少女の逃走
実はまだ少女の名前、出てきてないんですよね。
ちなみにこの少女の最近の悩みは、
「焼きそばパンに乗ってる紅ショウガを摂っても、紅ショウガがのってた所も辛いから食べれない」
ことです。どうでもいいわ。
みなさんこんにちは。突然ですが私は今、人生最大のピンチを迎えている。
「な、なんだよ、お前ら!わ、わ、私になんか用かよ!?」
目の前には見知らぬ幽霊が数体。そう、私はどう見えてるか知らんが、こう見えて幽霊が大の苦手なのだ。
なんだ?突然なんの罰ゲームだこれ?あれか?前回どこぞの海賊狩りなら倒せるって言ったからファンにキレられたのか?すみません訂正しますあんな刀三本も持った人なんか倒せません!すみませんハイ!
そりゃ本気を出せばこんな奴らすぐに片付く。だがとりあえず姿も見たくない怖い。
私はこの見た目が怖いだけのなんの取り柄もないこいつらが大嫌いだ。
『ケヒ…』
!?なんだなんだ?けひ?ケヒって何?
『ケヒャヒャヒャヒャ!!!』
「ぎぃやあああああ!?!??」
なニィィー!?突然幽霊が私に向かって奇声をあげながら走ってきただと!?
とにかく逃げろ私!このへん全然知らないところだけど逃げまくれ!
私はとりあえずがむしゃらに走った。
つーか速っ!!幽霊速!!なんだよこいつら幽霊の癖にめっちゃ足速いじゃねーか!って!
「はっ!?」
やばい!信号が赤に変わる!私は人間だから赤になったら止まらねーとなんねーのに!くそ!
とりあえず死ぬ気で走れ!
「うおおおおおお!!」
…よっしゃ!なんとかセーフ!
呼吸の乱れを直してる暇もなく、私は走りを再開させた。…が、ある違和感に気付いた。
?なんか全然気配がしないな…でも振り返って目の前にいたら怖いしな…だがしかし!
バッ!
思い切って振り返った私!よくやった!
って…何イイィィイ?!?!??信号待ち!?まさかの信!号!待ち!?おいおいお前ら霊体なんだからすり抜けろよ!
しかも一列になって綺麗に待ってんじゃねーよ!?ランニング中のスポーツ選手か!
まあいい。私にとっちゃ好都合だ。今のうちに逃げるぞ!
それから数十分後…
「はあっはあっはあっ」
ここまでくれば大丈夫…てゆうかここマジでどこだよ…
ん?神社?咲神神社…なんかいかにもでそうな雰囲気なんだけど…
っていってたらはい!来ましたお約束!さっきの信号待ち幽霊!!!
「ぎゃあああっ!」
どうしようやられる!でも恐怖で刀に手が伸びない…!
私がぎゅっと目をつぶったその時。
「ここはお前たちのいるべき場所ではない。闇に帰れ」
ちりんとなった鈴の音とともに、綺麗な女性の声が聞こえた。
「ずいぶん探したよ。さとちゃん」
おっとりしたなめらかな声。聞き慣れてる声に、私は安心のあまりその場に崩れ落ちてしまった。
「…八千代さん…!」
全部よんでいただき、ありがとうございます
少女は学生なのですがそういうシーンは一切出てきません!きっぱり!