表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王さまは涙もろい  作者: 南部
7/67

リールの町にて5

まだ寒い、辺りには雪が溶け残っている頃。ナディア・ロジノオフは死の淵に立っていた。

これまでろくなことが無かった人生を振り返り目頭が熱くなったが、身体中の痛みで涙は出なかった。


彼女の両親は幼い頃にゴロツキに襲われ他界。まだ、12歳だった彼女は一人で暮らす術などなく、親戚に引き取られた。

引き取られた先の親戚は彼女を温かく迎えてくれた。子供の居なかったその夫婦は、実の子供のように彼女を育ててくれた。

養父のゼップは勤勉だったが、彼女が14歳の頃に妻に先立たれる。それからは人が変わってしまった。酒に溺れ、毎日のように暴力を振るい、ナディアが15歳になった日に彼女を襲った。それからは毎日、何重もの暴力で彼女の精神を蝕んでいった。

それでもナディアは優しい夫婦の姿を思いだし、逃げ出すことが出来ずにいた。いつかきっと、もとに戻ると信じて。


だが、彼女を待っていたのは知らない男に抱かれる日々だった。働きもせず酒に溺れる毎日で金を使い果たしたゼップは、日銭稼ぎに彼女を売ったのだ。

毎日毎日複数の男に抱かれる中で、彼女はついに考える事をやめてしまった。さらに、重い性病が追い打ちをかける。身体中の粘膜から出血し、痛みのせいで最後には立てなくなった。

まだ寒い、早春の頃。ゼップはそんな彼女を見て、シーツに包んで山に捨てた。


じりじりと迫る死の影にナディアは安堵していた。包まれたシーツを払う事も出来ず、その場に横たわる。遠くなった耳に微かに人のものではない足音が聞こえた。きっと狼か何かだと思い、彼女は自分を食べた動物が病気にならないかどうかを心配した。しかし、彼女の前に現れたのは人間でも動物でもない異形のものだった。

”それ”は丁寧にシーツを解きナディアを見つめた。

背中にはドラクルの羽、手足は獣人、体は女性だが、顔は男。死ぬことを望んでいたナディアも、その姿に恐怖する。どんなおぞましい死に方になるのか想像もできなかったからだ。

だが、”それ”は彼女に語りかけた。


「貴女がどんな理由でここに倒れているかはわからない。だが、私を助けてくれないだろうか? こんな見た目なもので多少・・いや、大変困っている。大した礼も用意出来ないのだが・・・どうだろうか?」


ナディアは異形の”それ”が至極当然のごとく語りかけてきたことに驚き、言葉が出なかった。それ以前に血で唇が貼り付き、うめき声しか出せなかったのだが。


「これは・・・、気が利かなくて申し訳ない。」


男は頭を搔きながらそう言って手をかざす。すると薄緑の光が現れてナディアの体に吸い込まれていく。すると、どうしたことか体の痛みが嘘のように消えていった。固まっていた血も取り除かれたようで息もしやすくなっていた。呆気にとられる彼女を尻目に"それ"は続けた。


「この世界に幾度目かの危機が迫っている。昔封じたものが復活の兆しを見せているのだ。だが、この見た目では誰も私の言うことを聞いてくれない。君が良ければ手伝ってくれないだろうか? 」


そう言うと男は両膝をつき、頭を下げた。ナディアは明瞭に聞こえるようになった耳に、驚きながらも頷いた。今までの事で人間不信になっていたが、そもそもこれは人であろうか? 殺すつもりならわざわざ頭を下げてお願いなどするだろうか?などと考えていたらどうでも良くなったのだ。ナディアの返事に男は安心したように微笑みながら頷く。それと同時にハッとしたような表情を浮かべた。


「すまない。人と話すなんてとても久しぶりで自己紹介を忘れていたな。私はボーデンだ。よろしく頼む。」


ナディアに右手を差し出しながら”それ”は名乗る。久しく忘れていた人間らしいやりとりに、熱いものが頬を流れた。ボーデンはそれを見て青ざめ、謝罪する。


「す、すまない! 何か不躾なことがあっただろうか!? 改善できればする! まだ逃げないでくれ!!」


狼狽するボーデンを見てナディアは笑いながらまた泣いてしまった。




-------------------------------



「うまい!」


宿の食堂で”さっとした食事”を頬張り、思わず声が出た。案の定昨夜の騒動のため買い出しが出来なかったらしく、宿の主人のロックさんが謝罪とともに出してきたのがこれだ。厚切りの焼いたベーコンとレタスをコッペパンで挟んだものと、豆のスープ。レタスは庭で栽培しているとかで、みずみずしい。塩気が丁度良く、徹夜明けの体に染み渡る。昨日の晩程とはいかないが、朝の食事には最適だった。ミチもおいしそうに租借している。狼というよりもリスみたいだ。


「作ってもらった飯はなんでこんなにうまいんだろなー」


「んっんぐっ! わ、私も覚えます!」


口に詰め込んでいたパンを無理やりスープで流し込みながらミチが言った。見た目は儚げな美少女って感じだが、品がない。ここも直してやりたいが俺自身も人の事を言えるようなものじゃない。ただ料理をほめたつもりが、プレッシャーに感じてしまったらしい。


「おっ! 楽しみだな。無理しない程度で頼むよ。」


訂正しようと思ったが、料理ができたほうが彼女のためになるかもしれないと思い、お願いしてみた。ここの飯がうまいから長居して旦那を助けた恩をちらつかせて教わるのもいいかもしれない。そんな邪なことを考えていると、宿屋の次男坊コルビー君がやってきたのが見えた。


「ジョンさん! おはようございます! 」


「ひうっ!! 」


「すみません!」


後ろから聞こえた大きな声にびっくりしたようで、ミチが体を震わせる。おそらく飯に夢中で足音に気付かなかったのだろう。コルビーがミチに謝罪をしている。彼を最初に見た時、大人びた印象があったのだが、どちらかというと付け焼刃、背伸びしているように見えていた。だが、今は何というか覚悟を決めたというか堂に入った顔をしている。

幼馴染のウルダちゃんに言いにくい報告をしていたはずだ。というのも、彼女の両親が昨晩の襲撃で亡くなったのだ。小さな衣料品店を家族三人で経営していたそうだが、他所から移り住んできたため身寄りがないらしい。朝には自称身内の男が三人ほど現れたようだが、すべてロックさんが追い払ったそうだ。店の地権目当てか、あるいはウルダちゃん目的か。いずれにせよ良くないものだろう。


「おはよう、コルビー君。大丈夫だったか?」


まぁ顔を見れば何となく決着がついたとわかるが、一応聞いておく。身寄りのない彼女がどう判断したのかも気になる。袖擦りあいも多少の縁ってなもんだ。聞いても罰はあたるまい。ミチは我関せずといった様に再びパンを両手で持っておいしそうに租借している。


「はい! 俺たち結婚します!」


「はい?」


「?」


ミチよくわからなかったようで頭の上にはてなが見えるような顔をしている。あまりに過程の無い結論に言葉が出ない。随分と仲が良さそうではあったが、まさか結婚報告をされるとは思ってもみなかった。とりあえずようやく出てきた一言を発する。


「コルビー君、コルビー君。君とは短い付き合いだが一つ言わせてくれ。端折りすぎ!」


「す、すみません!! あの、なんていうか・・ ウルダのお父さんの話をしていたらそんな流れになって・・・ 言っちゃいました。」


どんな流れだよ。今までの人生でそんな空気感じたことないよ。若いってのはなんていうか羨ましいな。初めて会った時はもっと慎重な子だと思ったがかなり大胆だ。このくらい勢いがないと結婚できないのかもしれない。泡を食ったのを隠すように祝福の言葉をかける。


「何はともあれ、おめでとう。ご両親は賛成なのかい?」


「今から言ってきます!」


親よりも先に聞いちまったよ!順序ってものがあるだろ!! ミチはやはり何の話をしているのかわからないようで、4個目のパンに手を伸ばした。


「コルビー君。物事には順序って物があるんだ。無神経に聞いてしまった俺も悪いけど、まずはご両親に報告してきな? お母さんの方はわからないけどお父さんは実直そうだから頭ごなしに拒否なんて事はないだろ。」


「はい、それはそうだと思います。ただ、ジョンさんとミチさんが来てくれなかったら俺もウルダもどうなっていたかわかりません。話してたらお二人にも報告しなきゃって。だから先に来ちゃいました!」


来ちゃいましたじゃねぇ! 律儀にあいさつに来てくれたことはうれしい様な気がする。元の世界にいたときは結婚挨拶なんか面倒以外の何物でもなかったけどな。


「ご両親への挨拶ならウルダちゃんも連れて来た方が良かったんじゃないか? 」


ウルダちゃんの姿が見えないので念のため聞いてみた。無駄な気使いだとは思ったが老婆心とはこのことか。


「ウルダなら今俺の部屋で着替えてます。さすがにあの家にはもう戻れないでしょうから。」


そうだった。母親が惨殺され、数人の賊もそこで死んでいる。まっとうな神経の持ち主だったらもう行きたくないだろう。たとえそこが生まれ育った場所であろうと。そういえば屋根を大破させたのは自分だった気がする。


「遺品とか大事なものは持ち出せたのかい?」


「はい。俺がとってきました。ウルダのお母さんに渡されたものもウルダに渡してあります。」


いらぬお世話だったようだ。しっかりしているのだか抜けてるんだかわからない。とりあえずお詫・・祝いの品でも考えなければならない。久しぶりの他人との交流を楽しまなければ。


「結婚式はあげるのかい?」


「何言ってるんですか。そんなのは貴族やお金持ちしかできませんよ!」


コルビーが手を振りながら答える。こちらの世界に庶民の結婚式はないらしい。相変わらず興味なさそうなミチを横目に何を送ろうか思案する。


「結婚した時に贈る指輪とかはあるの? 」


「貴族なんかはやるみたいですね。町の人がそんなものつけていたら何をされるかわかりませんから。ネックレスなんかはたまにつけている人がいますね。あれなら服の下に隠れてすぐに価値がわかりませんから。」


治安の悪さが様々な影を落としているようだ。指輪を送って何かあっては困る、高価な物は贈れない。かといって消えものに関しては渡せるようなものもない。


「そういえば夜に持っていた短剣って親父さんから貰ったのか? 家に伝わるとかそんな奴?」


「いえ、そういうのではなくてお金がないので中古で買ってきました。どうしたんですか?」


「いや、属性加護とか魔法効果がある訳でもなさそうだったんでどうしたのかなって。」


「そんな武器は国が買い上げて戦争行きですよ。父さんのは父さん専用武器ですから買い取れなかったそうです。手放す気もないって言ってましたけどね。」


俺が勇者だったころはもっとガチガチの効果付きが人気だった。値も張るが命を預ける相棒だ。破壊不可などの効果付きはとんでもない値段で取引されていた。おそらくロックさんの武器は初装備者が登録される系統ものだったのだろう。比較的入手しやすい代わりにつぶしの利かない物だ。こういったものは使用者が死ぬと塵になる。ごく稀に使用制限が解けて再使用できるものがあるが、そういったものは加護や効果が薄いものが多く、価値も低くなる。コルビーの口ぶりから価値がさらに高騰したようだ。この手のダンジョン産武器はおおよそ30階辺りから確認され始める。もしかするとこの時代ではそこまで到達できる冒険者が少ないのかもしれない。


「なるほどね。ちなみに結婚するってことはこの家を継ぐのかい? 」


「家は兄さんが継ぎます。俺はウルダと旅に出ます。」


まぁ新妻を置いてくことはないだろうが、大変なこともあるだろう。コルビー君は自分の目標として冒険者を目指していたようだが、ウルダちゃんは違うだろう。長旅になれば森での野宿や、野党などの襲撃に怯える日もあるだろう。


「ウルダちゃんは戦えるの?」


「聖魔法の適正があるとかで神殿に誘われたことはあります。でも特訓をしていないので使えません。包丁くらいは持ったことあると思いますが、戦うってのはまったくですね。」


それで旅に出るのは無謀としか言えないな。のどまで出かけたが言葉を飲み込み、しばし考える。


「ものは提案なんだが、出発を二週間待たないか? 久しぶりにできた人間の友達に餞別を用意したい。それと、これからの旅でコルビー君一人なら何かあっても逃げ切れると思う。けどウルダちゃんを守りながらだとまだまだ力不足。少し特訓していかないか?」


「え?」


まぁ、昨日会ったばかりのおっさんに友達と言われたらそうなるか。だが、未来ある若者の生存率を上げたいのは本心だ。なんて言えば食いつくか思案するが、彼の事を知らな過ぎて特に案が出てこない。少なくともミチの表情が曇っているのは見なくてもわかった。


「いいんですか!? ジョンさんに稽古をつけてもらえるなんて助かります!」


二つ返事でOKを貰い、肩透かしを食らった。素直な子で助かった。


「ノレッジドラゴンの本体を探しながらになるけど、このまま外に出るよりはましだと思う。損はさせないからよろしく頼むよ。」


「こちらこそお願いします!」


元気な返事を受けてコルビー強化作戦が始まった。ウルダちゃんは本人がいないので保留。旦那の一存で決める訳にはいかない。


「そうだ。ミチに料理を仕込んでほしいんだが、親御さんにかけあってくれないか?」


「任せてください! うちの母さんは世話焼きなんできっとOKしてくれます!」


こちらも快諾してくれた。ミチがギョッとした顔でこちらを見ていたが、さっき自分で作るって墓穴を掘っていたため素直に了承した。


「兎にも角にもご両親に報告してきな。特訓は明日からやるから今日は休んでくれ。ていうか俺が寝たい。」


「・・わかりました! 明日からよろしくお願いします!」


コルビーが今日はやらないのかって顔をしていたが、俺が眠さに勝てない。それに、どうせこれから家族会議だろうからなにもできないだろう。大半をミチに食われてしまった朝食に手を伸ばしながら明日からのトレーニングメニューを考える。そうしているとミチが質問をぶつけてきた。


「お館様。あの子供に肩入れしすぎではないですか? 気をかけても人間はすぐに死んでしまいます。つながりを作るならもっと長命な種族にしたほうがいいのでは? 」


ミチなりに考えて気を使ってくれたらしい。確かに俺や銀狼族ほど長命な種族では、置いて行かれるばかりだ。思いがけない切り口での質問に面食らう。俺が知らないうちにミチも人間と接触はしていたようだ。


「あぁ、それはそうかもしれないな。でも、短い人生で何を成すか、どう生きるのか。人間は賢い。俺みたいに日々に流されて生きている者には見えない、そんな一生を送ってる。勿論ダメな奴もたくさんいるけどな。そういう人生を垣間見るのはとても貴重だ。それぞれの物語が小説みたいに彩をくれる。その煌めきが・・・」


語っていて恥ずかしくなってきたので途中で思い直した。随分熱をこめてしまったようでミチが真剣な眼差しでこちらを見ていた。俺は余計恥ずかしくなって言葉に詰まった。


「さすがお館様です! そこまでお考えだとは!! 浅はかな私をお許しください!!」


何だか口調まで変わって・・ そこまで深い意味はないんだが、伝わってよかった。実際こんな状態になったからかは知らないが、一日一日の重みが無くなってしまった。昔は四季を感じたり、花や、食べ物なんかで移り行く歳月を感じていたのだが、今はそういった感情も無くなっていた。

そうだ。あの若いドラゴン、きっと暇つぶしに人間の暮らしが見えた方が良い。そんな思いで村の広場に封印したんだった。随分と大きくなったこの村だが、古い広場を探せばきっと見つかるだろう。

訳のわからない所からヒントが出てきた。こちらを見るミチに感謝しなければ。


「ミチ、ありがとう。ドラゴン見つかるかも知れない。ちょっと出掛けるけどついてくるか?」


「へ? あ、はい!」


不思議そうな顔のミチを連れて探索に行く。封印した場所に魔力でアンカーを設置していればあっという間だったのだが、こんなに大きな町になるとは思っていなかったためそんな事はしていない。当時の村人がド派手なモニュメントでも建てていてくれれば楽なんだがな。


「何言ってるのコルビー!!!」


「っ!」


宿の奥からとんでもない声量でフェタさんの声が聞こえ、ミチが硬直する。コルビー君の大声はフェタさん譲りのようだ。なるようにしかならんだろうが、心の中でコルビーを応援しつつ町に向かうことにした。









やりたいようにしていたらかなりの見難い文章に・・・

まぁいいか。

※世界観

ドラクル・・・龍人。人寄りから龍寄りまでいる。気位が高く人の街にいることは少ない。龍寄りの方が面倒。

獣人  ・・・猫とか犬とか色々います。人寄りの見た目や獣寄りの見た目とかも。奴隷にされることが多い。

エルフ ・・・魔力が高く、綺麗所が多い。森に良くいる。少ない。

ドワーフ・・・小さい。頑強で環境耐性が高いため色々なところにいる。火山に住んでる変わり者もいる。

人   ・・・数は力だ。一人で勝てなきゃ100人でフルボッコ。

人魚  ・・・人に食われた時代もあり、人間が嫌い。社交的な性格が多く、よく騙されている。

鳥人  ・・・ハーピーとは違うと主張する知恵がついた系統のハーピー。ハーピー扱いするとガチギレする。

その他 ・・・色々いるけど種族として認められていない者もいます。カエルとかトカゲとか。モンスター扱い。


そのうち出てくると思いますがまだ予定はございません。また、吸血一族は人に分類されています。そのため一族なんです。元は一人の男が自らの子供の血を吸い、覚醒したと言われています。他にも種族の中で分かれている事がありますが、似たような理由です。あくまで私の作品の中だけですが。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ