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死神の少女  作者: くるみ
6/6

怨霊化しかけの少女

この作品を開いてくれてありがとうございます!


前回、いい感じに終わりましたがまだまだ続きます

あの狸に出会ってから3日が過ぎた。未だに狸の正体はわからないし、あれから全然見ていない。



そんな事は全く気にせず今街を歩いている私の目には、眼帯が付いている。


そう、最近魂を喰ってなかったから、赤黒く変色してしまったのだ。


早く魂喰って戻さないとな…


そう思いながら八千代さんと二人で怨霊を捜しているが、なかなかいないな…



「さとちゃん、彼女なんてどうだい?」


突然八千代さんが指さしたのは、ある家の前に立っている少女だった。でも…


「まだ完全に怨霊になってねぇっすよ。まだ助かるかも…」



そう言うと八千代さんはなぜかふふっと笑った。


「?なんで笑うんすか?」


「いやあ…さとちゃんは優しいね。自分の目を治す事よりも、助かるかわからない彼女の魂を選ぶなんて」


そう言われて顔が赤くなったのは自分でもわかった。


「うるさいなっ。でも助かりそうにないな、あれじゃ」


でもあいつ、なんであの家見つめてんだ?未練でもあるのか?



…ああ、駄目だ駄目!この世に未練のある幽霊を成仏させる仕事は、あいつらに任せておけば…そんなん私には向いてない!



でも…まだ完全に怨霊化するまでに時間かかりそうだし…うまくいけば、成仏する時にあいつの魂貰えるかもだし…


「っああ!ごちゃごちゃ考えるなんて性に合わない!八千代さん!こっからは私一人でやります!」


八千代さんの返事も待たずに私は走り出した。


「おい!お前!」


私が声をかけるとそいつは飛び上がって驚いた。どうして私が見えるの?とでも言うみたいに。


「私は生まれつきそっち系のもんが見えるんだよ」


そう説明するとそいつはやっと納得してくれた。


「…それで?この家になんか未練でもあるのか?だから怨霊になりそうな今でもここにいるんだろ?」


「………うん」


イライラするほど長い間の後、そいつは答えた。


「…なあ、取引しないか?」


「え?…取引?」


突然の事で困ってるそいつに…って、そいつそいつってもうめんどいわ!!


「っていうかお前、名前なんだ?」


また長い間を空けて答えた。


「…苗字は忘れた。名前は凛」


「凛か…。で、凛!改めて、私と取引しないか?」


「…どんなのか説明してくれないと、わからない」


力のこもってない声でそう言われると、こっちまで力が抜けてくるな…。


「私がお前の未練を無くしてやる。だからお前は成仏する時に、私に魂をよこせ」


そう言いながら眼帯の下を見せると、凛はすぐに理解してくれた。


「あなたが霊界で噂の、キラ…さん?」


「は?」


キラ?キラって何?え…死神的なあれ?

え?


私が困惑してると、凛が遠慮がちに教えてくれた。


「身体に宿った悪魔の力を借りて魂を狩る死神、キラだって」


Oh…マジデスカ…知らない間にそんな異名が…


「それはいいとして」


置いとかれた!?私結構衝撃受けてるんですけど!?


「本当に、未練を解決してくれるの?」


凛の目はさっきと違って、期待に溢れていた。


「ああ、まかせろ!じゃあ取引成立だな?」


私は凛に握手を求めた。凛は私の手に触れようとしたが、霊体だからすり抜けてしまう。だが凛がすり抜けた私の右手は、暖かい空気に包まれた気がした。



最後まで読んでいただきありがとうございます。


次回は凛の過去の話です

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