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フリーダムクエスト〜6人の天才ゲーマー達  作者: 青アフロ
【プロローグ】
1/31

ダメ男達の日常

今年の10月で26歳になった。


その当日、地元のゲーム仲間達や妹......後はゲーム配信のリスナーからおめでとうコメントを頂いた。


対して嬉しくもない、ケーキすら食べなかったその誕生日に妹とやりとりしたメッセージの内容はこうだ。


「0:07 誕生日おめでとう。」

「0:09 別におめでたくない。」

「0:17 一年間無事に生きれたからおめでたいよ。」


終わり。


以降連絡はなし、引きこもってゲームばかりしてる俺を妹は良く思ってないらしい。


無事に生きれたからって煽ってんのか?

まあいい、風呂でも入ってたまにはパチンコでも行くか。


俺の名前は眞木大輔(まき だいすけ)、26歳。

20代に入ると同時に働く事を辞め、大量に稼いだ金で絶賛引きこもりニート生活を満喫中のクズ野郎だ。


俺が外出するのは金曜日の夜に地元のゲーム仲間とゲーセンに集まり、閉店までゲームに金を費やす時。


そしてやる事がないとたまにパチンコ屋に行く、それだけだ。


今日も俺はパチンコ屋で平日の昼間から1人、パチンコを打っていた。


(大当たり!)

「よし。」


俺はタバコに火を付けるとボサボサの頭を軽く掻いて、画面をボーッと見つめながら大当たりを楽しんでいた。


「ゆあっちょー!」


平日の昼間でガラガラの店内で1人、大当たり中に流れる楽曲を口ずさみながら楽しむ俺...。


しかし大当たりが止まると暇になりすぐに携帯を弄る。


そういや金曜だっけ...曜日感覚が麻痺してんな、

グループチャットどうなってっかな。


「12:07 今日はパスで。」

「12:31 集まらんなら俺もパス。」

「14:05 今週はそっち帰れないから無理。」

「14:30 金ない...。」

「14:31 明日仕事だしパス。」


んだよ、集まり悪いな。


まあ社会人だし仕方ないか、最近は1ヵ月に1回集まれば良い方だ。


それに3人は結婚してるしなー...。


(大当たり!)

「よし、いいねえー。」


今日も絶好調だし、帰ったら矢藤(やとう)の奴でも弄ってストレス発散するか。


俺はグループチャットを再び開くとコメントする。


「14:38 夜誰かSD4やらね?」


SD4とはサバイバルドライブというゲームで、銃で敵を撃って倒していくFPSゲームの事だ。


それから俺のパチンコ台は大量の玉を出し、店を出た俺は愛車のスポーツカーに座りグループチャットを見る。


「14:39 8時からならできるよ。」

「15:07 SD4ならできる。」

「15:08 なら俺もやるわ。」

「15:42 行くしかねえ!」

「16:19 かかってこい雑魚共!」


...。


「16:23 結局全員やるんかよ笑」


俺はそうコメントした後、中華料理屋で餃子定食を食べ家に帰宅しゲームを起動すると直ぐにグループチャットにコメントする。


「17:34 誰かはよ」

「17:36 はえーよ笑」

「18:02 飯食ったら入る」

「18:07 俺10時くらい」

「18:08 はっ?おせーよ」

「18:08 まだ仕事中笑」

「18:12 ブラックだな」

「18:16 ファッ!?」

「18:17 どーした」

「18:17 今起きた!」

「18:18 時間笑っ」

「18:19 やべーねみい」

「18:19 おら矢藤、早く起動しろ」

「18:21 おけ、今つける」


矢藤がログインしたのを確認すると、俺はボイスチャットでグループを作成し招待を送る。


するとすぐに矢藤がボイスチャットに入ってきた。


「はあーい、ジョージィ!」

「HI!George!」


このやり取りに意味はない、挨拶みたいな物だ。


「ういー!...矢藤さーん、今日めっちゃ出た。」

「はっ?...ウラヤマ。」

「明日ワンチャン行くか?」

「金ねえ!」


彼は矢藤直樹(やとう なおき)、小学生の時に俺と同じ学校に転校してきた。

近くのファミリーイレブンというコンビニで夜勤をしていて、昼間の暇な時によく付き合って貰っている。

極度のオタクで身長165cm、体重は去年100キロを突破したらしい。


ドン引きする程、2次元を愛していて現実の女はいらないと定期的に公言している。

そんな彼に金がない理由はスマホゲームの嫁達に毎月10万以上貢いでいるからだ、うん馬鹿だ。


他の奴らが来るまでの間、俺達は2人でSD4をプレイする。

間合いのない話や時に真面目な話も混ぜながら、敵を次々と銃で倒していく。


そして22時を少し過ぎた頃には、全員がボイスチャットを繋いでゲームをしていた。


何も気を使う事なく楽しめる、こいつらと一緒にゲームをする時間が正直1番楽しい...それは小学生の時から変わっていない。


何故なら俺達にとってゲームは唯一の共通の趣味だからだ。

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