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【第八章完結】ラスボスドラゴンを育てて世界を救います!〜世界の終わりに聞いたのは寂しがり屋の邪竜の声でした  作者: 犬型大
第二章

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人類の敵3

 フウカはそうした強さがありそうだったけれどカエデまであっさりと割り切って戦っているのは意外であった。


「う、うおおおおっ!」


 早くも覚悟を決めたのはユウトだった。

 サーシャが攻撃を防いだ隙を狙って終末教の男を切りつけた。


 人を切る感覚はモンスターと大差ない。

 だがやはり人間を切ってしまったのだという感覚は何故か少し気持ち悪い。


「ユウト君!」


 切ったはいいがその感覚に怯んでいるユウトに別の終末教が襲いかかった。

 ミズキが終末教の剣を弾き返すとそのまま反撃で胸を切り付ける。


「くらえ!」


 コウが火の魔法を放って胸を切られた男にトドメを刺す。

 火の槍に胸を貫かれた終末教は体に火がついても何のリアクションもないまま燃えてしまった。


 ちょっとずつみんなも人を倒すことに覚悟を決め始めたようだ。


「ぐわっ!」


「やるな、ドラゴンを連れた覚醒者」


「ぐっ!?」


「アイゼン君!」


 終末教を一人切り倒したトモナリは横から蹴りが飛んできてギリギリ剣でガードした。

 しかし威力を殺しきれずに吹き飛ばされてしまった。


 トモナリは地面に手をついて一回転し着地した。

 幸いなことに大きなダメージはない。


「ふふふ、愛染寅成……ドラゴンを従える特殊なスキルを持つ強力な覚醒者か」


 トモナリを蹴り飛ばした男は仮面をつけていた。

 まさかマサヨシがやられたのかと確認したらマサヨシはまだ仮面の男と戦っていた。


 よく見ると仮面のデザインも違う。


「仮面ということは終末教の幹部だな?」


 仮面をつけた終末教は終末教の中でも高い地位にある人だった。

 それなすなわち立場だけでなく覚醒者であり、レベルも高い強い相手であるということでもある。


「よく知ってるな愛染寅成」


 トモナリは終末教にフルネームで呼ばれるのはちょっと勘弁願いたいと顔をしかめる。


「君は強力な力を持っている。正しい終末を迎え、次なる世界に行くにふさわしい資格がある。我々の仲間になるつもりはないか?」


 終末教の幹部はニヤリと笑う。

 前回誘われたことといい、能力的には終末教もトモナリのことは欲しいようだ。


「……興味ないな。俺は今回たくさんのものを抱えるって決めたんだ」


 回帰前だったら受けていたかもしれない。

 母であるゆかりのことさえ保証してもらえるなら終末教にも入っていた可能性がある。


 ただ今回はトモナリも周りも変わっている。

 世界がどんな終末を迎えるのかトモナリは知っている。

 

 悲しみも苦痛も希望も安らぎもなくただ何もなくなってしまう。

 そんなことを繰り返させるわけには行かない。


 母親も友達も世界も、そしてヒカリも今度は守りたいとトモナリは思う。

 終末教に入ったとしてもそれらのものは何一つ守れやしない。


「そうか……ならばそのドラゴンを引き渡してもらおう。我々が有効活用してやる」


 終末教の幹部はトモナリのそばを飛ぶヒカリに視線を向ける。

 幼体のドラゴンは珍しい。


 支配できれば強力な駒となるし、ドラゴンの素材は多くの活用法がある。

 トモナリが仲間にならないのならヒカリを無理やり連れて行くつもりなのだ。


「そんなことさせない。こいつは俺のパートナーだからな」


「ならお前を殺そう。いや、生きたまま手足を切り落として捕まえておけばそのドラゴンも協力的になるかな?」


「グロいこと考えんな」


「正しい終末のためには多少の犠牲も必要なのだ」


「だからっておとなしく手足取られてたまるかよ!」


 トモナリは終末教の幹部に切り掛かる。


「ほぅ……十番目に入ったということはレベルはせいぜい20なはず……なのにこの速度とはな」


 全力、全速力の攻撃だったのに終末教の幹部は手のひらでトモナリの攻撃を受け止めてしまった。

 能力差がありすぎるとトモナリは舌打ちしたくなる。


「だりゃああああっ!」


 ヒカリも加わってトモナリと一緒に攻撃する。

 しかし終末教の幹部はその場に留まったまま腕だけでトモナリとヒカリの攻撃を防ぐ。


「スキル破撃」


「うっ!」


 終末教の幹部が拳を突き出し、トモナリは剣で防ぐ。

 しっかりとガードしたにも関わらずトモナリは大きく押し返された。


「良い剣を使っているな」


 剣を破壊するつもりだった。

 なのにルビウスは折れるどころかヒビすら入らなかった。


「ぐふっ……」


「トモナリ!」


 トモナリが血を吐いてヒカリが慌ててそばに飛んでいく。

 剣越しに衝撃が胸を貫いていて体の中がダメージを受けていた。


「これでも倒れないか。見上げた能力値と根性だ」


 終末教の患部がゆっくりとトモナリに近づく。


「アイゼン君!」


「行かせないぞ!」


 イリヤマもトモナリの危機に焦りの表情を浮かべるけれど終末教がしつこく食い下がって助けに行かせないようにする。


「むうっ!」


「飼い主を守ろうとするか。いかにも忠犬だな」


 思いの外ダメージが大きくて動けないでいるトモナリの前にヒカリが立ちはだかって終末教の幹部を睨みつける。


「大層なことだ」


 終末教の幹部はヒカリに手を伸ばす。


「ヒカリ、逃げろ!」


「イヤだ!」


 今逃げるとトモナリがやられる。

 そんなことはさせないとブレスのためにヒカリは大きく息を吸った。


「クロロス様!」


 新たな終末教が一人囲いの中に走ってきてクロロスの手が止まった。

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