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【第八章完結】ラスボスドラゴンを育てて世界を救います!〜世界の終わりに聞いたのは寂しがり屋の邪竜の声でした  作者: 犬型大
第三章

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闇に溶け込む盗人3

「とんだ災難だったな」


「そうですね……」


 解放されてミズキの家に帰ってきたトモナリは盛大にため息をついた。

 神切についてもう一悶着起きそうだったけれど急に相手の態度が柔らかくなった。


 もしかしたらトモナリが未来視もどきで覚醒者協会に協力していることが伝わったのかもしれない。

 ともかくトモナリは犯人を止めようとしたのだし疑われるなんて大変だったとテッサイが労う。


 蔵に自由に出入りできるようにして神切を手にした直後だったというタイミングも少し悪かった。


「まさか泥棒が入るとはな……」


「しかも覚醒者だもんね」


 盗まれた側のテッサイやミズキだがあまり焦ってもいなかった。

 刀なんかは売ればいくらかになるだろうが蔵にあるものはほとんど価値のない骨董品がほとんどであった。


「まあ覚醒者に狙われたら厳しいよな」


 ユウトはため息をつく。

 たとえ鍵があろうと監視カメラがあろうと覚醒者なら様々な方法で突破することができてしまう。


「悪かったな、みんな起こして」


「むしろ起こしてよ!」


 時間としては日の出前になる。

 寝るには早い時間だけど起きてるのも眠い。


 結局みんなのことを起こしてしまったのでトモナリが謝るとミズキは少し怒ったような顔をした。


「一人で覚醒者の泥棒と戦ったんだよ? 危ないじゃない!」


「ん、まあ結果的にそうだけど……なんだったか分かんなかったしな」


 怪しい気配はしていたものの覚醒者が古ぼけた蔵に泥棒に入るとは思ってなかった。

 ちょっと確認だけするつもりで戦いになってしまったのだ。


「怪しいって思ったんでしょ? ならみんなのこと起こせばよかったんだよ」


「……そうだな、今度からそうするよ」


 コウにも諌められてトモナリは素直に自分の非を認める。

 確かに自分ならなんとかできるかもしれないという驕りがあった可能性はある。


 みんなを起こして取り囲めば盗人を捕らえることもできたかもしれない。


「次はないと思うけど次あったらみんなのこと叩き起こすよ」


 ミスは素直に認めよう。

 今回は頼もしい仲間たちもいるのだし頼ることも覚えなきゃなと思った。


「にしてもさー」


「なんだ?」


「本当に犯人の顔も見なかったのか?」


 盗人についてトモナリはやや身長が低めだったことと覚醒者で素早さが高そうなことしか報告していない。

 顔は隠していたし声も出さなかった。


 まともに戦ってもいないから能力も分からない。

 特徴として言えることが多くないのである。


「ただ……」


「ただ?」


「いや、なんでもない」


「んだよー。でもトモナリでも捕まえられないんじゃ俺たちいても同じかもな」


 トモナリはみんなの中でも頭一つ飛び抜けて実力が高い。

 そんなトモナリが逃してしまうほどの相手ならやっぱりみんながいても厳しいかもしれないとユウトは思った。


 一方でトモナリは言葉を飲んだ。

 盗人は女かもしれないとひっそりと思っていたのだが確証もないし口にはしなかった。


 ヒカリが盗人に一撃加えた。

 服をかすったのでダメージはないものの服は破けた。


 破れた胸元から黒い下着が見えたような気がするのだ。

 ほんの一瞬だったのでこちらもまた確証はない。


 それに男がブラジャーをつけないとも限らないので確実なことは言えない。


「とりあえず神切は守れたからよしとするか……」


 おそらく回帰前神切が盗まれたのはこの盗人によるものだろうとトモナリは思う。

 かなりギリギリのタイミングであったけれど神切を守ることができた。


 神切を持った覚醒者協会の職員が暴れたことを考えると回帰前に起きた連続殺人事件も神切によるものだろうと推測できる。

 つまりは未来における凄惨な事件を一つ防ぐことができたのである。


「まあ今度は逃がさない……」


「むにゃむにゃ……もう食べられないのだ〜」


 みんなの目が冴えてしまった中でヒカリは丸くなって寝ていた。

 もう会うことはないだろうが次に会うことがあればトモナリはもっと強くなっている。


 次は盗人など逃がさない。

 トモナリはそっとヒカリの頭を撫でた。

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