひとまず危険なことはなさそうだ。面接を続けよう」


 ボソリと呟かれた言葉をトモナリは聞き逃さなかった。

 しかしマサヨシはごまかすように咳払いをしてさっさと席に戻った。


「今あいつ可愛いって言ったぞ!」


「ヒカリ、やめるんだ」


 ニンマリ笑ってヒカリがトモナリの耳元でささやく。

 ヒカリも可愛いと呟いたのを聞いていたのだ。


 けれど今それを突くとやぶ蛇になりそう。


「図らずしもステータスを見せてもらうことになったな」


 マサヨシはまるで何事もなかったかのように面接を再開し始めた。

 けれど視線はトモナリではなくトモナリが膝に抱えているヒカリに向けられている。


 第一印象では怖そうな人だと思っていたのに意外と良い人かもしれない。


「ドラゴンナイトや魂の契約というものも初めてですが……実際にドラゴンと契約している。さらには能力値までレベル1にしてはかなり高い……」


 改めて面接を再開したのだけどムナカタと左の男の動揺は隠せない。

 ドラゴンであるヒカリのことも飲み込めきれていないのにトモナリのステータスは尋常ではなかったからだ。

最後まで読んでいただきましてありがとうございます!


もし、少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、

ブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


評価ポイントをいただけるととても喜びます。


頂けた分だけ作品で返せるように努力して頑張りたいと思います。


これからもどうぞよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 更新ありがとうございます。 前話の『ヒカリくん、今どこ?』が解決しました。 ……うん、受験者の中で1人だけデカいリュックを持ち歩いてたら、気になりますよね…… 「小さい頃から使っている毛…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ