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説明回で話がほとんど進まないですが読んでいただけると有り難いです。
サラグリア王国
人口二千万人で、こちらの世界で一番大きな国土を持つ国である。そして貴族と呼ばれる人もいた。
こちらの世界は魔法がとても発達していて魔力を持たない人間がいなく、争いが少ない平和な世界だった。15年前まではーー
15年前、ある貴族の男が『禁忌の術』と呼ばれる使ってはならない魔法を発動した。その魔法は多くの魔力を要するもので、人一人では到底補えなかったため、国民数人が犠牲になってしまった。
そして、その魔法は生まれる前の子供の魂の入れ替えをするものだった。それも別の世界の魔力を持たない魂と。
魂が入れ替わってしまった子供達は『禁忌の子』と呼ばれ、差別されるようになった。差別といっても迫害されたりしたわけではない。なぜなら、魂を元に戻す魔法があったからだ。とりわけ難しい魔法でもなく、すぐにでも発動させられるものだったが、できない理由があった。
入れ替わったあちらの世界の子供達と『入れ替え』をした時にある問題が発生してしまうのだ。
それは、生まれてから10年もたっていて各世界に馴染んでいるという点。元に戻したときに各世界に馴染めない点。魂を元に戻したとしても記憶が残ってしまう点などがあった。
これらのせいですぐに発動するのはできなかったが、魔法を発動しないということはできない。そこであちらの世界の子供達に説明をして同意をしてもらい、問題を解決してから魔法を発動することにした。
そして、あちらの世界に説明役として派遣されたのがルージュ。もとい礼奈だった。ルージュの仕事はあちらの世界にいる『禁忌の子』の護衛と話の説明である。説明は子供達が15歳になった時に話すこととなっていたのだが、それがもうすぐという時に『禁忌の子』に手を出す人間がでてしまったのだ。それが今回の事件である。
説明だけですみませんでした。次回からはちゃんと進みます。多分。