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プロローグ

野尻市に住む河崎恵太かわさきけいたは、野尻第二小学校の六年生。

父親は二年前に離婚。いまは母親の信子のぶこ、妹の貴子あつこの三人ぐらしだった。

恵太と貴子の兄妹には、あるヒミツがあった……。


※※※


「いっしょに帰ろう。お兄ちゃん」


学校の帰り道。貴子は、恵太を見つけると、恵太のところにきた。


「じゃあボク、お兄ちゃんと帰るから。バイバイ」貴子は友達にいった。


「あっちゃん、またあしたねー」


友達とわかれ、貴子は恵太といっしょに家に帰った。恵太と貴子のふたりの兄妹は、近所でも有名なほど仲がよい兄妹だった。


「もうすぐお家につくからガマンしろよ」貴子は恵太にいった。貴子の言葉づかいは乱暴で、まるで男の子みたいだった。


「わかったから……、わたしガマンするね……」恵太はいった。恵太の言葉づかいは女の子みたいにおしとやかで、貴子の逆だった。



「ふたりともおかえり」信子は、学校から帰ってきたふたりを迎えた。


「母さんただいまー」貴子はいった。


「わたし、着替えにいくから……」恵太はいうと、二階にあがり、自分の部屋に着替えにいった。


「母さんどうしたの。ボクの顔を見て……」


「また一段と男っぽくなったわね、貴子」

「ボクは、家では貴子でなくタカシ」貴子は信子にいった。


「そうだったわね……。二年前に、父さんがあんなことを起こさなければ……」

「あいつのせいで、ボクとメグミは……」貴子は吐き捨てるようにいった。なぜこんなことになったのか。それは、いまから二年前だった。

野尻市に住む河崎恵太かわさきけいたは、野尻第二小学校の六年生。

父親は二年前に離婚。いまは母親の信子のぶこ、妹の貴子あつこの三人ぐらしだった。

恵太と貴子の兄妹には、あるヒミツがあった……。


※※※


「いっしょに帰ろう。お兄ちゃん」


学校の帰り道。貴子は、恵太を見つけると、恵太のところにきた。


「じゃあボク、お兄ちゃんと帰るから。バイバイ」貴子は友達にいった。


「あっちゃん、またあしたねー」


友達とわかれ、貴子は恵太といっしょに家に帰った。恵太と貴子のふたりの兄妹は、近所でも有名なほど仲がよい兄妹だった。


「もうすぐお家につくからガマンしろよ」貴子は恵太にいった。貴子の言葉づかいは乱暴で、まるで男の子みたいだった。


「わかったから……、わたしガマンするね……」恵太はいった。恵太の言葉づかいは女の子みたいにおしとやかで、貴子の逆だった。



「ふたりともおかえり」信子は、学校から帰ってきたふたりを迎えた。


「母さんただいまー」貴子はいった。


「わたし、着替えにいくから……」恵太はいうと、二階にあがり、自分の部屋に着替えにいった。


「母さんどうしたの。ボクの顔を見て……」


「また一段と男っぽくなったわね、貴子」

「ボクは、家では貴子でなくタカシ」貴子は信子にいった。


「そうだったわね……。二年前に、父さんがあんなことを起こさなければ……」

「あいつのせいで、ボクとメグミは……」貴子は吐き捨てるようにいった。なぜこんなことになったのか。それは、いまから二年前だった。

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