プロローグ
初投稿です。拙い文章ですが、楽しんでいただけたらと思っています。
サラグリア王国ーー
どれくらい走ったのかもう分からない。必死で足を動かしていると、塔の最上階への入り口が見えた。迷わず中に入る。そこには、この事件の首謀者である、俺の親友がいた。
「アンダルセ!お前、何をする気だ!」
「何をする気、か。そんなの、お前が一番わかっているだろう?」
わかっている。けれど、止めないわけにはいかない。
「わかっているから聞いている!“それ”を使ったらこの国は終わるんだぞ!」
「知っているさ。けど、こうでもしなくちゃこの国の腐敗は止まらない。俺は、この国の貴族どもに変わってほしいだけだ。」
「そんなことのためにお前が犠牲になる必要はないんだ。考え直してくれ!」
やめてくれ。お前が苦しむ姿はもう見たくない。
「すまない。だが、もう遅いことはお前が一番わかっているだろう?」
そう言って、泣きそうな顔で親友は笑う。
「この国の未来のために、やらせてくれ。悪役は俺だけで十分だ。最後まで親友でいてくれてありがとう、アルフレッド。」
彼は塔の屋根に登った。
「滅んでしまえ!こんな国に未来などいらない。」
男はそういうと右手を上げて赤い光を放った。
15年後……