表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

5ショートストーリーズ 2

5ショートストーリーズ2  その1【神様のオセロ】

生まれつき色白な男は色黒に憧れていた。ある日男は、左ひじに黒子が二つあることに気づいたが…

 男の一家はみな色白だった。彼の母親はよく言っていたものだ。

「色の白いは七難隠す。お前が女の子だったら良かったのにね」

 子供の頃は意味が分からず、それを訊ねると

「色白の子は多少造りに難があっても、それを補って美しく見える

ものなのよ」

そう笑った。


 男は成長しても色白のままだった。子供の頃から陽に焼けても、

赤くなってすぐに元の色に戻ってしまうのだ。

 女にはモテた方だろう。元来優しくおとなしい性格だったし、色

黒の粗野な男子とは一味違って見える、それが一番の理由だったの

かもしれない。


 情にも厚いので、男子にも友達は多かった。

「おまえ、優男の癖に、いいヤツじゃん!」

 彼の人となりを知ると、友人達はみな口を揃えてそう言った。


 そんな彼が密かに憧れていたのは、色黒だった。人は昔から無い

ものねだりをするものなのだ。

 ある程度お金が自由になる年齢になると、日焼けサロンにも通っ

た。が、当然、皮膚にダメージを受けるだけで、医者からも禁止令

が出された。


「あ~あ、色黒になりたい。色白の男なんて弱く見えるだけだ。出

来れば黒人に生まれたかった…」

 いつしか男は口癖のように、そんな事を言うまでになった。


 そんなある日、男は、風呂上りに、左ひじに黒子がふたつあるの

に気がついた。それまでの男の身体は、一点の曇りも無い程に真っ

白だったから、これには驚いた。と、同時にどことなく嬉しくもあ

ったのは、彼だらかこそなのだろう。

 風呂上りに黒子を見る事は、彼にとっての楽しみとなった。


 その黒子が、ある日を境に数を増していった。これには彼も驚き

を隠しえず、皮膚科に相談に行った。

「う~ん、ただの黒子ですな。皮膚癌でないことは確かです。しか

し、なぜ急に数が増えたのかは分りません…」

 なじみの皮膚科医が首をひねった。

「健康に害がないのならそのまま放置しても良いんですよね」

「レーザーでとることも出来ますが」

「いや、それには及びません」

「それでは念の為に、月に一度通院されるとよいでしょう」

「はい」

 男は自分の安心の為にも、先生の言う通りにしようと思った。


 一年後、彼の左腕は真っ黒になっていた。黒子が増えたのでそう

見えるのだろうが、内心、彼は自分の白い体が黒くなっていくこと

に喜びをも覚えていた。


「う~ん、不思議な現象です。しかし、健康には問題がないようで

すな」

「はい、体調はいいようです」

「ではまた来月」


 こうしていつしか3年の月日がたった。男は身体の一部分を除い

て、全身黒子まみれになって、一見すると黒人に見えるようになっ

た。

 男は満足だった。やっと自分の望み通りの身体になれたのだ。見

よ、この輝くまでに黒光りする身体を! ヘイ、ブラザーという掛

け声もこの俺の為にあるような言葉じゃないか。


 そんなある日、彼は睡眠中、『やられた!』という声を聞いた。

『やったぞ、大逆転だ!これで勝負は俺の勝ちと!』

 そんな声も聞こえた。


 次の朝、目覚めた彼が目にしたのは、全身真っ白の彼の身体だっ

た。彼の身体は、神様のオセロの碁盤として、使われていたのだ。



神様もオセロをするんか~い!しかも人間の身体を碁盤にして!無理な設定、

無理な進行wwごめんなさい…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] あはは面白い。 しかもタイトルがオチってどんだけ挑戦的なんだか… ボクはボーっとしてるので運好くタイトル見逃してましたけども。 つまり試金石ですね。ボーっとした感じで読んでいき、ボケとか仕…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ