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【第六章完結】ラスボスドラゴンを育てて世界を救います!〜世界の終わりに聞いたのは寂しがり屋の邪竜の声でした  作者: 犬型大
第一章

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未来の剣姫3

「……もう一回……」


「ん?」


「もう一回やるわよ!」


 負けて悔しい。


「今のは……トモナリ君がまだ初心者だと思って油断したから! もう一回やれば負けないんだから!」


 初心者だと思ったから負けたなどなかなか苦しい言い訳だけど、ミズキは負けたことに納得できなかった。

 確かに先手を譲ってあげようと思っていたのは確かだが、受け身で相手の攻撃を待っていたために押し切られてしまっただけでもう一度戦えば負けないと思っていた。


「やだね」


「ええっ!?」


 しかしトモナリは再戦を拒否した。


「俺にはまたやる義理はないからな」


 未来の剣姫に勝った。

 このことだけでもかなり気分は良い。


 今日は覚醒できたし、特殊な職業を手に入れたし、ヒカリとパートナーになったし、未来の剣姫に勝ったと良いことづくめで終われそう。

 もう一度戦う必要などどこにもない。


「……私に勝ったらなんでも言うこと聞いてあげるから!」


「ミズキ!」


「おじいちゃんは黙ってて!」


 ミズキは相当負けず嫌いらしい。

 あまり軽々しく出すべきではない条件にテッサイが焦るけれどミズキの叱責一つで黙らされる。


 稽古の時は鬼のように厳しいテッサイであるが孫娘には弱いらしい。


「なんでも?」


「なんでも!」


「ふーん……」


「え、えっちなことはダメだからね!」


「しねーよ……」


 見た目は中学生だが回帰の影響で中身はオッサンチックなのだ。

 そんな犯罪行為に手を出すはずがない。


「なんでも聞いてもらえるなら……」


 ミズキは未来において剣姫と呼ばれるほどの実力者になる。

 そんなミズキがなんでもお願いを聞いてくれるということは将来大きな助けになる時が来るかもしれない。


 今何かをしてもらうつもりはないしお願いを使うことなんて来ないかもしれない。

 口約束だし確実なことは何もないけれど困った時に頼ることができる先が一つあるだけでも少し心は楽になる。


「やろうか」


「さっきの戦いはかけてないから無しだからね!」


「ちゃっかりしてんな」


 ーーーーー


 10戦8勝2敗。

 トモナリの成績である。


「あんなの剣道じゃない!」


「これは剣道の試合じゃないからな」


「おじいちゃんあれでいいの!?」


「むむむ……」


 完全に負け越したミズキは納得行かなそうに地団駄を踏んでいる。

 トモナリの戦い方はモンスターとの戦いを通じて得られた実戦的なものである。


 剣道的なマナーの中で戦うやり方とは少し違っていた。

 トモナリはテッサイから剣を習っている。


 剣道としての心構えや基礎的なところは吸収するけれど、決して剣道として戦うのではなく剣道としての無駄のない戦い方を自分の戦い方の中に吸収して戦うつもりだった。

 ミズキの目から見てトモナリの戦い方はかなり異端に見えたことだろう。


 最初が剣道っぽく戦ったので余計にそう感じられた。


「あれが俺の戦い方だ。それともなんだ、約束無かったことにするのか?」


「うぬぅ……でも、私二つ勝ったから! だから六つ! 六つ言うこと聞いてあげる!」


「そうか」


 バカ真面目だなとトモナリは笑った。

 なんならトモナリが勝ち越したから一つだけ言うことを聞くなんてこじつけでもいいのに一勝につき一ついうことを聞いてくれるようだ。


 ミズキが二勝したのでその分打ち消しで六回分なんでも聞いてくれるらしい。


「くーやーしーいー!」


 それでも流石だとトモナリは感心していた。

 正直剣道ならともかく本気で戦いとしてやれば全勝できると思っていた。


 それなのにミズキは食らいついて二勝をもぎ取った。

 センスも対応力も高いし負けず嫌いなところもうまくマッチしている。


 未来の剣姫なことを知らなかったとしても将来強くなると断言できる素質があった。


「二人ともお疲れ様。運動したら甘い物よね」


 トモナリとミズキの手合わせの最中でユキナは席を外していた。

 戻ってきたユキナの手にはお盆が持たれている。


 お盆の上には切り分けられた羊羹が乗っていた。


「また! またやるよ!」


「負けず嫌いだな……機会があればな」


 羊羹と熱いお茶をいただきながら休憩する間もミズキは負けたことに納得いかないようだった。

 ミズキは結構強いのであんまり戦っているのも疲れるなと思いつつも強い相手と戦うのはトモナリ自身のためにもなる。


 時々なら戦ってもいいかもしれない。

 そんな風にはトモナリも感じていたのであった。


「それと……もう一個聞きたいんだけど……」

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