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DA:-SEIN ~御伽奇譚~ 「魔石」  作者: 藤乃宮 雅之
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~探偵 「禎茂保昌」~

~主要 登場人物~

〇皆本頼光・・・「源綴宮」の宮司の息子。小柄で色白、紅い色の瞳を持つ少年。自分の女の子顔をコンプレックスに思っている。 天狗族の血を引いていて、有翼・一角の白い天狗「白鳳」に変化へんげする。空間を歪ませる能力を持ち、圧縮空間を開放させた反動での高速移動や、空間投影術「カクレミノ」を使う。 糸洲流空手黒帯の腕前。


〇吉田香澄・・・頼光の幼馴染みで、猛烈片思い中。小柄ながらバスケ部で活躍するショートヘアの元気娘。前回の話で頼光の特殊能力を見せられ、戸惑いながらもそれを受け入れた。


〇有松美幸・・・頼光に一目惚れした隣のクラスの女の子。新入生人気投票の1位を獲得した美少女。本人は特に気どりも無く、普通に学生をしている。 前回の話で頼光とかなり親しくなりゴキゲン。またライバル宣言を行い合った香澄とも妙に仲良くなり、今では友達付き合いをしている。


〇禎茂保昌・・・源綴宮の神職たちと親しい、探偵で陰陽師。黒づくめの装いが多く、ジャケットの下のレザーハーネスには色々な道具を仕込んである。「ショウケラ」「ナナツ」の二体の式神を従えている。


〇黒田崇弘・・・源綴宮の禰宜で陰陽師。保昌と親しく名前で呼び合う。学者タイプで情報管理に秀でる。頼光の兄的な存在。


〇黒田博通・・・源綴宮の権禰宜で陰陽師。崇弘の弟。大柄な体格と豪快な性格の好漢で、彼も頼光の兄的な存在である。


〇篠崎正臣・・・明芳高校の「服飾科」で、頼光・香澄の小学校時代からの友人。オネェな言葉遣いと華奢な体格からは想像できないが、頼光と同じ空手道場の有段者。 ベースが演奏出来、友人の「杉浦健明」と中学校時代からバンドを組んでいる。また、原宿系ファッション雑誌「JUST」の読者モデルもやっていて、校内にファンクラブが結成されている。


〇杉浦健明・・・頼光・香澄の小学校からの友人。高校一年生にして185センチの長身。本人は運動よりも音楽が好き。 音楽一家に生まれ、ピアノ・ギター・ヴァイオリンを扱える。


〇杉浦綾香・・・健明の姉。玄磐教育大学の「音楽科」二年生。ピアノ・チェロ・フルートを得意とする。


〇西園友理亜・・・綾香のクラスメイトで健明のカノジョ。声楽を専攻し、ピアノ・ヴァイオリンを扱える。


〇沢井加奈・・・西崎高校女子バスケ部「西崎ワルキューレ」のレギュラーメンバーに一年生ながら抜擢された185センチの長身の女の子。 ハンサム・ガールで女子からの人気が高い。男前な割には以外と怖がりで、乙女な娘。 


 


 四月最後の日。

 鴻池駅からも良く見える御影石製の大鳥居の前を横切って黒いスポーツセダンが走っていた。

 大鳥居を見ながら西に向かう。

 道は丘を上る傾斜になり、右手側に小道への分岐が現れた。

 『 ← 源綴宮 参拝者 駐車場』 と彫り込まれた御影石の柱の横を通って小道に入る。

 舗装はされているがすぐに小道はものすごい傾斜になり、チェンジを「LOW」に入れてアクセルを踏み込む。

「やれやれ。毎回のことながら、この道は怖いね。」

 運転席で、長い黒髪を後ろで束ねた細身の青年、(よし)(しげ)(やす)(まさ)は苦笑いを浮かべた。

 駐車場に乗り入れた保昌は車から降りて、黒いジャケットを羽織った。

 窓を鏡にして身なりを整えた時、装着していたハーネスタイプの携帯ホルスターの中でスマートフォンが着信を知らせた。

 画面には『赤磐警部』と表示されている。

「はい、(よし)(しげ)です。」

『おお、禎茂くん。折り入って頼みたいことがある。』

「どうしたんですか? いつになくしおらしいですね。悪い物でも食べましたか?」

『さっそくご挨拶だな。俺個人としても警察としても、あまり部外者は挟みたくないんだが、今回は事態が事態なんでな。お前さんの得意分野の力を頼みたい。』

「『俺はオカルトかぶれなんか信用せん。』と散々言ってたヒトが珍しいですね。どうしたんです?」

『学生が溶けたんだよ。半溶けだ。』

「うん? 隠語か何かですか?」

『いや、言葉通りだ。こっちも訳がわからん。通行中の人間がいきなり溶けたんだ。しかもこれで2人目だ。ホトケさんの財布の中の学生証からすると、彼も玄磐教育大の学生らしい。化学兵器や生物兵器の可能性も捨てきれないんでな、規制線を張って科捜研の連中も加えた特務班を投入している。』

「興味深いですね。とにかくそちらに向かいます。東署で良いですか?」

『いや、今回は現場に来て欲しい。玄磐市の住宅街の外れだ。メモは良いか?』

「はい。録音モードにしましたから、そのまま言ってください。」

『解った。場所は玄磐市三笠町・・・・』

 保昌は話を終えてジャケットを助手席に置くと、再び車に乗り込んだ。

「ショウケラ、居るかい?」

『若、お傍に。』

 フロントガラスに10センチぐらいのヤモリがちょろりと顔を覗かせると、保昌の頭の中に子供のような甲高い声が響いた。

「妖が絡んだと思われる事件が起きた。場所は玄磐市三笠町の倉田駅に向かう道・・・。今、警察が規制線張って騒いでいるトコロだ。移動に僕は30分ぐらいかかりそうだから、先に行って情報を集めていてくれないか。人が溶かされて殺されたらしい。」

『ほう? 溶かしただけで肉は喰っておらんのですな。では、お先に。』

「ああ、頼むよ。」

 ヤモリがひょいと顔を引っ込めると、車の天井からぽんっと何かが跳び立つような音が聞こえた。

「・・・ふう。化け猫騒動に崇弘の助力を頼もうと思って来たが、また今度だな。」

 保昌は『お帰りの方はこちらから→』の看板に従って車を発進させた。

 下りの道も、またものすごい急斜面が待っていた。

 


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